
2026年も花粉が多い!?早めの備えでつらさを下げよう!
春が近づくと、くしゃみ・鼻水・目のかゆみが気になりますよね。
花粉症ってなる人とならない人、症状にも個人差があるし、花粉の飛散量も「多い」ばっかりな気がしてちょっと不思議。
今回は、花粉症に関するポイントと、気になる疑問についてまとめました。
健康管理上級指導員でサプリメントアドバイザーの船木彩夏さんの解説です。

花粉症は「免疫が花粉を敵だと誤認する」ことで起こる
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は、花粉が『毒』だから起こるのではなく、免疫が花粉を過剰に敵認定してしまうことで起こります。
体の中では、花粉に反応する抗体(IgEなど)が関わり、花粉が付着するとヒスタミンなどが放出されて、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみといった症状につながります。
ポイントは、花粉症には『準備期間』があること。
花粉に触れる経験が重なって体が覚えていき(感作)、あるタイミングで症状として表面化します。
「なる人・ならない人」がいるのはなぜ?
2026年も、日本気象協会の花粉飛散予測によると、西日本は例年並みが多い一方、東日本・北日本で「例年より多い(非常に多い所も)」と、今年も花粉症の方にとってはつらい春が予測されています[1]。
でも、同じ地域に住んでいても「私は毎年つらい・・・」という人もいれば、「私は平気」という人もいるし、個人差があって不思議ですよね。
なぜ、花粉に悩む人と悩まない人がいるのでしょうか。
結論から言うと、花粉に反応しやすい体質(遺伝的要因を含む)に加えて、次の条件が重なるほど発症・悪化しやすいと考えられます。
・花粉に触れる量(生活圏・通勤・屋外活動など)
・鼻や目、肌の『バリア』の状態(乾燥、こすりすぎ、炎症など)
・睡眠不足やストレスなどで体調が落ちている
・すでに他のアレルギーがある(鼻炎・喘息・アトピーなど)
つまり、
「昔は平気だったのに、ある年から急につらくなった」
ということが起こるのが花粉症です。
体質だけでなく、生活や環境の条件が積み重なって『発症しやすい側』に傾くことがあるからです。
花粉症の発症を説明する「コップの水理論(タンク理論・バケツ理論)」って知ってる?
花粉症の発症に関しては「花粉を浴びるほど水がコップにたまり、満タンになって水があふれだすと発症する」といった、コップの水理論で説明されることが多いです。
花粉の曝露が多いほど症状が出やすい、という意味では分かりやすい例えです。
ポイントは、そのコップの大きさに個人差があるということです。
スイス熱帯公衆衛生研究所などによる、成人396人がアプリ等で症状を記録し、花粉量と突き合わせた研究報告についてご紹介します。
この報告によると、花粉に曝露する量が増えるほど症状は悪化する傾向はみられたのですが、無症状でいられる下限は見つからなかったそうです[2]。
さらに、影響は直近数時間が大きいものの、2~3日程度残る可能性も示唆されました。
つまり、花粉症は「満タンになったら突然アウト」という単純な話ではなく、その人の反応しやすさや状況によって、少量でもつらくなることがある、ということです。
そこで、最近は、シーソー理論という考え方もよくつかわれています。
シーソーの片方に「花粉による負荷(飛散量や曝露量)」、もう片方に「本人のコンディションや体質(睡眠不足、ストレス、疲労、粘膜や免疫の状態など)」が乗っていて、揺らいでいるイメージです。
体調が落ちていると、同じ花粉量でもつらさの感じ方が変わることも説明がつきますね。
ただ、シーソー理論(Th1/Th2バランス)は、アレルギー反応を分かりやすく説明する比喩として使われるものですが、免疫はより複雑で、Th1/Th2の二択だけで決まるわけではないことも指摘されています[3][4]。
「花粉によるだけ」でも「体質だけ」でもなく、花粉の負荷と体のコンディションのバランスで症状は揺れやすい。
だからこそ、飛散前後からの早めの対策に加えて、睡眠・休息・粘膜(肌)バリアのケアなど『コンディション側』を守る工夫が、結果的に大きな差になります。
また、花粉シーズンは曝露が繰り返されることで鼻粘膜が過敏になり、反応が強まりやすい(非特異的過敏性が進む)ことも指摘されています[5]。
だからこそ、「症状が出てから」だけでなく、飛散開始前後から早めに対策を始める(初期療法)が大切、と言われるわけです。
植え替えしているのに、なぜ花粉の飛散量はなかなか減らないの?
「花粉の少ない苗木への植え替えが進んでいる」と聞いたことはありませんか?
実際、国は対策を進めていて、林野庁は、2033年度までに花粉の発生源となるスギ人工林を約2割削減する目標を掲げ、伐採・植え替えの加速化や、花粉の少ない苗木の生産拡大を推進しています[6]。
花粉を飛ばす杉の木が減っているはずなのに、それでも体感として減りにくい理由は、大きく3つあります。
1)規模が大きく、効果が出るまで時間がかかる
森林の世代交代は『年単位』というより『数十年単位』。
植え替えを進めても、全国の飛散量が目に見えて下がるにはどうしてもタイムラグが出ます。
2)対策は「10年でじわじわ」設計
目標は明確ですが、短期間で急減させるというより、伐採・需要拡大・苗木生産・担い手確保などを総合的に進めていく計画です。
3)年ごとの飛散量は『前年夏の天候』で大きく上下する
そして一番の体感ポイントがここ。
花粉の元になる雄花は、前年夏の気象条件に左右されます。
日本気象協会は、2025年夏が全国的に高温・多照で雄花が形成されやすかったことを、2026年春の飛散量が多くなりやすい背景として説明しています。
つまり、植え替えが進んでいても、天候要因で『多い年』が来ると、対策の効果が見えにくくなるのです。
「花粉の飛散量が減ったなぁ・・・」
「花粉症の症状が減ったなぁ・・・」
との体感を得られるまでには、まだまだ時間がかかりそうですね。
まとめ:今年は「早めの備え」で、つらさを下げよう
今回の記事のポイントをまとめました。
・花粉症は、免疫の過剰反応で起こる
・「なる・ならない」は体質+環境+粘膜バリア+体調の掛け算
・コップの水理論は便利な例え。でも一律の閾値ではなく個人差が大きい
・国は杉の木などの植え替えを進めているが、規模と時間差、そして天候で『多い年』が来る
・今年(2026年)は東日本・北日本で多め予測。飛散前後から早めの対策が鍵
症状が強い人、そのせいで眠れない・集中できないなど生活に支障が出る人、今年はまだ症状は出てないけど毎年つらいというタイプの人は、お早めに耳鼻科で相談を検討してくださいね。
参考文献:
1.日本気象協会. 2026年 春の花粉飛散予測(第3報). tenki.jp; 参照 2026-01-26. https://tenki.jp/pollen/expectation/
2.Luyten A, Bürgler A, Glick S, et al. Ambient pollen exposure and pollen allergy symptom severity in the EPOCHAL study. Allergy. 2024;79(7):1908-1920. doi:10.1111/all.16130
3.Garn H, Potaczek DP, Pfefferle PI. The Hygiene Hypothesis and New Perspectives—Current Challenges Meeting an Old Postulate. Front Immunol. 2021;12:637087. doi:10.3389/fimmu.2021.637087.
4.Ogulur I, Mitamura Y, Yazici D, et al. Type 2 immunity in allergic diseases. Cell Mol Immunol. 2025;22(3):211-242. doi:10.1038/s41423-025-01261-2
5.Bousquet J, Anto JM, Bachert C, Baiardini I, Bosnic-Anticevich S, Canonica GW, et al. Allergic rhinitis. Nat Rev Dis Primers. 2020 Dec 3;6(1):95. doi:10.1038/s41572-020-00227-0
6.林野庁. 花粉発生源対策(スギ人工林の削減目標など). 農林水産省; 参照 2026-01-26. https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/kafun/hasseigen.html
[執筆者]

船木 彩夏
化粧品メーカー研究員
[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」
<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定 特級コスメコンシェルジュ
[監修]キレイ研究室編集部



