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【後編】歯ぎしりや食いしばり・・口の中の環境変化に要注意!?顎トラブルにおける対策について田中歯科クリニック田中院長にお伺いしました!

多くの方が悩む顎のトラブル。
口の中の環境が変わるときは要注意ってどういうこと?
今回は、田中歯科クリニック院長の田中俊樹先生に顎のトラブルの原因と対策についてお話を伺いました。

口の中の環境の変化によるストレスとは?

口の中の状況の変化は、私の専門分野です。
20代は年齢的に、親知らずが生えてきたり、虫歯の治療をして新しい詰め物や冠が入ることの多い年代です。
歯科治療の後に違和感が長く続くこともあると思います。
口の中は非常に高感度で、髪の毛1本(40ミクロン、25分の1ミリ)入っても大きく感じるくらいに敏感です。
そのため私たち歯科医師は、25ミクロンの咬合紙というものを使って口の中のバランスを調整しています。
このミクロの調整ができていないと、夜間の寝た後の歯ぎしりや食いしばりの原因になることも考えられるからです。
体の中で一番硬い組織、それが、歯のエナメル質で、上下の歯のエナメル質が咬み合うことにより硬いものが食べられます。
その力は70キロから400キロもの力が出ています。
そのほか急激な噛み合わせの変化は、大きなストレスになり無意識の睡眠中に歯ぎしりや食いしばりを引き起こします。
このような状態が長く続くと、口の中のバランスが崩れだすので要注意です。
口を構成している要因の歯と歯を支える周りの歯槽骨、筋肉神経、顎関節の中の一番抵抗力の弱いところに炎症として出てくるからです。

顎のトラブル、顎関節症と、治療について

そのひとつとして顎関節の場合は、「顎関節症」と呼ばれているのです。

歯の抵抗力が弱いと、歯がすり減り(咬耗)ます。
歯槽骨が弱いと、歯が動揺したり傾いたりしてきます。
筋肉が弱いと、筋肉痛や凝りが口の周りや首に出てきます。
神経を圧迫したり傷つけると、頭痛を起こします。

このように口の機能は、いろいろな体の機能と連動しているのです。
ですから、ただ単に顎が痛いと軽く考えるのではなく、全身のバランスをとっている咬み合わせと関連していることを知っておく必要があります。
歯ぎしりや食いしばりが原因で起きる顎関節症の治療装置としては、夜間に装着するマウスピース(スプリント、アプライアンス)があります。
これは、歯ぎしりの予防装置としても使用できる取り外しのできる安心安全な治療用具です。
バランスの良いマウスピースを入れることにより、頭痛や肩こり、首こりなどが軽減したり、顎の痛みが減少したり睡眠が深くなる方もいらっしゃいます。
ただし、ミクロン単位の調整の必要な口に入れる装置ですので、マウスピースのバランスが悪いと逆に医源性疾患(治療したことにより症状が悪化する事)といわれる症状が出ることも考えられますので、歯科医院選びは、慎重にしたほうが良いと思います。
使用中の違和感なども小まめに先生に相談し、ベストなマウスピースを用意するようにしましょう。

多くの方が悩む顎のトラブルについてお話ししました。
この程度で・・・と思わず、気になる症状が続く場合は、早めに歯科医にご相談ください。

[執筆者]

田中俊樹(たなか・としき)先生
歯科医師/歯学博士
医療法人聖徳会 田中歯科クリニック 院長・理事長

略歴
1980年;神奈川歯科大学 大学院修了(歯学博士)
     米国南アラバマ州立大学 医学部(Post Docter)
1982年;神奈川歯科大学 講師
1984年;明徳会 福岡歯科本院 院長(日本橋)
1985年;日本歯学センター 卒後研修 講師
1986年;田中歯科クリニック開業(逗子市)
1990年;日本全身咬合学会 評議員
1992年;逗子葉山青年会議所 理事長
2015年;医療法人聖徳会 田中歯科クリニック設立

義歯やオーラルフレイルなど、オーラルケアに関する学会発表や論文多数

田中歯科クリニック ホームページ
https://tanakadental.com/

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