【後編】歯の治療で話題!インプラントのメリットとデメリットについてN.S.デンタルクリニック院長の長里先生に伺いました!
芸能人やスポーツ選手などがおこなったと話題のインプラント。
実際、どれくらい使えて、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
N.Sデンタルクリニックの長里先生にお話を伺いました。
インプラントはどのぐらい使えるの?
安くはないコストを払い、せっかく入れたインプラント・・・長く使用したいですよね。
ざっくり言うと、20年位は問題なく使用できると思います。
その後の期間はどの様に管理がされているかに焦点が当てられるのではないでしょうか?
インプラントは通常の歯と場合と大きく異なる点があります。
どういう事かというと、インプラント体(フィクスチャーといって、顎の骨に刺さっている部分)は天然の歯でいう所の歯根に位置します。
インプラントの上部構造とは、天然の歯でいう歯冠の部分を指します。
天然の歯には歯根と歯冠しか有りません。
しかし、インプラントにはアバットメントという土台がフィクスチャーと上部構造(歯の部分)の間に存在します。
これが何を意味するかというと、このアバットメントというパーツはほとんどご自身で、清掃することは不可能だという事です。
そのため、定期的に歯科医院にて状態のチェックをおこなわなければなりません。
半年に一回、期間が空いても、年一は必ずレントゲンを撮り、確認が必要です。
悪くなってからでは遅いのです。
何か予兆があれば対処すべきで、初期~中期に、掛けては自覚症状も無いのが普通だと思います。
インプラントは人工物なので、酸によって溶かされて虫歯になる事はありませんが、インプラントの周囲の骨が減ってしまい脱落したりする場合もあります。清掃をきちんとする事も必要ですが、力のコントロールも大切です。
どういう事かというと、力が掛かりすぎると(方向に寄りますが)脱落する原因になる恐れがあるという事です。
具体的には、歯ぎしりやくいしばりの癖がある方は注意して下さい。
筋トレする際の噛む力も組織を破壊する事に繋がります。
インプラント以外にはどんな選択肢がある??
失った歯の部分を補う為には、ブリッジ、部分入れ歯、インプラントが大体のパターンです。
例外として、例えば奥歯を失いそうになっているケースであれば、親知らずを移動して代替として使えるケースや、歯並びが悪い(噛み合わせに問題があるケース)であれば、矯正治療によって、失った部分を無かった事に出来るケースもあります。
まずはご自身の口腔内の状況と、それぞれの施術のメリットデメリットを加味した上で判断するのがベストだといえます。
ご自身だけで判断するのは難しいと思いますので、不明な点があれば納得いくまで歯科医に御相談下さい。
芸能人などが施術していることでも話題のインプラント。
テレビに出られている方が売れてくると歯が綺麗になる傾向が有りますね(笑)
インプラントは実績の多いクリニックで施術して頂く事をお勧めします。
数多くおこなっているという事は、ノウハウがあるという事になります。
実績などが分からない場合は、少なくとも事細かに説明して下さるクリニックで施術して頂く事をお勧めします。
インプラントのメリット
一番の効果は、他の歯を失いにくくなります。
ブリッジ、入れ歯であれば、少なからず周りの歯を削って入れる必要があるため、お勧めできません。
また削るだけでなく、力の負担率が増していき、歯を失いやすくなるだけなのです。
お口の中は力のバランスが大切です。
ヒトは生きていく為には物を食べる必要があります。
食べる時に使う、咀嚼筋の力を歯で全て受け止めるのです。
歯の本数が少なくなれば、おのずと一本当たりに掛かる力は増していき、この力が歯周病や虫歯を発生させる原因になり、口の中を破壊していきます。
但しインプラントがベストかというと決してそうではありません。
大切なのは、歯を失う事になったきっかけを読み取る事です。
歯に穴が空いたから治す、歯が揺れてきたから抜くではなく、なぜそうなったのかを考える事が大切になります。
なのが、何がベストかといわれたら、御自身の歯に優るものは無いという事です。
話がずれてしまうのですが、親知らずをドナーとして利用出来る可能性がある事をご存じですか?
例えば、奥歯の根っ子が割れて抜かなければならない場合に、インプラントではなく、もし親知らずが存在すれば(ボリュームにもよりますが)動かして奥歯の替わりとして親知らずを使用する治療法もあります。
この観点から、優先順位を付けるとすれば、僕の中での順序は矯正>インプラント>ブリッジ>入れ歯
の優先順位ですね。
インプラントのデメリット
デメリットとなるのは、費用と外科的侵襲(外科処置なので怖い、痛いかも、偶発的に麻痺が出たりの可能性)です。
また、今までにインプラントを経験している方で脱落した経験がある方は拒まれるケースが多いですね。
また、治療期間が長い事も挙げられます。
基本的な治療期間が、上のインプラントであれば6か月、下顎であれば4か月程、本体が骨と結合する迄に待たなければなりません。
今は処置の仕方によっては、治療期間が短い場合もあるかと思います。
また、矯正がインプラントよりも先に優先順位が来ている理由は、歯は矯正器具を付けて動かす事が出来ますがインプラントは骨と結合させるため、その後に矯正しようとすると、弊害になる事があり、場合によっては撤去が必要になりますので、御注意下さい。
いずれにせよ、納得のいく説明を受けた上で御検討頂く物と考えています。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。
皆さんがきちんと治療を受け、満足いく結果になる事を願っています。
[執筆者]
長里康史先生
N.S. デンタルクリニック 院長
私は自分の厄介な歯ぎしりの癖(これにより知覚過敏が酷くなってきてしまったため)が動機付けとなり、自分で人体実験をしてオリジナルのマウスピース(特許出願中)を産み出せました。
これが無かったら、この様な説明は出来ませんでした。
気になる事など、御座いましたら御気軽に御相談下さい。
略歴
平成23年 奥羽大学歯学部卒業 奥羽大学附属病院 臨床研修
平成24年 都内歯科医院勤務
平成29年 N.S. デンタルクリニック 開院
N.S. デンタルクリニック
https://www.ns-dental-cl-smile.com/