
健康診断で再検査と言われたらどうすればいい?クリニック院長の安江先生に伺いました
健康診断の結果を受け取った際、「再検査」や「要精密検査」といった言葉に不安を感じた経験はありませんか。
「もしかして大きな病気なのでは」と心配になる一方で、「症状がないから大丈夫だろう」と放置してしまう方も少なくありません。
しかし、再検査の指示には重要な意味があり、適切に対応することで、生活習慣病の早期発見や重症化の予防につながります。
「再検査」といわれた際はどうするべき?
天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長の安江千尋先生による解説です。

「再検査」とは何を意味するのか?
健康診断の結果には、健診機関によって表現が多少異なるものの、一般的に以下のような判定区分があります。
・異常なし:問題が認められない状態
・要経過観察:現時点では治療の必要はないが、定期的なフォローが望ましい状態
・要再検査:異常値がみられ、再度検査して確認が必要な状態
・要精密検査:より詳しい検査が必要な状態
・要治療:すでに治療が必要と判断される状態
「再検査」は、必ずしも重大な病気を意味するわけではありません。
例えば、一時的な体調不良や前日の食事、運動、ストレスなどによって数値が変動することもあります。
そのため、同じ検査をもう一度行い、異常が持続しているかを確認することが目的です。
「再検査」と「要精密検査」の違い
多くの方が混同しやすいのが、「再検査」と「要精密検査」の違いです。
再検査:同じ検査をもう一度おこない、確認すること
→血圧、血糖値、肝機能異常、脂質異常など
精密検査:より詳しい検査で原因を調べること
→胃カメラ、大腸カメラ、CT検査など
「再検査」は確認の意味合いが強く、「精密検査」は診断を確定するための検査と理解するとよいでしょう。
再検査を受けるべき理由
1)病気の早期発見につながる
多くの生活習慣病は、初期には自覚症状がほとんどありません。
再検査を受けることで、症状が出る前に異常を発見できる可能性があります。
2)一時的な異常かどうかを判断できる
検査値は、食事や睡眠不足、脱水、ストレスなどの影響を受けます。
再検査により、これらの影響による一過性の変化なのか、継続的な異常なのかを判断できます。
3)重症化を防ぐ
高血圧や糖尿病、脂質異常症などは、放置すると心筋梗塞や脳卒中といった重大な疾患につながる可能性があります。
早期の対応が将来の健康を守ります。
再検査を受けない場合のリスク
「忙しい」「症状がない」「怖い」といった理由で再検査を受けない方もいますが、これは大きなリスクを伴います。
・異常値が一時的なものか、持続しているものかを判断できない
・生活習慣病の早期発見・早期介入の機会を逃す
・適切な治療や生活習慣の改善が遅れる
・将来的な心血管疾患などのリスクが高まる
・生活の質(QOL)の低下につながる
再検査の目的は、健康診断で認められた異常が一過性の変化なのか、継続的な問題なのかを確認することにあります。
例えば、肝機能異常や血糖値、脂質異常などは、食事や体調、ストレスの影響で一時的に変動することがありますが、再検査によって異常が持続している場合には、生活習慣病としての対応が必要となります。
再検査が必要となる主な項目(主に血液検査など)
・肝機能(AST・ALT・γ-GTP):脂肪肝や肝炎、アルコールの影響など
・血糖値・HbA1c:糖尿病の可能性
・脂質(LDLコレステロール・中性脂肪):動脈硬化のリスク
・貧血(ヘモグロビン):栄養不足や慢性的な出血の可能性
これらは一時的な体調や生活習慣の影響を受けることもあるため、まずは同じ検査を再度行い、異常が持続しているかを確認します。
再検査を受けるまでの流れ
1.結果をよく確認する
判定区分やコメント欄を確認しましょう。
2.医療機関を受診する
健診を受けた施設、またはかかりつけ医に相談します。
3.結果を持参する
健康診断の結果票は必ず持参しましょう。
4.適切な検査を受ける
必要に応じて精密検査や治療が行われます。
再検査を受けるタイミング
再検査は、異常値が一時的なものかどうかを確認することが目的です。
一般的には、できるだけ早く、遅くとも1〜3か月以内に受診することが望ましいとされていますが、具体的な時期については健診結果の指示や医師の判断に従うことが重要です。
再検査となることが多い項目の例
・軽度の肝機能異常(AST・ALT・γ-GTP)
・血糖値やHbA1cの軽度上昇
・LDLコレステロールや中性脂肪の高値
・軽度の貧血
・尿検査異常(尿蛋白・尿潜血など)
これらは、体調や生活習慣の影響で一時的に変動することがあるため、同じ検査を再度行って確認します。
再検査を受ける際のポイント
1)生活習慣の見直し
再検査までの期間に、食事・運動・飲酒・喫煙などの生活習慣を改善することも重要です。
2)不安な点は医師に相談
疑問や不安をそのままにせず、遠慮なく医師に相談しましょう。
3)自覚症状がなくても受診する
症状の有無にかかわらず、再検査は必ず受けることが大切です。
まとめ
健康診断で「再検査」といわれた場合、過度に心配する必要はありませんが、決して放置してはいけません。
再検査は、異常値が一過性のものかどうかを確認し、生活習慣病の早期発見や重症化予防につなげるための重要なステップです。
ポイントのまとめ
・「再検査」は異常の確認を目的とする
・症状がなくても受診が必要
・早期発見・早期治療につながる
・1〜3か月以内の受診が望ましい
・健康診断の結果は必ず持参する
[執筆者]

安江千尋(やすえちひろ)先生
天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長
2009年、防衛医科大学校卒業。初期臨床研修後、同大学病院にて消化器内科の研鑽を積む。その後、自衛隊横須賀病院、自衛隊舞鶴病院などで内科診療に従事し、消化器疾患の診療経験を重ねる。
2017年よりがん研有明病院下部消化管内科に勤務し、2020年には副医長に就任。
早期胃がん・大腸がんに対する内視鏡診断・治療において豊富な経験を有する。
2024年12月、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックを開院し、院長として地域医療に貢献している。
資格・所属学会
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック
https://www.tennoji-naishikyo.com/



