玄米と白米、目的に合わせて使い分け!お米の栄養と楽しみ方

お茶碗に盛られた、ほっかほかのごはん…日本人なら、誰でも大好きなのではないでしょうか?
呼び方も、「舎利(仏の遺骨のこと)」なんて特別なものもありますし、盛るときもご飯だけは「よそう(装う)」っていいますよね?
年々、パンや麺類の影響で、食べる量が減っているといわれているお米ですが、私たち日本人にとってはとても大切な食材です。
今日は、お米に含まれる意外な栄養と、最近注目を浴びている新しい食べ方についてお話ししたいと思います。

玄米と白米、どっちが体にいいの??


私たちが思い浮かべるご飯は、白米だと思いますが、実は、白米というのは18世紀(江戸時代中期)ごろより食べられ始めたもので、稲作を開始した弥生時代から江戸中期までは、玄米や5分づきぐらいのお米を食べていました。
柔らかくて甘味が強い白米は、日本中に広まりましたが、白米と同時に広まってしまったのが脚気(かっけ)という病気です。
脚気はビタミンB1の欠乏によって起こるのですが、それまで玄米を食べることで得ていたビタミンB1が、精米によって失われたことが原因だといわれています。
実際、玄米には白米に比較すると、食物繊維:7.5倍、ビタミンB1:5倍、ビタミンE:6.5倍、葉酸:2倍、マグネシウム:4.5倍、鉄分:2.5倍、リン:3倍、カリウム:2.5倍という風に、食物繊維・ビタミン類・ミネラル類は全て白米よりたくさん含まれています。

では、食品としては白米よりも玄米の方が優れているといえるのでしょうか?
最近は、ローカーボダイエットの流行などによって「白米=糖質のみでほぼ栄養なし」といったイメージを持たれている方もいるかもしれません。
実は、お米に含まれるでんぷん質は、体の中でブドウ糖に変化し、エネルギー源として使用されますが、消化吸収の良い白米は、エネルギー源として理想的です。
ですので、ダイエットやアンチエイジングに関心がある方は玄米を、スポーツをするときなどエネルギーが必要な時、胃腸などが弱っているときは白米を、という風に目的によって使い分けるというのがおすすめです。
また、玄米と白米を混ぜたり、麦やキヌアなど雑穀を混ぜたりして、その日の体調や気分、合わせるメニューなどによっていろいろなお米の楽しみ方を探してみてくださいね。

お米がミルクに?ライスミルクとは?


お米の新しい楽しみ方として、最近注目を集めているのが「ライスミルク」です。
面白いことに、白米を食べる習慣があまりない欧米で流行し日本でも流行しつつあります。
牛乳、豆乳に続いて、アーモンドミルクやココナッツミルクなどとともに、第3のミルクなどともいわれています。

牛乳のようにパック飲料としても販売されていますが、実はライスミルクは家にお米がある日本人なら、簡単に用意できます。
なんと炊いたご飯(玄米・白米どちらでもOK)に、ご飯の量の5倍程度の水を加え(固さはお好みで加減してください)、ミキサーにかけるだけ!これで完成です(市販のものは生米からつくられるものが多いので、全く同じというわけではありません)。
お好みでお塩を一つまみ程度加えてもいいそうです。
重湯や赤ちゃんの離乳食に近いかもしれませんね。

利用法としては、そのまま飲むのはもちろん、牛乳の代わりに様々な料理に使うこともできます。
牛乳よりも低カロリーで栄養価が高い(特に玄米でつくった場合)ため、人気が集まっているようです。
玄米の味や触感、においが苦手だという方も、ライスミルクを使ったカフェオレにしたり、フルーツとシェイクしたりすることで、美味しくいただけるとか。
消化吸収が良いので、朝ごはんにピッタリ!
簡単につくれるので、ぜひお試しください。

日本人にとって、最も重要な食べ物といっても過言ではない、お米。
秋は新米が店頭に並び始める、とっても楽しみな時期ですね。
新しい楽しみ方も増え、ますます魅力の増したお米を、たくさん味わいましょう!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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