ポップコーンでダイエット!?とうもろこしに秘められた美容にうれしい栄養をかしこく摂取!
お醤油の香ばしい匂いの焼きとうもろこしは夏祭りを思い出させる、なんだか少しノスタルジックな食べ物ですよね。
実はとうもろこしの黄色い粒々には、美容に嬉しい栄養がたっぷり詰まっているって知っていますか?
今回は、夏に旬を迎える、甘くて美味しいとうもろこしについてお話しします。
とうもろこしは・・・野菜なの? 穀物なの??
とうもろこしは、小麦や米を抑え、世界で最も生産されている穀物です(加工や家畜の飼料に用いられるものも含みます)。
私たち日本人は、とうもろこしを穀物というと、少し不思議な感じがしますよね。
とうもろこしは野菜なのでしょうか、それとも穀物なのでしょうか?
私たちが普段食べている黄色いとうもろこしは、スイートコーンと呼ばれる甘味種で、完熟前の未成熟な状態です。
そして、タコスやトルティーヤなどに利用されるトウモロコシ粉や、ポップコーンに使われる爆裂種などは完熟した乾燥とうもろこしです。
実は、とうもろこしは「未成熟なもの=野菜、完熟したもの=穀物」と分けられています(「農林水産省日本標準商品分類(総務省平成2年6月)」による)。
穀物でもあり、野菜でもあるとうもろこしですが、お米と比較するとカロリーは1/3程度、食物繊維は6倍も含まれており、とってもヘルシー!
とうもろこしの粒皮には、不溶性の食物繊維がたっぷり含まれているので、お腹の調子を整えたいときにはおすすめです。
とうもろこしには、糖質の代謝に必要なビタミンB1、美肌に重要なビタミンB2、脂質の代謝に関わるビタミンB6が含まれています。
また、穀物には珍しく、ルテインやゼアキサンチンといったカロテノイドが含まれているのもとうもろこしの特長です。
そして、美肌を気にする方にはうれしい、お肌のバリア機能に深くかかわるセラミドも、微量ですが含まれていることがわかっています。
とうもろこしは甘くて腹持ちもいいので、ダイエットや美容が気になるときのおやつにもおすすめな食材だといえます。
ゆでたり焼いたりして、バターなどで味付けはせずにそのままいただきましょう!
とうもろこしを美味しくいただくためには、鮮度が命。
収穫された後もとうもろこしは生きているため、どんどん糖分がエネルギーとして使われて減ってしまい、風味も失われていきます。
購入後は、素早く調理していただきましょう。
ゆでるときは水からゆでると、みずみずしくゆであがります。
また、とうもろこしの皮は粒の水分蒸発を防いでくれていますので、調理する直前に取るようにしましょう。 ゆでたり焼いたりするときは、皮を残したまま調理すると、水分を逃さず、甘味も出るといわれています。
ポップコーンも美容におすすめ?!
とうもろこしを使ってつくるおやつといえば、ポップコーンですよね。
映画館やテーマパーク内で食べるスナックとしても大定番です。
キャラメルやチーズがたっぷりかかったポップコーンなど、最近はさまざまな種類のものがあり、大人気となっています。
あと引く美味しさで、ついつい手が止まらなくなってしまうポップコーンが、「美容の味方!」だとすると、なんだかうれしくなっちゃいますよね。
実は、ポップコーンには、野菜やフルーツよりもたくさんのポリフェノールが含まれていると、米国のスクラントン大学JoeVinson教授により報告されました(出典:https://news.scranton.edu/articles/2012/03/popcorn-study.shtml)。
ポップコーンに多く含まれているポリフェノールの多くはフェルラ酸で、高い抗酸化力を有し、さまざまな健康効果が期待できます。
ポップコーンにポリフェノールが多く含まれている理由のひとつは、水分が少ないこと。
通常、果物や野菜は90%が水分ですが、ポップコーンの水分は10%と少なく、ポリフェノールが凝縮しているのです。
例えば、1サービング(1カップ)あたりのスイートコーンに含まれるポリフェノール量は114mgですが、同量のポップコーンでは300mgにものぼるそう。
多くの果物のポリフェノール量が160mg前後であることを考えると、ポップコーンのすごさが分かりますね。
また、ポップコーンを食べるときに、固い殻が歯に挟まって困ったことはありませんか?
実はこの殻の部分には、ポリフェノールがたくさん詰まっています。
全粒粉よりも白い小麦粉、お米も玄米より白米を選びがちな方が多いと思いますが、近年“ホールグレイン(全粒穀物)”の持つ栄養価が高く評価されています。
その食べにくさから取り除いてしまいがちな外皮や胚芽は、たくさんのビタミンやミネラル、たんぱく質や食物繊維、ポリフェノールなどのフィトケミカルの宝庫なのです。
ポップコーンは、とうもろこしを丸ごと使っているので、栄養を余すことなくとることができるというわけです。
ただし、キャラメルやメープルに包まれたタイプのものや、バターやチーズがたっぷりかかったものが大好きという方は注意が必要です。
これらのタイプのものは美味しいのですが、糖分・油分も多く、カロリーもかなり上がってしまいます。
家でつくる際は、オイルをオリーブやココナッツオイルなどのヘルシーな植物油に変え、オイルの量を少なめにすると良いでしょう。
最近では、油を使わずに熱風だけでとうもろこしを爆発させる、エアポップコーンという製法でつくられたポップコーンが登場し、人気を集めているとか。
これなら油分を気にせずにいただけますね!
おうちで気軽にエアポップコーンがつくれるポップコーンメーカーも販売されているので、ポップコーンが大好きでヘルシーなおやつに興味があるという方は、試してみてもいいかもしれません。
実は栄養たっぷり!ひげも捨てないで!!
とうもろこしの穂先についているひげ・・・。
実は、絹糸と呼ばれるめしべで、受粉したひげの数だけとうもろこしの粒があります。
調理の際にとるのが面倒だったりして、邪魔にしてしまいがちな存在ですが、実はひげにもカリウムやタンニン、フラボノイドなどが含まれ、栄養がたっぷり!
漢方の世界では玉米鬚(ぎょくべいしゅ)や南蛮毛と呼ばれ、生薬として用いられていますし、欧米でもコーンシルクとして健康食品として親しまれています。むくみをとる、利尿作用などが期待できますので、冷たいものをたくさん飲みがちな夏にはぴったりの食材です。ひげを使ったお茶もありますし、細かく刻めばスープなどに入れて食べられますので、ぜひ捨てずにひげも利用してみましょう!
甘味豊かでジューシーなとうもろこし。
美味しくて、ダイエットや美容にもおすすめの食材とくれば、食べないわけにはいきませんよね。
夏の思い出と一緒に、とうもろこしにかぶりついちゃいましょう!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]