[糖化2]コゲの影響はくすみ・たるみ・シワ!肌老化はキレイの天敵です

顔色がくすんでいる、肌にハリがない、シワができた・・・原因は「糖化」かもしれません!

前回、糖化が起こる仕組みについてお話ししましたが、今回は実際にお肌の中で糖化が起こると、どのような変化があるのでしょうか?
糖化がお肌に与える影響は、大きく分けて2つ。
今回は、その2つについてお話ししたいと思います。

消えないくすみ?!糖化が原因の黄ぐすみとは?!

糖化が原因で起こるお肌の悩み・・・まず1つめは、糖化の最終生成物であるAGEsがお肌に蓄積することによって起こる「黄色いくすみ」です。
私たちのお肌は、表皮から真皮まで、さまざまなたんぱく質によってできており、糖化の影響を受けることがわかっています。
糖化は「コゲ」と表現されることからもわかるように、糖化したたんぱく質はそれ自体が黄色~褐色であるため、お肌に蓄積すると黄色くくすんで見えてしまいます。
また、表皮の角層内にAGEsが蓄積した場合、くすみ以外にも、お肌のキメにも影響することがわかっています。
幸い、角層内に蓄積したAGEsは、ターンオーバーによって角層とともに排出することが可能です。

しかし、真皮層のコラーゲンなどが糖化の影響を受けた場合、できてしまったAGEsは非常に安定した物質であるため、分解することはとても困難です。
さらに、残念なことに、糖化によるくすみは、メラニンが原因ではないため、世にある多くの美白化粧品の効果や効能はあまり期待できません。
一度起こってしまったが最後、真皮層の糖化によるくすみをなくすことは、とても難しいのです。
「最近、ピンクのチークやリップが似合わなくなってきた」
「日焼けしたわけでもないのにファンデーションの色が合わなくなった」
「なんか、肌の色が暗くなった気がする」
こんなお肌の状態に心当たりはありませんか?
もしかしたら、糖化による黄ぐすみが原因かもしれません!

どんどんお肌を破壊する?!コラーゲンが糖化するとこんなに怖い!!

もう1つは糖化が原因によって起こる「たるみ」「シワ」です。

私たちの皮膚の真皮の部分は、水分を除くとほとんどがコラーゲンやエラスチンといったたんぱく質で構成されています。
コラーゲンとエラスチンが絡み合うような形で立体構造をつくり、その間を保湿成分であるヒアルロン酸などが埋めて、肌の弾力やハリを生み出しています。
コラーゲンを構成するリジン残基やアルギニン残基は糖化反応を受けやすい性質を持っており、AGE化するとコラーゲンやエラスチンをつなぐ線維間架橋を形成してしまいます (グルコース誘導架橋結合といいますが、悪玉架橋や老化架橋などといわれることもあります)。
要するに、元々お肌の中のコラーゲンを支えている成熟架橋(ヒドロキシリジンによる架橋)以外に、無秩序に線維同士をつないでしまうのです。
すると、コラーゲンやエラスチンは可動性を失い硬くなるため、お肌はハリや弾力を失ってしまうと考えられています。

糖化によってつくられた架橋物は、異物と判断されるため、私たちの体はコラゲナーゼ(コラーゲンの分解酵素)やエラスターゼ(エラスチンの分解酵素)といった分解酵素の分泌量を増やし、架橋物を分解しようとします。
ですが、糖化によって生まれた架橋物はとても安定したつくりであり、分解するのが難しいため、分解すべき架橋物よりも、正常なエラスチンやコラーゲンが分解されやすくなってしまいます。
結果、お肌はどんどん脆くなり、ハリや弾力を失い、シワやたるみの発生につながってしまうのです!
糖化の影響によるたるみはSuger Sag(砂糖のたるみ)と呼ばれ、紫外線による光老化とともに、肌の老化の原因の一つと考えられています(出典:Skin Therapy Lett. 2015 Nov;20(6):1-5.)。

消えないくすみ、どんどん分解されるコラーゲン・・・。
糖化がお肌に与える影響は、美肌を願う女性にとって、恐怖そのものかもしれませんね。
糖化は、たんぱく質と糖が結びついて起こるので、影響は肌のみにとどまりません。
次回は、髪や爪など、お肌以外の糖化についてもお話ししたいと思います。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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