手の平、手の甲がカサカサに!そんな手荒れの原因と対策についてうるおい皮ふ科クリニック豊田先生に伺いました!

手荒れをしても、水仕事から離れられないと、なかなか治らなくてつらいですよね。
今回は手荒れの原因と対策について、うるおい皮ふ科クリニック院長で皮膚科医の豊田雅彦先生にお話を伺いました。

手荒れとは?

手荒れは病名は「手湿疹」と呼ばれ、手に触れるものの刺激によって、手の平、手の甲や手指がカサカサに乾燥したり、ブツブツとした発疹や赤みが認められるものです。
かゆみを伴うことが多いですが、ひどくなると皮膚がゴワゴワと硬くなり、出血を伴うひび割れ・あかぎれが生じます。あかぎれになると、見た目も痛々しく、痛みを感じたり水がしみたりして、日常生活に支障をきたすことが多くなります。

手荒れが起こる原因

原因の多くは普段使っている洗剤など、日常生活にあることが多いです。
・使用している洗剤が合わない、使用頻度が高い
・雑巾を絞ることなどによる手と布との摩擦
・昨今の頻回なアルコール消毒
・職業として手洗いなどが多い(鮮魚店従業員、医療従事者、理美容師の方など)

このような条件下では手荒れは非常に治りにくいです。
手荒れの原因としては、主に洗剤など原因となる物質の刺激によって生じる刺激性接触皮膚炎と、ある物質に対してアレルギー反応を起こすアレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の2種類があります。
角層バリア機能の障害により外的刺激を受けやすくなることで、赤みやひび割れが長引いてしまいます。かかとの場合と同様に空気が室内外ともに乾燥する冬場は治りにくく、しつこく症状が続きます。
すなわち、冬場は手が風に当たるだけでも乾燥して、症状が悪化してしまうと考えられますする。

手荒れのケア方法

手荒れのケア方法としては、
1)乾燥を防ぐことを常に心がける
2)水仕事の際はゴム手袋使う(ゴムでかゆくなる場合は綿手袋の上に重ね付けをする)
3)水仕事、手洗い後は手の水分をしっかりと拭き取り、保湿成分(セラミドなど)の配合されたローションやハンドクリームをこまめに外用して手の乾燥を防ぐ
ことが重要となります。

保湿外用剤は、手洗いした後に毎回塗るのがベストです。
とはいえ、手を洗う機会が多い場合は、そうはいかないかもしれません。その場合は、就寝前だけでもマッサージしながらしっかり保湿をしましょう。
また、日中はパソコンでの仕事や家事などの作業で、ハンドクリームのベタつきが気になる方もいるでしょう。その場合は、日中はベタつかないハンドローションを使用し、就寝前には高保湿なものと、使い分けするのも良いでしょう。
少し意外かもしれませんが、寒さは手荒れを悪化させます。そのため、冬場は防寒用の手袋も忘れないで下さい。

たかが手荒れと思わないで・・・治らないときは受診も検討してほしい

症状が改善しない場合や、強いかゆみや水ぶくれ、あかぎれによる痛みや出血など保湿等のセルフケアでは治らない場合は、早めに皮膚科専門医を受診することをおすすめします。
また、手荒れの原因がアレルギー性接触皮膚炎だと考えられる場合は、原因物質(アレルゲン)の特定とそれに触れないように対策することが重要です。
皮膚科専門医のもとでパッチテストなどの検査を受け、手荒れを起こす原因物質が何なのかを特定してもらうことも根本治療にとって大切であることを忘れないで下さい。

かかとのひび割れも、手荒れも
「この時季は仕方ない」
とあきらめるのではなく、適切なケアをして、すこやかな状態で冬を乗り切るようにしたいですね。

執筆者

豊田雅彦先生
うるおい皮ふ科クリニック院長

[経歴]
皮膚科医として、特に皮膚科の患者の中で最も多い悩みである「かゆみ」をとることをライフワークに掲げる医学博士。
「頑固なかゆみもアトピーも1分肌活で必ずよくなる:三笠書房」「新しい皮膚の教科書~医学的に正しいケアと不調改善~:池田書店」など書籍も多数執筆、好評を得ている。
現在までに2,000以上の医学論文・医学専門書を執筆。国際皮膚科学会において臨床 (2002)と研究(2004)の両部門で世界初の単独世界一を受賞。
また、国内外で年間最多250以上の講演会・学会発表・保健所指導を行う皮膚病・かゆみのスペシャリスト。
現在は千葉県松戸市にてうるおい皮ふ科クリニック(皮膚科、美容皮膚科、漢方皮膚科、アレルギー科、形成外科)を開業、院長として日々患者と向き合い、かゆみを失くすことに尽力している。

[専門医]
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

うるおい皮ふ科クリニックホームページ
http://www.uruoihifuka.com/sp/

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