
スポーツドリンクや炭酸飲料の後は「すぐ歯磨き」が逆効果?虫歯・酸蝕症を防ぐ正しいケアを歯科医が解説
暑い季節やスポーツの後に飲みたくなる、スポーツドリンクや炭酸飲料。
「甘いものや酸っぱいものを飲んだ後は、すぐに歯を磨けば虫歯を防げる」と思っていませんか?
実は、清涼飲料水を飲んだ直後は歯の表面が一時的に柔らかくなっており、そのタイミングですぐに歯磨きをすると、かえって歯を傷つけてしまうリスクがあります。
今回は、ヨコデンタルクリニック院長で歯科医師の横引良評先生に、スポーツドリンクや炭酸飲料が歯に与える影響と、虫歯・酸蝕症(さんしょくしょう)を防ぐ正しいアフターケアのタイミングについて詳しく解説していただきました。

なぜスポーツドリンクや炭酸飲料で歯が傷つくのか?「糖分」と「酸(酸蝕症)」の2つのリスク
これらの飲み物が歯に影響を与える理由は、「糖分」と「酸」の2つです。
まず、糖分は虫歯菌のエサになります。虫歯菌は糖分を分解して酸を作り、その酸によって歯が溶かされることで虫歯が進行します。
さらに見落としがちなのが「酸」です。
スポーツドリンクや炭酸飲料の多くは酸性の飲み物で、飲んだ直後は歯の表面が一時的にやわらかくなっています。
この状態が続くと、歯の表面が少しずつ溶けてしまう「酸蝕症(さんしょくしょう)」という状態になることもあります。
つまり、これらの飲み物は「糖分による虫歯」と「酸による歯へのダメージ」の両方に注意が必要なのです。
食後すぐの歯磨きはNG?「まず水ですすぐ」「30分あけて磨く」が正しい理由
「歯に悪いなら、すぐ歯磨きをすればいい」と思われるかもしれません。
しかし実は、酸性の飲み物を飲んだ直後は、歯の表面がやわらかくなっているため、このタイミングで力を入れて歯を磨くと、エナメル質を傷つけてしまう可能性があります。
おすすめなのは、まず水やお茶で口の中を軽くすすぐこと。
その後、30分ほど時間をあけてから歯磨きをすると、唾液の働きで口の中の酸が中和され、歯の表面も回復しやすくなります。
外出先などで歯磨きができない場合でも、水を飲んだり口をすすいだりするだけでも、歯への負担を減らせますよ。
「何を飲むか」より「どう飲むか」が重要!虫歯リスクを高める「だらだら飲み」に注意
歯科医師は、「何を飲むか」よりも「どう飲むか」のほうが重要だと感じています。
例えば、ペットボトルを持ち歩いて何時間も口にしたりする「だらだら飲み」は、口の中が酸性の状態になる時間が長くなります。
本来、唾液には歯を修復する働きがありますが、次々と酸性の飲み物が入ってくると、その働きが追いつかず、虫歯になりやすくなります。
飲むときは短時間で飲み切り、その後は水を飲む習慣をつけるだけでも、歯への負担は大きく変わりますよ。
スポーツドリンクや炭酸飲料と上手につきあう!歯を守る飲み方の工夫と毎日の習慣
スポーツドリンクは運動時や発熱時の水分・電解質補給に役立ちますし、炭酸飲料を楽しみたい日もありますよね。
大切なのは、飲み方を工夫すること。
普段の水分補給は水や麦茶を選び、スポーツドリンクや炭酸飲料は必要な場面や楽しみたいタイミングで飲むようにしましょう。
そして、飲んだ後は水で口をすすぎ、歯磨きは30分ほど時間をあけてから行うのがおすすめです。
毎日のちょっとした習慣の積み重ねが、虫歯や酸蝕症の予防につながりますので、歯にやさしい飲み方を意識してみてくださいね。
[執筆者]

横引良評先生
ヨコデンタルクリニック院長
歯科医師・社会福祉士・介護支援専門員
1988年生まれ、広島県出身。
2023年に千葉県佐倉市ユーカリが丘・四街道地区にヨコデンタルクリニックを開院。
保険治療からホワイトニング・マウスピース矯正・ワイヤー矯正・審美歯科・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーションなど幅広い治療を提供している。
趣味は、サッカー・フットサル・ラーメン屋めぐり・温泉めぐりなど。
ヨコデンタルクリニック
https://yoko-dental.jp/



