「酸化」=サビは分かるけど、「糖化」=コゲってどういうこと?~糖化について①~

15.7.10UP

ほんのりコゲ色のトーストは美味しそう!だけど、それが私たちの体で起きると…?!

私たちの生活に必要な酸素が招く、『酸化』については以前お話ししました。
今回は、もうひとつ、私たちのエネルギー源として必須の『糖』…この『糖』が原因で起こってしまう『糖化』
今日は『糖化』についてお話ししたいと思います。

『酸化』『糖化』といえば、老化の2大要因といっても過言ではありません。
ただ、糖化は酸化に比べると、まだちょっぴり知名度が低く、また「なんとなく聞いたことはあるけどうまく説明できない…」という方が多いかもしれませんね。
私たちの健康にも美容にも、重要なキーワードとなる『糖化』、一緒に学んでいきましょう!

酸化=サビ、糖化=コゲ?

活性酸素による私たちの体内の成分の酸化を、鉄の酸化反応と同じく「サビる」という言葉で表現されることがありますが、同じように表現すると、糖化反応は「コゲる」という言葉になるでしょうか。
糖化反応(glycation)は、アミノ酸やたんぱく質と糖を加熱することにより、褐色の色素が生成されることです。
発見者であるフランス人科学者メイラード(Maillard)の名前から、メイラード反応として知られるようになりました。

糖化反応…すなわち「コゲ」は、私たちの生活の中でもよく見られます。
トーストやクッキー、ホットケーキなどを焼くと、こんがりと美味しそうなキツネ色(褐色)になりますよね?
他にも、カレーをつくる際に、玉ねぎをあめ色になるまで炒めたことはないでしょうか?
これらの色の変化は、食べ物に含まれる糖とアミノ酸やたんぱく質が、加熱されることで反応し、褐色の色素が生成されたことによるものです。

ちなみに、砂糖を焦がし、カラメルをつくるときの反応をカラメル化反応といい、色が同じく褐色になることから糖化反応と混同されがちですが、カラメル化反応は糖類が100℃以上によって単独で褐変する作用のことで、アミノ酸やたんぱく質との反応ではないため、糖化反応とは異なります。

上記のトーストなどを焼いた時には、それらの中に糖とたんぱく質やアミノ酸を含むので、糖化反応とカラメル化反応が同時に起こっていると考えられています。
糖化反応やカラメル化反応は、食品の調理や加工の過程で、色や香りを作り出したり、食感に変化をもたらしたりするため、食品の美味しさを考える上では欠かせない、重要な反応の1つです。
では、この『糖化反応』は私たちの体の中ではどのように起こるのでしょうか?

糖化反応の仕組み…私たちの体の中に、AGEsができるまで

私たちの体の中での糖化反応は、大きく2つの段階に分けて考えられています。

まず、アミノ酸やたんぱく質と還元糖が反応し、糖化たんぱく質(アマドリ転位という反応からなるのでアマドリ化合物とも呼ばれています)となるまでを初期段階(early stage)といいます。
例えば、糖尿病の診断基準や血糖コントロールの指標などに使われるヘモグロビンA1c(HbA1c)は、糖化たんぱく質の代表例のひとつです。
血液検査の際に、血糖値などと一緒にHbA1c値をご覧になったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その後、糖化たんぱく質は脱水や加水分解などの反応を経てジカルボニル化合物と呼ばれる中間体となり、さらに酸化・分解などの反応を経て、最終的に安定なAGEs(Advanced Glycation End-products:糖化反応最終生成物)となるのですが、その反応を後期段階(advanced stage)といいます。
糖化たんぱく質ができてから、AGEsができるまでの後期反応については、いまだ解明されていない部分も多くあります。

また、AGEsと最後に「s」が付いて複数形になっていることからわかるように、AGEsは後期反応で生成される様々な物質の総称で、現在発見されているだけでも100種類以上にもおよぶそうです。
AGEsの代表的なものとしては、ペントシジン、クロスリンなどがあげられます。

一度AGEsがつくられてしまうと、AGEsは非常に安定した状態であるため、不可逆反応である、つまり元に戻すことはとても困難となります。
私たちの皮膚の中にあるコラーゲンが糖化し、AGEs化してしまうと、分解し代謝されにくくなり、お肌や骨、血管、臓器、脳…と私たちの全身のあらゆる部位に蓄積されてしまうのです。
AGEs化したたんぱく質やアミノ酸が、体内に蓄積されていくと、どのようなことが起こるのでしょうか?

次回は、糖化が私たちの健康や美容に与える影響についてお話ししたいと思います。

(キレイ研究室 研究員:船木)

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