症状が出てからでは遅い!?花粉症の方には冬の間に治療を始めてほしい理由を続木先生に伺いました!

国民病とも呼ばれる花粉症…悩まれている方も多いと思います。
今回は、花粉症になる原因や予防、そして花粉症の方にとっては最も気になる対策について、アルバアレルギークリニック院長の続木先生に伺いました。

花粉症にはなぜなってしまう?

日本では、国民の約30%が花粉症であるとも言われており、花粉症になってしまうかどうかは、体質によります。
アレルギーは、わかりやすく説明すると、体の中の容器に例えることができます。
容器に水をそそぐと、だんだん水がたまっていき、いつかは水があふれてしまいます。
これがアレルギー発症のイメージです。
この容器がジョッキくらいの大きさがある方は、あふれるまでに時間を要するので大人になってから発症しますし、おちょこくらいの大きさしかない方はすぐに水が溜まり、あふれてしまうため子どものころから発症します。
つまり、花粉に触れている量が多いと、花粉症になってしまうイメージですが、なるかどうかは体質によるところもあります。
そして、花粉症の症状は基本的には、眼のかゆみ、鼻汁、鼻のかゆみです。
一方で、あまり知られていないのは、花粉症が重症の場合、呼吸苦や喘鳴(つまり、喘息のような症状)、全身蕁麻疹が出て救急車で搬送されるような状態になってしまう方もいます。
この状態は、1回で終わるわけではなく、花粉のシーズンは繰り返すとことになります。

花粉症の発症を防ぐ方法はある?

方法は2つあります。
一つ目は、ダニアレルギーの治療です。
例えば、北海道の場合、ダニアレルギーから花粉症に進行することが言われており、ダニアレルギーの段階で治療しておくと、花粉症に進行することをかなり抑えることができている印象です。
2つ目は、免疫療法です。
アレルギー専門で行っているクリニックの場合、免疫療法という方法で花粉症になることを予防できるとも報告されていますが、花粉症の場合には研究段階なので、相談が必要です。
免疫慮法は日本以外の国では100年以上行われているスタンダードな治療で、日本のガイドラインでも「唯一治すことが望める治療」と記載されています。
日本では、スギ花粉症のみ免疫療法を受けることができます。

症状が出てからでは遅い!冬の間に治療を始めたい理由

花粉症の場合、症状が出る前に予防の対策をすること、「予防投与」が大切です。
すべてのアレルギーは症状が出てから治療すると薬が効きにくくなり、症状が治まるまでの時間も手間もかかります。
アレルギーの治療は「症状がでないまま、薬を減らしていくこと」が目的です。
症状がでてからの治療は、大きくQOL(Quality Of Life:生活の質)をさげるため、症状がでる前からの治療が必要となるのです。
気温の関係から花粉の飛散量は2023年は例年なみもしくは例年より多いと予想されています。
花粉症の飛散開始時期は、例年なみと言われているので、1月ころからの内服、点鼻、点眼が必要です。
症状が重い方は花粉症を唯一根治できる可能性のある免疫療法を受けておくことをおすすめします。 

また、普段の生活では内服、点鼻、点眼以外にもメガネやマスクなどが必要です。基本的には、花粉に触れなければ症状はでません。

受診すべき? 市販薬でもいい?? 受診の目安とは

市販薬の場合、正直「薬の力が弱い」です。
花粉症一つとっても、その方がどの花粉にアレルギーがあるかどうかで、使う薬、期間、量などが違ってきます。
「もしかしたら花粉症になったかもしれない」
と思ったら、自分の判断で市販薬を飲むのではなく、受診して、きちんと判断してもらうことが大切です。
鼻水が出る、目がかゆくなるなどの症状がある方は、早めに受診しましょう。

執筆者

続木康伸先生
アルバアレルギークリニック院長

[経歴]
新生児から妊婦まで年間のべ1万人、九州や東京からも患者が訪れるアルバアレルギークリニック院長 。
Podcast:続木康伸の「知れば勇気が湧くアレルギー攻略講座」は、現在Amazon musicのおすすめにピックアップ中。

アルバアレルギークリニックホームページ
https://alba-allergy-clinic.com/

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