キャベツは胃にやさしいって本当?栄養素を知って旬のおいしさを味わいましょう

ピーク時にはひと玉1,000円を超えるなど、価格の高騰が話題になっているキャベツ。
3月に入って一時ほどの高値ではないものの、それでも例年よりは高めで、購入を迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
ポピュラーな野菜の代表格であるキャベツですが、実は栄養価は非常に高いのです。
今回は、話題のキャベツについてお話しします。

キャベツに含まれる栄養素・・・ポイントは?

緑色も薄く、一般的すぎるせいか、キャベツってあまり栄養がないのでは・・・と思われるかもしれません。
キャベツにはビタミンA(βカロテン)、C、K、葉酸といったビタミン類、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガンなどのミネラルなどが含まれています。
ビタミンCは聞いたことがあっても、ビタミンKは、あまり聞いたことがないという方もいるかもしれません。
ビタミンKにはK1(フィロキノン、主に植物由来)、K2(メナキノン、主に動物由来で腸内細菌からも合成される)があり、キャベツに含まれるのはK1です。
ちなみに、ビタミンKの供給源としては納豆が有名でご存知の方もいらっしゃると思いますが、納豆菌によりつくられるのはK2(メナキノン-7)となります。
ビタミンKは脂溶性のビタミンで、骨の形成に関わる成分です。
カルシウムの吸収を促進したり、骨を丈夫にする効果が期待できます。
ビタミンCやB6は、水溶性ビタミンのため、水に溶けやすく加熱調理により失活しやすいのですが、ビタミンKは加熱に強いのもうれしいところ。
骨のためにキャベツというと、意外に思われるかもしれませんが、ビタミンKをしっかり摂りましょう!

キャベツは胃にやさしいって本当?

キャベツというと胃にやさしい、胃に良いというイメージを持たれる方も多いと思います。
キャベツには、抗潰瘍因子であるS-メチルメチオニン(ビタミンUやキャベジンとも呼ばれる)が含まれています。
新鮮なキャベツジュースを摂取した患者の消化性潰瘍が、当時の標準療法で治療された患者の約1/3ほどの期間で治癒したとの報告もあります(出典:Calif Med. 1949 Jan;70(1):10–15.)。
また、慢性胃炎などの発症と関連のあるヘリコバクター・ピロリ菌に誘発られる胃炎を抑制する効果(キャベツに含まれるスルフォラファンなどの影響と考えられている)も報告されています(出典:Food Chem Toxicol. 2014 Aug:70:107-13.)。
ストレス過多な現代人は、胃痛に悩まされている方も多いもの。
キャベツには、胃の働きや粘膜に働きかけるビタミンKやU、消化を助ける酵素ジアスターゼ(アミラーゼ)が含まれており、あなたの胃のトラブルや不快感から守ってくれるかもしれません。
胃もたれや疲れを感じたら、キャベツを食べてみてはいかがでしょうか?

小さくてかわいい芽キャベツは、すごいやつ?

キャベツそっくりの見た目の小さくてかわいい芽キャベツ(姫キャベツ)をご存知ですか?
名前からしても、生まれたてのキャベツかな?と思われるかもしれませんが、原種となるケールから分化した品種のひとつです。
見た目はそっくりな2つですが、実は栄養価には大きな違いがあります。

先ほどキャベツに含まれているというさまざまな栄養素ですが、カルシウム以外は芽キャベツにより豊富に含まれているのです。
2~4倍程度のものが多いですが、βカロテンに至っては14倍以上!
芽キャベツにはβカロテンが600µg以上含まれるので、緑黄色野菜のひとつに分類されています。
キャベツのような甘さの中に、ほろ苦さもある芽キャベツ。
栄養をよりしっかり摂りたいときは、芽キャベツを選んでみてもいいかもしれません。

もうすぐ春キャベツが美味しい時季がやってきます。
ぜひ、旬のおいしさを味わってくださいね!

[執筆者]

船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定1級

[監修]キレイ研究室編集部

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