
ダイエットを成功させたい!肥満のリスクを知って適切な体重を維持しよう。
ダイエット意識が高い現代、太ることを気にされている方は多いと思います。
そもそも肥満とはどのような状態なのでしょうか?
実際に肥満になると、どんなリスクが考えられるのでしょうか?
今回は、保健師の本田和樹さまにお話を伺いました。
現代は肥満になりやすい?!
年々基礎代謝が落ち、肥満が気になってきた方や、健康診断等で「肥満」を指摘された方もいるのではないでしょうか。
肥満は、生活習慣病をはじめとして多くの疾患のもととなるため、肥満の予防・対策が健康づくりにおいて大切です。
一方で、極端に食べる量を減らすことや、特定の食品だけを摂るとリバウンドしやすく、ストレスも溜まり健康を損なう恐れがあるので注意が必要です。
現代では食べ物があふれ、脂肪を蓄えてしまう危険性が高くなっています。
また、近年「在宅ワーク」の普及や、デリバリーサービスや配車サービスの普及が進み、体を動かす機会がますます減っています。
肥満の大きな要因は「食べ過ぎ」と「運動不足」です。
下記に紹介する内容を参考に、ご自身の生活習慣を今一度見直し、無理のない減量で適切な体重や筋肉量を目指しましょう。
そもそも「肥満」とは?
肥満度の判定には、BMI(Body Mass Index)=[体重(kg)]÷[身長(m)2]が用いられています。
日本肥満学会では18.5以上25未満であれば普通体重、18.5未満なら低体重(やせ過ぎ)で、25以上の場合が肥満に分類されます。さらにBMIが35以上になると高度肥満に区分されます。
肥満が進むと・・・
私たちは加齢と共に骨量や筋肉量が低下していきます。
そこに肥満が加わると、もろくなった骨や関節へさらに負担が増え、腰痛や膝痛のリスクが高くなります。
その他にも肥満が関連して引き起こされると考えられる病気は下記のとおりです。
・糖尿病
・脂質異常症
・高血圧
・高尿酸血症/痛風
・狭心症/心筋梗塞
・脳梗塞
・睡眠時無呼吸症候群 等
さらに、大腸がんや前立腺がん、乳がん、子宮がんなど、多くのがんのリスクを高めることも指摘されています。
肥満の予防・解消法
肥満を予防・解消するために、現在の自身の生活習慣を振り返ってみましょう。
1日に摂取するエネルギー(カロリー)が消費するエネルギーよりも多くなると、肥満につながる可能性があります。
食事による摂取エネルギーと、運動による消費エネルギーのバランスを振り返り、食事や運動の見直しを行い、標準体重を維持することが大切です。
1.食生活の見直し
・しっかり噛んで腹八分目でやめる
早食いにすると満腹感や満足感が感じる前にたくさん食べてしまいがちとなり、
肥満につながってしまいます。時間をかけて食べ、腹八分目でやめておきましょう。
・食物繊維を多くとる
野菜や豆類、海藻、キノコ類等、食物繊維が豊富な食材を摂取することで、
小腸での糖質の消化・吸収を穏やかにする効果が期待できます。
・間食を控える
3食しっかりとって、間食は少な目にしましょう。
特にチョコレートやドーナツ、スナック類等の脂質を多く使っているお菓子は、少量でも高カロリーなので気を付けましょう。
・夜食を控える
夜遅い時間に食事をとると、食事からとったエネルギーが消費されにくいので、余分なエネルギーは体脂肪として蓄積されやすくなります。
夕食の時間が遅くなってしまう場合は、野菜スープやサラダ等のできるだけ低脂肪で消化の良いものを食べるようにしましょう。
2.運動習慣の見直し
普段の生活に、運動を加えることはとても重要です。
ですが、膝や腰、股関節に痛みがある方やBMIが30以上ある方は、急な運動は体の負担となる可能性もあるため、主治医と相談のうえ取り組みましょう。
・有酸素運動
脂肪を効率よく燃焼させるのが、有酸素運動です。
1日にまとまった時間を確保することが難しい場合は、1日10分程度の有酸素運動を数回繰り返す方法でも効果を得ることはできます。日常生活のなかでも、一つ手前の駅から歩く、エスカレーターやエレベーターより階段を利用する、昼休みに散歩をする、等、工夫して日常生活のなかに運動を取り入れてみましょう。
おすすめの有酸素運動はウォーキング、ジョギング、エアロバイク、水中ウォーキングなどです。
特に水中ウォーキングは、膝に負担がかかりにくいため、膝痛がある方にもおすすめです。
・筋力トレーニング
有酸素運動に加えて筋力トレーニングを行うと、運動効果が高まり、より効果的です。
筋肉量が増えると基礎代謝量が多くなり、エネルギー消費量も増え、脂肪がつきにくい体づくりに繋がります。
おすすめの筋力トレーニングは、スクワット、腕立て伏せ、腹筋運動、ヒップリフト、プランクなど。
無理なくできる範囲からスタートしてみましょう。
・ストレッチも重要
運動前後のストレッチは、ケガの防止・血流促進、疲労の早期回復に繋がります。
ストレッチも取り入れて、安全に運動習慣を継続しましょう。
家事や仕事をしながら行う「ながら運動」を習慣化することもおすすめです。
例えば洗濯物を干しながらスクワットをする、テレビを見ながら踏み台昇降をする、座った状態のまま上体ひねりや背中のストレッチをすることもできるでしょう。
また、デスクワークの人は30分に1回は立ち上がって歩くことを意識してみてください。
肥満はなにも対策を行わないと日常生活に支障をきたすような病気に繋がってしまう可能性があります。
できる範囲から食生活や運動習慣の見直しを行い、日頃から適切な体重を維持するよう心掛けましょう。
執筆者
本田和樹
株式会社エムステージ産業保健事業部
保健師業務マネージャー
看護師として急性期精神病院で5年間勤務したのち、2020年エムステージ入社。
産業保健師の業務委託事業立ち上げに携わり、現在は複数の企業で保健師として実務をおこなう。
労働と精神衛生についての啓蒙活動、寄稿などもおこなっている。
取得資格:保健師、看護師、養護教諭一種、第一種衛生管理者等
株式会社エムステージ『産業保健トータルサポート』
https://sangyohokensupport.jp/