昔は剃るのが常識だった??眉毛にはこんな歴史があったんです!~ビューティ今昔物語~
毎朝格闘する人も多い?眉メーク。実は、時代によって全く違う形が流行る部位でもあるんです。
メークのポイントとするにはちょっと地味で、でもわずかな変化でその人の印象をガラッと変えてしまう、眉。
ほとんどの女性が剃る・カットするなどして眉の形を整えたり、描く・塗るといった眉メークをしたりしていると思いますし、最近では男性でも眉をカットして整えている方もいるでしょう。
美容室や理髪店などでも眉カットをおこなっているところも多いですよね。
実は眉のメークは、時代の移り変わりによってめまぐるしく変化しています。
今回は、眉メークの歴史についてお話ししたいと思います!
眉は全剃りが基本?! 古代から高い美意識を示していた眉
眉のお手入れは、実は奈良時代ごろからすでにおこなわれていたことがわかっています。
奈良時代では、眉を剃ったり抜いたりした後、細長い弓状の眉が筆で描かれていました。
奈良美人や飛鳥美人というと、正倉院に保管されている「鳥毛立女屏風」や、高松塚古墳の「西壁女子群像」などが思い浮かぶ方もいるかもしれません。
これらに描かれた女性には、確かに三日月のような形をした細い眉が描かれています。
これは当時遣唐使派遣などによってかかわりの深かった唐の影響から流行したメークで、他にも服装や髪形なども唐の影響を受けていたそうです。
飛鳥女子も、現代と同じように海外からメークの流行を取り入れていたとは、ちょっと驚きですよね!
そして、平安時代に入ると、眉メークは大きく変化し、日本独自のものとなっていきます。
これまでの、美しい形をつくる眉メークではなく、眉毛を全部剃った後に、額に殿上眉とよばれる丸い眉を書いたのです。
13歳位で裳着を迎えると成人とみなされ、そのときに眉は全部剃られていました。
白粉で白塗りした顔に、殿上眉、小さく真っ赤に描かれた唇…現代でおこなうと、ギャグのように見えてしまうかもしれないメークですが、電気もなく薄暗い当時は、御簾を通して見ると、美しく艶っぽく見えたのでしょう。
ちなみに、江戸時代に入っても、成人した女性は眉を剃っていました。
お歯黒とセットで、結婚した時や成人した際に眉を剃っていたようです。
日本では眉メークをするよりも、剃っていた時代の方が長かったようですね。
いつか再び、眉全剃り時代が来ることがあるのでしょうか?!
眉メークに流行あり!
眉を全部剃り落すことをやめ、カットや毛抜きで抜いて整えたり、ペンシルやパウダーで描き足したり…と、眉を美しくメークするようになった近年。
眉メークは、実は10~20年ごとに大きく流行が変わっているってご存知でしたか?
・1950年代…オードリー・ヘプバーンのような太くてまっすぐな眉が流行
・1960年代…ツイッギーのような細くてシャープな眉が流行
・1970年代…ヒッピーなどのブームにより、あまり手を入れないナチュラルな太眉が流行
・1980年代…バブル期、ジュリアナメイクと呼ばれる派手なメークが流行し、太く濃い眉に真っ赤なリップが流行
・1990年代…アムラーが一大ブームとなり、細く薄い眉が流行。全部剃り落して細く書き直す人も!
・2000年代…目力を強調したメークの流行で、眉も若干太めに。髪のカラーに合わせ、眉の色を変えるメークが流行
・2010年代…太めのナチュラル眉が主流に。赤いリップも増え、80年代に似たメークが流行。
こうやって見ると、10年おきぐらいに太眉ブームと細眉ブームが来ているようですね!
実は、眉メークは、目の印象も大きく変える重要なポイント。
目を強調したいときは、やや短めの眉にすると、目ヂカラアップ!
また眉メークは、流行もさることながら、自分に合った眉メークを見つけるのが重要かもしれません。
眉を整える基本としては、
・眉頭は目頭の上あたりに
・眉山は黒目の外側~目尻の間に
・眉尻は、眉頭より上に
を意識するとよいと思います。
余分な眉毛を除去したいときは、眉毛の上部=剃る、眉毛の下部=抜くが基本となります。
一気に大きく眉の形を変えてしまうと、大きな失敗につながることも多いので、まずは自分の眉の形を整えるところからはじめてみましょう。
必ず顔全体のバランスを確認しながら、少しずつ。
そして、その日の「なりたい自分」に合わせた眉メークができれば、眉メーク上級者といっても過言ではないでしょう。
キュートに見せたいときは、緩やかなアーチを描くようにして、色は明るめに。
クールに見せたいときは、直線で濃いめに。
その日のファッションや気分によって変化を付けて、いつもと違った自分になってみましょう。
メーク全体を変えるより簡単でトライしやすいうえ、使うアイテムも増やさず、いつもどおりでも雰囲気を変えることができるので、おすすめです。
(キレイ研究室研究員:船木)