チーズには中毒性がある!?病みつきになる理由は「カゼイン」でした。

ついつい食べ過ぎちゃう、クセになる食べ物を知って、辛いダイエット期間を乗り切ろう!

ちょっとつまんだだけのつもりが、ついつい食べ続けてしまって…後になって後悔。
こんな経験、誰でも一度はあるのではないでしょうか?
やめられない・止まらない状態なってしまう、おいしくて、でもダイエットに関心のある私たちには、ちょっと困った食べ物たち。
今回は、そんな病みつきになりやすい食べ物に関する調査についてお話ししたいと思います。

食物依存調査で分かった、習慣性の高い食品ベスト10!


ミシガン大学とアメリカ国立医学図書館が2015年におこなった調査により、習慣化しやすい食品のランクが発表されました。
この調査は、約500人に、35種類の食品を対象に、YFAS(Yale Food Addiction Scale/エール大学食物依存症テスト)と呼ばれるテストを実施して行われました。
過去1年間で、「予定より多く食べてしまうことがある」「絶えず特定の食品を食べてしまっている」などといった合計26もの質問に答えることによって調査されたものです。
その結果は以下のとおり!

1位:ピザ
2位:チョコレート
3位:ポテトチップス
4位:クッキー
5位:アイスクリーム
6位:フライドポテト
7位:チーズバーガー
8位:炭酸飲料
9位:コーラ
10位:チーズ

「あぁ~、確かに!」と思われた方もいるのではないでしょうか?
トップ10の食品は、糖分や脂肪分が多く、おいしくて、いかにもダイエットや健康からは縁遠そうなものばかり…。
逆に、習慣化しにくい食べ物は、「きゅうり、にんじん、豆類(ソースなし)、りんご、玄米、ブロッコリー、バナナ、鮭、とうもろこし(塩・バターなし)、いちご」となっています。出来れば毎日食べる方がよさそうな食べ物ばかりが習慣化しにくいなんて、皮肉ですね。
さて、習慣化しやすい食べ物ですがランキングを見ると、チーズが含まれた食べ物が多いことに気づきませんか?
1位のピザ(チーズがたっぷり乗っています)、7位のチーズバーガー、10位のチーズ…と3つもランクイン。
実は、チーズにはそのおいしさ以外にも「食べたくなってしまう」秘密があったのです!

チーズには麻薬と同じ中毒性あり?!

実は、同大学の研究により、チーズに含まれる、ある成分に、中毒並に習慣性が高いということが報告されているのです。
その成分とは…たんぱく質の一種である「カゼイン」です。
カゼインが体内で消化される際に、カソモルフィンというペプチドに変化するのですが、カソモルフィンが脳中枢のドーパミン受容体の機能に作用することで、まるで麻薬成分のように脳に幸福感や高揚感をもたらせてしまうのだそう。
なんとチーズは、麻薬並みに中毒性があるといえる食品なのです!
カゼインは、もともと牛乳に含まれていますが、牛乳そのものは今回のランキングには入っていませんよね。
チーズをつくる過程で牛乳から水分や乳清などが取り除かれ濃縮されるため、チーズには牛乳の10倍もの濃度でカゼインが含まれてしまうのです。

しかし、カゼインが危険な成分というわけでも、チーズが危険な食べ物という訳ではありません。
カゼインは牛乳だけでなく、私たちヒトも含む多くの哺乳類の母乳に含まれています。
それは、赤ちゃんが母乳を飲むことによって心地よさやしあわせ感を覚え、どんどん母乳を飲むようにして成長を促すことが目的だといわれています。
危険などころか、むしろカゼインは、栄養価の高いたんぱく質であり、カルシウムと結びつくことで、カルシウムの吸収を助けてくれる働きを有した、私たちにとって大切な栄養素のひとつなのです。
チーズ自体も「白い肉」とよばれるほど良質なたんぱく質、不足しがちなカルシウムやビタミンB2・Aなどが含まれる、栄養豊富な食材。
さらにチーズには、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなってしまうという乳糖不耐症の人でも食べることができるというメリットもあります。
同じくランクインしているチョコレートも、豊富なポリフェノールを含む、美と健康に欠かせないものです。
「病みつきになる=体に悪い」ではないので、食べる量や回数をしっかりコントロールし、他の食べ物とのバランスを考えることが大切なのですね。

今回ランクインした食べ物は、確かに糖質や脂質が多く含まれ、カロリーの高いものばかり…確かに美味しいけれど、ダイエットを考える上では避けたい気もします。
けれども、すべて我慢するのではなく、食事の量やバランスに気を付けたり、使う油脂や糖質の種類に気を配ったりして、上手に楽しみたいですね!
また、これらの食品を食べるときは、頭の片隅にでも「病みつきになる」ことを置いておいて、ついつい食べ過ぎた…なんてことにならないように気を付けましょう。
あらかじめ食べる量を取り分け、残りは封をして食べ始める前に棚や引き出しの中など、見えないところに片づけてしまうと、割と上手にコントロールできるのでおすすめです。
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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