牡蠣は完全栄養食!?まるで栄養ドリンク!牡蠣の持つポテンシャルにびっくり!

海のミルクとも呼ばれ、栄養豊富な牡蠣。
欧米では、Rの付かない月の牡蠣は食べられないといわれていますが(september~April)、日本での真牡蠣の旬は、寒さも厳しくなる11月下旬から3月いっぱいぐらいまで。
まさに今は、夏場の産卵に向けて、栄養をたっぷり蓄えた、牡蠣の美味しい季節なのです!
今日はそんな牡蠣についてお話ししたいと思います。

微量だけど、大切なミネラル“亜鉛”とは?

牡蠣は完全栄養食と評されるほど栄養が豊富です。
亜鉛、鉄、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、リチウム、コバルトなどのミネラル、ビタミンB1・B2・B6・B12、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、ビオチン、イノシトール、コリンといったビタミン類が含まれています。

中でも特筆すべきは亜鉛です。
牡蠣は、あらゆる食材の中で、最も亜鉛を含む食材といわれています。
体内に存在する亜鉛は微量ですが、亜鉛を必要とする酵素はなんと200種類以上!
亜鉛は、筋肉・皮膚・ガラス体・前立腺・肝臓に多く分布しており、インスリンの構成成分として働いたり、ビタミンCとともにコラーゲンの合成に関与したり、細胞の抗酸化の役割を果たしたり…とその作用はさまざまです。
亜鉛が欠乏すると、肌あれ・ニキビ・性機能低下・味覚異常・免疫低下・脳機能低下など様々な症状が現れることがわかっています。

亜鉛は不足しづらい栄養素とされていましたが、近年、加工食品やファーストフード、インスタント食品などを摂る機会が増えたことにより亜鉛不足になる人が増えているといわれています。
亜鉛は汗や尿中に排出され、失われやすい栄養素だといわれていますので、しっかり牡蠣を食べて、亜鉛不足を解消しましょう!
また、亜鉛は体に吸収されにくい栄養素でもあります。
そのためビタミンCやクエン酸と一緒に摂ると、吸収を助けてくれるのでおすすめ!
ビタミンCとクエン酸、その両方が含まれた食べ物といえば…レモン。
生ガキやカキフライに絞って食べる方も多いと思いますが、これはおいしいだけではなく、亜鉛の摂取を考えたうえでもとっても相性の良い食べ方なのですね。

まるで栄養ドリンク!牡蠣の持つポテンシャルにびっくり

疲れを感じたときに、栄養ドリンクを手に取り、ぐいっとやってから仕事に行く…なんて経験がある方も多いと思います。

ビタミンやミネラルなど、栄養ドリンクにはいろいろな成分が含まれていますが、中でもポピュラーなものはタウリンではないでしょうか?
「タウリン○○mg配合!」などと、その含有量を謳う製品もたくさんあります。
タウリンは、含硫アミノ酸であるメチオニンやシステインから体内で合成することができる成分ですが、その量はわずかで、食事などで体外からの摂取に頼ることになります。
人の持つホメオスタシスを維持するのに重要な成分だといわれており、血圧を安定させたり、筋肉疲労を改善させたり、腸内環境を整えたりと、さまざまな作用が確認されています。
また、コレステロール値の改善・肝細胞の再生・脂肪肝への効果が期待でき、肝臓の働きをサポートしてくれるので、肝臓の健康に気を付けたい人にとってはとても大切な栄養素なのです。

しかし、せっかく「タウリンを摂取しようかな」と思っても、残念ながら日本ではタウリンをサプリメントで摂取することはできません。
日本では合成されたタウリンは、医薬品として扱われるため、医薬品や医薬部外品としてしか使用できないのです。
医薬品でしか摂取できない…となると、なんだかハードルが上がってしまう気がしますが、タウリンが豊富に含まれている食材もあります。
タコ・イカ・ハマグリなどの海産物がそうですが、中でも牡蠣にはタウリンが豊富に含まれており、その量、牡蠣の可食部100g中になんと1,130mg!
まさに、栄養ドリンク並みなのです!!
さらに牡蠣に含まれるグリコーゲンは、エネルギーの貯蔵庫で、疲労回復に効果的な成分。
しかも、栄養ドリンクは甘く糖分がたっぷり含まれているものがほとんどですが、牡蠣はヘルシー(1個10~15kcal程度)で他にもビタミンやミネラルがたっぷり。
美肌にも、肝臓にも、疲労回復にも効果があって低カロリーなんて、牡蠣はまさに完璧な食材といえますね。

師走に入り、何かと忙しいこの時期。
忘年会やクリスマス会など、イベントごとも多く、「ちょっと飲み過ぎたな」「ちょっと疲れたな」…なんてときには、美味しい牡蠣を楽しんで、英気を養ってみてはいかがでしょうか?
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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