美容成分のはなし~プロテオグリカン~

みなさんは、プロテオグリカンという成分をご存知ですか?
「初めて聞いた!」
という方も、多いかもしれませんね。

先週の「真皮のはなし」でも少し触れたプロテオグリカン。
コラーゲンやヒアルロン酸に比べると、まだまだ知名度は低いかもしれませんが、プロテオグリカンは、お肌にとってこれらに負けず劣らず重要な成分なのです!
今日は、新しい美肌成分、プロテオグリカンについてお話ししたいと思います。

期待の生体成分、プロテオグリカン。

プロテオグリカンという名前の「プロテオ」はプロテイン、つまりたんぱく質を、「グリカン」は多糖類を意味します。
プロテオグリカンは、その名の通り糖たんぱく質のひとつで、グリコサミノグリカンという多糖類と、コアたんぱく質(核となるたんぱく質)が結合してできています。
コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などと共に細胞外マトリックスを形成し、細胞の隙間を埋め、保水や弾力性保持するのみならず、細胞の代謝や増殖など、様々な役割を担っています。
プロテオグリカンには多くの種類があり、軟骨組織に豊富に存在するアグリカン、基底膜に存在するパールカン、真皮層などに存在するヴァーシカン、小型のデコリンなどが体中の至る所に存在しています。
プロテオグリカンを構成するグリコサミノグリカン群は、まるでスポンジのように柔軟にたくさんの水を抱え、弾性や衝撃への耐性といった機能を担っています。
皮膚の中では、立体構造を形成し肌にハリや弾力を与え、関節では軟骨中に存在し、弾性や衝撃への緩衝作用といった、クッションのような役割を果たしています。
さらに、最近の研究では細胞の増殖や免疫作用にもかかわることが分かってきています。
プロテオグリカン自体は、以前から研究されていた成分なのですが、当時は牛や鯨の軟骨から抽出していて、抽出工程も薬品を多用する複雑な工程な上、極少量しかとれず、なかなか製品化にはたどりつけませんでした。
しかし、鮭の軟骨内に大量に発見され、研究の末、低コストかつ安全な抽出法が確立されました。
現在も、青森県の弘前大学で研究され、青森の産業のひとつとして、産学官(産業界・学術機関・官公庁)が一丸となって研究されています。
プロテオグリカンに対する注目度の高さが伺えますね。マトリックスイメーシ?と構造式N

塗っても飲んでもスゴイ?!

プロテオグリカンは、ヒアルロン酸と同等以上の保水力を有し、皮膚中の線維芽細胞に働きかけ、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生を促すことも分かっています。
また、EGF(上皮細胞増殖因子)様作用を有し、ヒト表皮細胞の細胞増殖を促します。
さらに紫外線によるダメージを受けた肌を修復する作用や、皮膚の新陳代謝を促進する作用などがあることも発見されています。
乾燥やたるみ、シミ、シワなど、様々なエイジングケアをカバーできる、お肌にとっては不可欠な成分かもしれませんね。
さらに、飲んでもうれしい効果がたくさんあります。
プロテオグリカンを経口摂取することで、軟骨の前駆細胞の増殖を促し、その前駆細胞を軟骨細胞へと分化させることが分かっています。
その上、軟骨細胞の石灰化も防ぐ効果があるため、変形関節症など、関節症の予防及び改善効果が期待されています。
お肌だけでなく、関節のエイジングケアにも効果が期待できるのです。

プロテオグリカン――、今後注目の成分ですので、ぜひ、チェックしてみてくださいね!

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