食べると日焼けを起こしやすい!?ソラレンとは?どんな食べ物に含まれる?
1日の始まりは、みずみずしいフルーツを食べることから。
そのまま食べたり、ヨーグルトに入れたり、スムージーにしたり。
エネルギーになりやすい果糖は朝食にピッタリだし、ビタミンもたっぷり摂ることができて、ヘルシーでお肌のためにもバッチリ!
・・・と思っている方は多いのではないでしょうか?
実は、そこに大きな落とし穴が!
紫外線の照射量が気になるこの時期、気を付けていただきたい食材があるのです!
食べると日光による影響があるかも?!ソラレンとは?
実は、ある食品の中に含まれる「ソラレン(psoralen)」という物質が今回のカギとなります。
ソラレンとは、クマリンにフラン環がくっついてできたフロクマリン類の物質です。
アロマセラピーに詳しい方ですと、フロクマリン類が含まれたエッセンシャルオイルには、光毒性があるために注意するよう聞いたことがあるかもしれません。
ベルガモットという柑橘類から圧搾されたベルガモットオイルには、フロクマリン類の一種、ベルガプテンが含まれており、ベルガプテンは光毒性を有しています。
そのため、高濃度のベルガモットオイルをお肌に付けた後は、日光に対する反応が強くなるため、日焼けを起こしやすくなったりシミができやすくなったりしてしまうのです。
同じフロクマリン類であるソラレンにも同じく光毒性があり、ソラレンの方が強い作用を持っているといわれています。
ソラレンが含まれた食べ物を摂取すると、その後2時間ほどでソラレンが全身に回り、体が日光に対して敏感な状態になってしまう可能性があるというのです!
その効果はソラレンが排出されるまで、7時間ほど持続するといわれています。
ソラレンは、尋常性白斑(何らかの原因により、メラニンがうまく生成されず、お肌が白い斑状になってしまう)などの治療(PUVA療法:Psoralen(ソラレン)とUVA(紫外線A波)を併用した治療のこと)の際に、内服もしくは外用により使用されるほど強力です。
もちろん、食品に含まれるソラレンはそれほど多い量ではありませんし、他の有用物質との相互の働きにより無毒化される可能性も考えられるので、摂取による光毒性の有無は未だ定かではありませんが、強烈な紫外線に当たる前はなるべく避けるようにし、もし食べてしまったときは、いつも以上に紫外線対策をしっかりとおこなうようにしましょう!
注目!朝ごはんには避けたい、ソラレンを含む食材
では、どのようなものにソラレンが含まれているのでしょうか?
・柑橘類:グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど
・香味野菜:パセリ、セロリ、シソなど
さわやかで、一見朝食向きの食材が多いですね。
グリーンスムージーを朝食代わりに飲まれている方は、使う食材に注意が必要です!
また、フロクマリン類ではないのですが、ファゴピリンという物質を含む蕎麦も、日光に当たる前には避けた方が良い食品です。
これらの食材自体には、ビタミン類やポリフェノールなど、お肌に良い成分がたくさん含まれていますので、紫外線の強い時期には、朝に食べるのではなく、夜に食べるようにすると良いでしょう。
朝におすすめな食材とは?
では、朝ごはんにおすすめ
すなわち紫外線に当たる前に摂っておきたい成分とはどんなものでしょうか?
・天然色素成分カロテノイド(βカロテン、リコピン・アスタキサンチンなど)
カロテン類はトマト、にんじん、カボチャなどの緑黄色野菜に含まれます。
中でもトマトはリコピンという抗酸化力が高いことで知られるカロテノイドが含まれており、さらに美肌のビタミンともいえるACEが豊富なので、紫外線対策にはうってつけです。
アスタキサンチンは、鮭に含まれています。
朝ごはんの時の焼き魚や、お弁当のおにぎりの具を鮭にしてはいかがでしょう。
カロテノイドは脂溶性なので、油分と一緒に摂ると、吸収がUPします。
・ポリフェノール(カテキン・イソフラボンなど)
チョコレート、緑茶、コーヒー、ベリー類、りんご、ゴマ、大豆などに含まれます。
もともと、多くのポリフェノールは、植物が紫外線などから身を守るためにつくられており、私たちもそのチカラを借りようというわけですね。
抗酸化力が高いため、紫外線ダメージからお肌を守ってくれます。
・オメガ3の脂肪酸(α-リノレン酸、DHA、EPAなど)
サバやイワシなどの青魚や、クルミ、豆類などに含まれます。
オメガ3の脂肪酸を摂取することで、フリーラジカルからお肌を守り、UVB(紫外線B波)が引き起こす紅斑量を低下させるという研究結果が報告されています。
美白効果が高そうな、グレープフルーツやレモンといった食品が、逆にお肌にダメージを与えるかもしれないなんて、意外ですよね!
グリーンスムージーを朝ごはん代わりにしている方は、トマト、にんじん、りんごやベリー類を使った、レッドスムージーに代えてみるのもいいかもしれません。
その際は、アボカドやクルミ、オリーブオイルやココナッツオイルなどを加えると、良質な油分も同時に摂取できておすすめです!
最近は、日焼け止めを使ったり、日傘や帽子を使ったりして、外側からの紫外線対策をおこなっている方は多いと思いますが、朝ごはんにも少し気を付けて、内側からの紫外線対策を考えてみましょう。
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]