見た目が若い人ほど長生きする!?若々しさと長寿の関係について

あなたは実年齢よりも若く見られますか?それとも老けて見られますか?

「若々しくありたい」ために、スキンケアやメークだけでなく、ヘアケアアイテムやサプリメントなどを取り入れて努力している女性は多いのではないでしょうか。

「若いですね」と言われると、なんだか嬉しくなりますよね。

最近では美容の観点だけでなく、老化や疾患リスクの目安、健康のバロメーターとしても“見た目”が注目を集めているのです!

見た目は寿命に関係する!?

以前から、健康の目安として“見た目”があることは経験的に理解されてはいましたが、最近の研究では、“見た目”と内的老化の関連が多く指摘されるようになっています。
また、実際に、“見た目”が若い方が長生きするという研究報告があります。
「“見た目”は寿命の長さに関係する」という研究結果を、2009年に南デンマーク大学のグループが発表したのです。
その内容は、2001年にデンマークに住む70歳以上の双子1,826名(男性840名、女性986名)の顔写真を41名の男女に見せて見た目年齢を判定し、7年後の追跡調査時に亡くなっていた675名(全体の37%)を分析しました。その結果、実年齢より若く見える人は長生きの傾向があるという結果になりました。つまり、同じ双子でも見た目年齢に大きく差がある場合、実年齢より老けて見られた人の方が寿命が短く、若く見られた人の方が長生きするのです。
同じような遺伝的背景を持つ双子なので、同じような割合で亡くなられるのかと思いましたが、老けて見られる人のほうが、死亡率が高かったという結果には驚きますね。
また、見た目年齢が若い人ほど、身体機能、握力、認知機能が高く、細胞の寿命に関係するといわれる染色体のテロメアが長いことも示されました。テロメアは、細胞分裂をするごとに短くなり、ある程度まで短くなるとそれ以上分裂できなくなるため、「命の回数券」「細胞寿命時計」などとも呼ばれ、老化と関連しているといわれています。
そのほかにも、最近は多くの科学的データが発表され、“見た目” の形(体形など)や大きさ(身長など)、容貌、皮膚の状態などが、老化や疾患リスクの重要な目安になるということが科学的な根拠として説明されるようになっています。
つまり、“見た目”で体内の老化やそれに伴う病気が進んでいることが分かるかもしれないということです。
いつまでも若々しく・・・そう思うのは人間の生存本能なのかもしれませんね。

若々しくって、具体的にどういうこと!?

若々しい見た目って、いったいどんな見た目なのでしょうか?
ある研究者は、見た目の若い人は、毛細血管が拡張して起こる赤ら顔(毛細血管拡張症)ではないこと、シワ、シミ、たるみが少ないことが特徴だといいます。シワは喫煙や紫外線が増加因子だといわれていますし、紫外線はシミを増やすことでも知られています。また、たるみは皮膚の厚さや皮膚を構成するたんぱく質であるコラーゲンとエラスチンの質が関係しています。
更に、先ほどご紹介した研究結果からは、同じ遺伝的背景を持つ双子にも関わらず、その後の生活や環境によって見た目の違いが生じ、寿命の長さまでを左右しているのです。
このことからも、“見た目”の若々しさというのは、生まれつきの美しさではなく、後天的な美しさ、若々しさを指していることが分かります。
若々しさや美しさを追求するということは、顔のシワやたるみが少なくハリのある肌を目指すことはもちろんですが、体全体の健康美として考えることが大切、ということですね。

若々しくキレイでいるためには、どうすればよいの!?

では、若々しい見た目を保つにはどうしたらよいのでしょうか?
それは、老化のスピードをいかに遅くするかということにかかっています。
老化の要因としては、生活習慣・食生活・環境因子などがあげられます。
規則正しい生活や、食生活はもちろん、老化の原因となるタバコや紫外線をできるだけ避けること、ストレスをうまくコントロールすること、またよく笑うこともよいでしょう。
服装や化粧、香水や髪型を楽しむことも幸福感や心の若さに好影響を与えてくれます。
また、カロリー制限をおこなうのも有力な対策のひとつです。
アメリカの大学が米科学誌に発表した研究によると、「カロリー制限を続けたサル」と「普通の食事を続けたサル」は、20年後ひと目で分かるほど見た目年齢に歴然とした差がついたそうです。普通の餌グループの毛は弱々しく、白髪がたくさん生えて、顔はシワだらけ。背中が曲がって動きも鈍い老齢ザルになり、摂取カロリーを3割減らして育てたサルは、毛並みがよく顔は引き締まり、若々しくて動きもよく、寿命も長かったそうです。
現代に生きる私たちにとって、カロリー3割カット生活を続けることは難しいのが正直なところですが、「食事は腹八分目」を意識することだけでも大切だといえそうです。

若々しくキレイでいるためにはさまざまな努力が必要ですが、美を追求することが健康長寿への道だと思うと、日常生活でかんたんに始められる対策からでもはじめたいですね。どう生まれたかよりどれだけ努力して生きているか、が大事なのかもしれません。

[文:キレイ研究室研究員 西川]

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