【抗酸化6】抗酸化物質を増やすために!食事から摂取する方法教えます

前回は、活性酸素の過剰な生成を抑えるためのポイントについてお話ししましたが、今回はできてしまった活性酸素を、できるだけ速やかに消去するためのポイントについてお話ししたいと思います。

活性酸素を消去するために

私たちが呼吸をしながら生活していく以上、必ず活性酸素やフリーラジカルは発生します。
発生した活性酸素やフリーラジカルは、通常は抗酸化物質により消去されます。
体内にある抗酸化物質は、人間にもともと備わっている防御システムとして活躍しており、SODやカタラーゼなどの酵素がその代表です。

「【抗酸化1】酸素が毒にも成り得る!?酸素にはたくさん種類があるって知ってますか?」「【抗酸化2】活性酸素と日々戦う私たちの体!活性酸素の種類について教えます。」でお話ししたとおり、SODはスーパーオキサイドを消去して過酸化水素とし、カタラーゼは過酸化水素を消去しています。
しかし、最も危険なヒドロキシラジカルを消去するための酵素はまだ見つかっておらず一重項酸素や、脂質ラジカルや過酸化脂質ラジカルといったフリーラジカルを消去する特異的な酵素もまだ知られていません。
さらに、私たちの中のSODの産生量は、年齢と共に減ってしまいます。

とても活性酸素に対抗できない・・・と思われるかもしれませんが、大丈夫。
抗酸化物質は、体内でつくられるものとは別に、食事で摂取することもできるのです!

食品中の抗酸化物質の種類と代表的な供給源

皆さんは、フレンチパラドックスという言葉を知っていますか?
赤ワインを普段からたくさん飲むフランス人は、高脂肪な食事を取っているにもかかわらず、心血管系疾患にかかりにくいということが知られています。
実は、赤ワインには多くの抗酸化物質が含まれています。
また、日本人は欧米に比較するとヘビースモーカーが多いのですが、肺がんに罹患する率は低く、これは日本人が抗酸化物質を含むお茶を良く飲むことや、食事自体に飽和脂肪が少ないことが原因だといわれています。
食事から抗酸化物質を摂取することの重要性がよく分かりますよね。
続いて、食品中の主な抗酸化物質と、それらを多く含む食品について表にまとめたいと思います。
多くの人は、通常1日3度の食事を摂るかと思いますが、その際に少しでも思い出していただけるとうれしいです!

いかがですか?
普段から普通に食べているものがほとんどだったのではないでしょうか?
実は、特別なものを食べる必要はないのです。
野菜と果物を多く摂る、健康的な食事を心がけましょう。
抗酸化物質同士は、ビタミンEとビタミンCを一緒に摂取するとよりはたらきが強化される、カロテノイド同士を摂ると効率よく働くなど、複雑な相互作用を持っています。
どれか一つの食べ物を多量に摂取するのではなくいろいろな種類の抗酸化物質を、バランス良く摂ることがとても重要ですね。

次回は、活性酸素やフリーラジカルによって起きた傷害からの修復と回復についてお話ししたいと思います。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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