チョコレートに美容効果があるって本当?美肌のための選び方・食べ方を解説

バレンタインシーズンになると、チョコレートを口にする機会が増えますよね。
体に良いイメージもあるチョコレートですが、「太りそう」「肌に悪そう」と、食べるのに罪悪感を覚える人も多いのではないでしょうか。
実は、チョコレートは選び方と食べ方次第で、『キレイ』の心強い味方にもなるのです。
健康管理上級指導員でサプリメントアドバイザーの船木彩夏さんの解説です。

チョコレートの美容効果が注目される理由

『キレイ』の味方にもなるチョコレート。
その鍵となるのが、原料であるカカオに含まれる成分です。
なかでも研究報告が多いのが、カカオポリフェノール、テオブロミン、GABAといった成分です。

1)カカオポリフェノール
カカオに豊富に含まれるポリフェノール類には、抗酸化作用があることが知られています。
中でも、フラバノール(エピカテキンなど)と呼ばれる成分に注目が集まっています。
酸化ストレスは、紫外線ダメージや肌老化とも関係するため、美容面でも重要なポイントです。
実際に、高フラバノールのココア(フラバノール量:326mg/日)を12週間摂取した試験では、紫外線照射による皮膚の赤みが出にくくなること(最小紅斑量:MEDの上昇)や、肌の血流、弾力、保湿指標に良い変化が報告されています[1]。
また、フラバノールを豊富に含むチョコレートの定期的な摂取により、紫外線刺激に対する皮膚の反応(赤み)に関する指標の改善が報告されています[2]。
これらの報告は、チョコレートが「日焼けを防ぐ」というより、紫外線刺激に対する皮膚の反応を穏やかにする可能性が示唆された結果といえるでしょう。
そのほかにも、チョコレートやカカオに含まれるフラバノールとプロシアニジンに、血管機能に働きかけ、心血管疾患のリスクを下げる、脂質代謝を改善する、LDLコレステロール値を改善させるといった効果も報告されています[3]。
『キレイ』にも『健康』にも効果が期待されるチョコレート…ですが、試験に用いられているのは甘いスイートチョコやミルクチョコではなく、フラバノール量が調整されたハイカカオチョコレートやダークチョコレートである点に留意しましょう。

2)テオブロミン
テオブロミンは、カカオ特有の苦味成分で、カフェインと似た構造を持ちますが、作用は比較的穏やかで、リラックス感を伴いやすい点が特徴です。
血管を拡張し、体を温める方向に働くことが知られており、冷えに悩む方にとってはうれしい作用です。
実際に、ココアの摂取がヒト体表温上昇作用や体温維持作用があることが報告されています[4]。
また、血流は、肌のくすみやターンオーバーとも深く関係しており、「巡りを整える」という観点からも、チョコレートが注目される理由のひとつです。

3)GABA(γ-アミノ酪酸)
GABAは、リラックスに関与する神経伝達物質として知られています。
実際に、GABAを豊富に含むチョコレートを摂取することで、精神的ストレスに対する軽減効果があったとの報告もあります。
…少し話題がそれますが、この試験でストレス負荷のために用いられたのが算数の課題です。
学生時代、算数の計算問題が苦手だったという方も多いと思いますが、ストレス負荷のために用いられるほどなんですね。
ストレスが美容や健康の敵となることは、皆さんもご存じだと思います。
睡眠の質低下や肌荒れとも関係するため、ストレスを和らげる作用は、美容の土台づくりにおいても重要といえますね。

※なお、ここで紹介した研究の多くは、フラバノール量を調整したココアや抽出物を用いたものであり、一般的なチョコレートを大量に摂取すれば同様の効果が得られるというものではありません。

美容のためのチョコレートの選び方

美容目的でチョコレートを取り入れるなら、カカオの含有量が高く、ポリフェノール類が豊富に含まれているものがおすすめです。
『ダークチョコレートに含まれるフラバノール量は、カカオ豆の品種や発酵・焙煎、アルカリ処理(ダッチ加工)などの製造工程によって含有量は変化します[6]。
そのため、製品による差が大きく、市販品の測定では100gあたり約100mg前後から数百mgまで幅があるといった報告もあります。
カカオ含有量が高いほどフラバノールが多い傾向はありますが、カカオ%はあくまで目安であり、それだけでフラバノール量がわかるわけではありません。』
実際に、カカオ含有量が高いほどフラバノールが多い傾向はありますが、製品差がかなりあるためカカオ%は含有量とフラバノール量は比例するとは限らないのです。
どうしてもチョコレートの効果を体感したい、研究の条件に近づけたいという方は、高フラバノール標記のあるものを選んでもいいでしょう。
総ポリフェノール量などの記載があるチョコレートも販売されています。
ただし、ハイカカオチョコレート(90%以上)は、一般的なチョコレートよりも苦味が強く、ストレスになってしまうという人も。
70%前後のダークチョコレートが、おいしさと成分のバランスが良いといえるかもしれません。
メーカーによってもかなり変わりますので、ご自身の好きなシリーズやカカオ%のものを探してみてくださいね!

チョコレートの食べ方にもポイントが

いくら体に良くても、チョコレートはカロリーが高めの食べ物。
一度にたくさん食べるのではなく、少量をゆっくり味わうことが大切です。
香りや口溶けを楽しむことで、満足感が得られやすくなります。
1日に食べる量は、1、2かけ程度(10~20g程度)に収めておきましょう。
また、「チョコレートを食べるとニキビができる」といわれることがありますが、研究結果は一様ではありません。
一部の研究では、ダークチョコレートの摂取とニキビの悪化との関連が示唆されていますが、一方で、明確な影響が見られなかったという報告もあり、個人差が大きいテーマであることが分かっています。
ニキビができやすい人は、自分の肌の調子を見ながら、食べる量や頻度を調整しましょう。

キレイのために選ぶなら「量より質」を意識して

チョコレートは、「たくさん食べるもの」ではなく、「上手に付き合うもの」。
バレンタインをきっかけにチョコレートを選ぶなら、カカオ含有量や原材料に、少し目を向けてみてください。
甘さを楽しみながら、心と体を整える時間を持つことも、立派な美容習慣です。
チョコレートは、選び方と食べ方次第で、「罪悪感のあるお菓子」から「自分をいたわる美容食品」へと変わります。
香りも豊かでおいしいチョコレート。
上手に付き合って、『キレイ』の味方にしたいですね!

参考文献:
1.Heinrich U, Neukam K, Tronnier H, et al. Long-term ingestion of high flavanol cocoa provides photoprotection against UV-induced erythema and improves skin condition in women. J Nutr. 2006;136(6):1565-1569. doi:10.1093/jn/136.6.1565.
2.Williams S, Tamburic S, Lally C. Eating chocolate can significantly protect the skin from UV light. J Cosmet Dermatol. 2009;8(3):169-173. doi:10.1111/j.1473-2165.2009.00448.x.
3.Ferri C, Desideri GB, Ferri L, et al. Cocoa, blood pressure, and cardiovascular health. J Agric Food Chem. 2015;63(45):9901-9909. doi:10.1021/acs.jafc.5b01064.
4.Ariyama A, Mori Y, Inano M, Nadamoto T. Effect of cocoa on human body surface temperature. Nippon Shokuhin Kagaku Kogaku Kaishi. 2009;56(12):628-638. doi:10.3136/nskkk.56.628
5.Nakamura H, Takishima T, Kometani T, Yokogoshi H. Psychological stress-reducing effect of chocolate enriched with gamma-aminobutyric acid (GABA) in humans: assessment of stress using heart rate variability and salivary chromogranin A. Int J Food Sci Nutr. 2009;60 Suppl 5:106-113. doi:10.1080/09637480802558508.
6.Urbanska B, Derewiaka D, Lenart A, Kowalska J. Changes in the composition and content of polyphenols in chocolate resulting from pre-treatment method of cocoa beans and technological process. Eur Food Res Technol. 2019;245:2101-2112. doi:10.1007/s00217-019-03333-w.

[執筆者]

船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定 特級コスメコンシェルジュ

[監修]キレイ研究室編集部

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