さつまいものつるは栄養豊富なすごい食材!芋づるの驚きの栄養価について

芋づる、といわれても、どんな食材か、どうやって食べるのか・・・
目にしたことも耳にしたこともなく、あまりピンとこないという方も多いと思います。
しかし、さつまいもの芋づるはその豊富な栄養で最近見直されている食材でもあります!
今回は、芋づるの秘密を、芋づる式に明らかにしていきたいと思います!

芋づるってどの部分??

芋づるとして販売されている部位を、もう少し正確な言葉で表すと「葉柄(ようへい)」といわれる部分になります。
葉柄とは、あまり聞きなれないかもしれませんが、葉っぱと茎をつなぐ部分のこと

食糧が不足する戦時中に食されたり、家畜の飼料に用いられたり…と、食用の野菜としてのイメージはあまりないかもしれませんが、近年その栄養価の高さが見直され、注目されつつある食材なのです。
さつまいも以外にも、サトイモの葉柄はずいきという名称で親しまれており、ずいきを乾燥させたものは地方によって「芋がら」「ほしずいき」「割菜」と呼ばれているそうです。中国やネパールでも食用とされているそうで、割とポピュラーな食材なのですね。
さつまいもの芋づるは食べたことがなくても、こちらは知っている・食べたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
ずいきを味噌に漬け干したものは戦国時代に「芋がら縄」などと呼ばれ、荷物や陣笠を結ぶ縄として用いられていましたが、その縄を煮ると味噌汁として食べることができるので、愛用されていたそうです。
携帯性に優れ(むしろ縄として使用できる)、日持ちもよく、且つ栄養価が高い芋がら縄は、糒(ほしいい。一度炊いたご飯を天日に干して乾燥させたもの)と並ぶ戦国時代のレーションといえるような存在で、当時の人々の知恵がうかがえますね。
芋づるは、芋を栽培する際の副産物(さつまいもの栽培ではつる返しといって、芋の成長のために余分なつるを切りとる作業をおこないます)というイメージですよね。
しかし、最近では葉茎を食す方がメインという「すいおう」や「エレガントサマー」という品種もうまれ、食材としての芋づるに注目が集まっています。
芋づるは、夏から芋を収穫する秋まで長く楽しめる、野菜としてのポテンシャルを秘めた食材なのです!

まるでスーパーフード?! 芋づるの栄養価とは??

では、芋づるの野菜としての栄養価はどれほどなのでしょうか。
芋づるには鉄分・カルシウムといったミネラル類やビタミンC・E・K、そしてβカロテン、第6の栄養素として注目を集める食物繊維が、同じような葉物の野菜であるほうれん草や春菊などと比較して豊富に含まれています。
そのうえ、ポリフェノールやルテインといった抗酸化物質も含まれており、アンチエイジングや肌が気になる方にもピッタリですね。
ビタミンKは芋づるに特に多く含まれている、血液の凝固や骨の形成にかかわるビタミンです。
ビタミンDと同時に摂取することで、骨密度の増加に対する相乗効果も報告されていますので、骨の健康が気になる方は、一緒に摂るようにしましょう。
そして、さつまいもの葉にもかなりの栄養素が含まれていることが、米国ルイジアナ州立大学によって報告されています。
さつまいもの葉には、ビタミンCとビタミンB₂・B₆が豊富で、ビタミンB₆の含有量はブロッコリーやアボカドに匹敵する量が含まれているとのこと。
さつまいもは、お芋の部分も、芋づるも、葉も全部おいしくかつたくさんの栄養が含まれた植物なのですね!
芋づるにも葉にも、脂溶性のビタミンが多く含まれているので、炒めるなど、オイルを用いた調理がおすすめです。
また、ビタミンKは他の脂溶性ビタミンと一緒に、球状になったたんぱく質(カイロミクロン)に取り込まれて全身に運ばれていくため、たんぱく質と一緒に摂ることで効率よく吸収することができます。
芋がらにも若干のたんぱく質は含まれていますが、肉や魚、豆類などと一緒に食べるよう心がけましょう。

最近は、ズッキーニなど、西洋からの珍しい野菜がブームとなり、一般化することも多いですが、京野菜や江戸野菜といった、昔から食べられている伝統的で懐かしい野菜も見直されつつあり、人気がでてきています。
芋づるなんていうと、戦時中みたいで…なんて思われる方もいるかもしれませんが、そこに含まれる栄養をチェックしてみると、敬遠してしまうのはちょっともったいない!
シャキシャキとした食感もよくてクセや苦味も少なく、そしてちょっぴりさつまいものような甘味もあるという芋づる。
スーパーに必ず並べられている食材ではないかもしれませんが、さつまいもの収穫が本格化する前のこの時期、見つけたらぜひ一度味わってみてくださいね。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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