梅雨時季の髪のお悩み「うねり、ひろがり、ぺたんこ」…原因はすべて同じって、知ってましたか!?

雨が降ると気になるのがヘアスタイル。
ぼさぼさに広がったり、せっかくセットしたカールが取れてしまったり。
どうして髪は湿度に左右されるのでしょうか?

せっかくセットしたのに元通り? なぜ髪は湿気に影響を受けるの?!


私たちの髪の毛は、ケラチンと呼ばれるたんぱく質からできています。
髪の毛を構成するたんぱく質同士は、1.水素結合、2.塩(イオン)結合、3.ジスルフィド(シスチン)結合、4.ペプチド結合といった4種類の化学結合によって性状や形状を保っているのです。
これら4種類の結合は、結合の弱い順に1~4となっています。
最も強い結合であるペプチド結合が切れてしまうと、髪は枝毛や切れ毛になってしまい、2度と戻りませんが、パーマなどはあえてジスルフィド結合や塩結合を薬剤を用いて切り、形を整えた後に再結合することによっておこなっているのです。
また、髪の毛が濡れた状態のときに三つ編みをしたりカーラーを着けたりしてそのまま乾かし、髪をウェーブ状にしたことはありませんか?
これは、ウォーターウェーブと呼ばれる現象で、髪が水を含んだときに水素結合が切れ、乾くと再結合する性質を利用したもの。
また、髪をきちんと乾かさずに寝てしまい、朝起きると寝癖がスゴイことになってしまうのも、水素結合によるものです。

朝、ドライヤーやコテ、アイロンなどで髪をセットする方は多いと思います。
実は、これも髪をミストやフォーム、水などで軽く濡らして水素結合を切り、ドライヤーなどで髪を乾かし再び結合させることでおこなっているのです。
ところが、雨などで湿度が多いと毛髪内に水分が入ってしまい、水素結合が切れてしまいます。
そしてそのまま乾くと、セット前の元の状態に戻ったり新たな癖が付いたりしてしまうのです。
そのため、元々の髪が直毛でストレートの人は、湿度の影響は受けにくいと考えられます。
湿気をあまり気にしなくてよいなんて、梅雨時季にはちょっとうらやましいですね。

あなたの髪は湿度の影響を受けやすい?

湿度から受ける影響度は、生まれ持った髪質だけでなく、髪のダメージ状態も大きく左右します。
毛髪は、このような構造をしていて、その見た目から、海苔巻きに例えられることもあります(かっぱ巻きに例えてみると…キューティクル:海苔、コルテックス:酢飯、メデュラ:きゅうり)。

外層のキューティクルがダメージを受け剥がれたりめくれあがったりしてしまうと、そこから普段はブロックしている水分までが入り込んで毛髪が膨張するため、うねったり広がったりしてしまうのです。
つまり、髪が傷んでいる人ほど湿度の影響を受けやすいといえます。
「雨の日はいつも頭がバクハツする!」
となってしまう方。
パーマやヘアカラーで髪を酷使していませんか?
ヘアアイロンやコテを酷使していませんか?
日ごろのヘアケアやヘアスタイリングを見直してみましょう。
また、反対に湿度を感じると髪がペタンとしてしまうタイプの方もいます。
髪が細く柔らかい、猫っ毛タイプの方だと、水分が入り込んだ重みで髪が寝てしまうため、ボリュームがなくなってしまうのです。
髪がうねったりして広がるのも、ボリュームが下がってしまうのも、原因が同じというのはちょっと意外ですよね。

湿度で負けないヘアスタイリングのコツ


1.ブローはきっちりと
夜、髪を洗った後きちんと乾かしていますか?
髪は濡れた状態だとダメージを受けやすい上、特にこの時季は雑菌が繁殖して臭いやかゆみなどのトラブルの原因にもなります。
洗髪後はなるべくスピーディに髪を乾かしましょう。
夜のケアをしっかりしておくことで、寝癖も付きにくくなり、翌日のスタイリングもしやすくなります。
・ドライヤーの前にタオルドライをしっかり!
あらかじめ髪の水分をタオルで取ることで、ドライヤーの熱風を当てる時間を短縮しましょう。
・乾かし過ぎに注意!
ドライヤーを使う前にアウトバストリートメントなどを使って、髪の内部にうるおいを与え、乾燥しにくい状態にしておくと、湿度の影響を受けにくくなります。
また、最後に冷風を当て髪の温度を下げ、髪の乾燥のし過ぎを防ぎ、髪を落ち着かせるようにしましょう。
2.髪に合ったアイテムを
・髪の広がりやうねりが気になる方
オイルタイプやクリームタイプなど、油分が含まれたものがおすすめ。
髪に湿気が入り込まないようコートし、広がりを抑える効果が期待できます。
ヘアオイルは、植物性オイルタイプ:しっとり・まとまる、シリコンタイプ:サラサラになる傾向があるので、髪質や仕上がりの好みに合わせて選んでみましょう。
・ペタンコヘアになってしまう方
湿気でボリュームがダウンしてしまう方は、この時期にオイル系のアイテムを使うと、重みでさらに髪がペタンコになってしまいます。
ふんわり感やボリュームを出したいときは、ドライヤーを下から当て髪をふんわりさせた後、キープ力のあるミストやスプレーを使うのがおすすめです。
3.湿気に強いヘアスタイルを楽しむ
ナチュラル感のあるゆるめのカールなどを活かしたヘアアレンジは、どうしても湿度の影響を受けやすくなります。
そのため、三つ編みや編み込みを活かしたヘアアレンジやまとめ髪にすれば、湿度を気にせずオシャレを楽しむことができます。
また、ヘアピンやゴム、バレッタなどのヘアアクセサリーを使ってのアレンジも、湿度の影響を受けにくいのでおすすめ。
じめじめした雰囲気を一掃するような華やかなアイテムを使ってみてはいかがですか?

まとめ

湿度が高いと毛髪の水素結合に影響するため、梅雨時季は髪の悩みが増えがちに。
ダメージヘアはより湿度の影響を受けやすくなるので、普段からのヘアケアがとても大切です。
ブローやスタイリング、ヘアアレンジを工夫して、この季節を乗り切りましょう!

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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