
寒いと関節が痛くなるって本当?理由と対策についてクリニック院長の三河聡志先生にお話を伺いました
寒さや冷えの影響か、いつもより関節が痛む・・・という方はいませんか?
こんな時、冷やす・温める・・・どうすればいい?
サプリメントは飲んだほうがいい?
今回は、みかわ整形外科クリニック院長の三河聡志先生にによる解説です。

寒くなると関節が痛む理由
寒くなる季節になると、「膝が痛む」「指がこわばる」「肩や腰が重だるい」といった症状を訴える方が増えてきます。
これは決して珍しいことではなく、寒さが体に与える影響が大きく関係しています。
気温が下がると、体は熱を逃がさないように血管を収縮させます。
その結果、関節や筋肉の血流が低下し、酸素や栄養が届きにくくなる一方、老廃物がたまりやすくなります。
これが痛みやだるさを感じやすくなる大きな理由です。また、寒さによって筋肉や腱、靭帯がこわばり、関節の動きが悪くなることも、痛みを助長します。
年のせいだから・・とは限らない!注意してほしい関節の痛みとは
関節痛が出ると「年齢のせいだから仕方ない」と考えてしまう方も多いですが、注意が必要です。
確かに加齢による変化は避けられませんが、その背景に変形性関節症などの病気が隠れていることもあります。
変形性関節症は、関節の軟骨がすり減ることで炎症や痛みが生じる疾患で、特に膝や指、股関節に多く見られます。
初期には「動き始めだけ痛い」「寒い日に痛みが強くなる」といった軽い症状ですが、放置すると関節の変形が進み、慢性的な痛みや動かしにくさにつながることがあります。
そのため、繰り返す痛みや徐々に強くなる症状がある場合には、単なる加齢と決めつけず、早めに専門医の評価を受けることが重要です。
痛いときは冷やす?それとも温める??しびれを感じるときはどうすればいいの?
痛みがあるときに「冷やした方がいいのか、温めた方がいいのか」で迷う方も多いでしょう。
基本的な考え方として、急に起こった強い痛みや腫れ、熱感を伴う場合には冷却が有効です。
これは炎症を抑える目的です。
一方で、慢性的な関節痛や寒さによるこわばりが原因の場合は、温めて血流を改善する方が症状が和らぐことが多く、入浴やホットパックが役立ちます。
痛みの性質によって使い分けることが大切です。
また、「痛かったのが、しびれに変わってきたから良くなっているのでは?」と考える方もいますが、必ずしも改善を意味するわけではありません。
腰や首のトラブルでは、神経が圧迫されると、ズキズキした痛みから、ピリピリ・ジンジンとしたしびれに症状が変化することがあります。
これは坐骨神経痛や頚椎症などでよく見られ、神経が関与しているサインです。
しびれが続く、範囲が広がる、力が入りにくいといった症状を伴う場合には注意が必要です。
突然の激痛!ぎっくり腰になってしまったら
急な腰痛、いわゆるぎっくり腰や、脚のしびれが出た場合の初期対応も重要です。
まずは無理をせず、痛みが最も楽な姿勢を取りましょう。
発症直後で強い痛みがある場合は、冷却が有効なことが多いです。
ただし、必要以上に長期間安静にすることは、かえって回復を遅らせる原因になります。
痛みが少し落ち着いてきたら、日常動作や軽い動きから徐々に再開することが、回復を促します。
今から始めたい!関節のセルフケア
セルフケアとしては、まずは体を冷やさない工夫が基本です。
入浴でしっかり温める、冷えやすい部位を衣服やサポーターで保温することは有効です。
また、痛みのない範囲でのストレッチや体操、正しい姿勢を意識すること、体重管理によって関節への負担を減らすことも大切です。
一方で、強い痛みを我慢して運動することや、急なひねり動作、重い物を持つこと、冷えた状態で長時間同じ姿勢を続けることは避けましょう。
受診の目安としては、痛みが数週間以上続く場合、夜間や安静時にも痛む場合、しびれや筋力低下を伴う場合、関節の腫れや変形が目立つ場合、日常生活に支障が出ている場合などが挙げられます。
これらは放置せず、整形外科を受診するサインと考えてください。
サプリメント、いろいろ売ってるけど・・・ 本当に効くの?
関節に良い栄養については、特別なサプリよりも、まずはバランスの良い食事が基本です。
たんぱく質は筋肉や関節を支える土台となり、ビタミンDやカルシウムは骨の健康に重要です。
青魚に含まれるEPAやDHAには炎症を抑える作用が期待されます。
グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントは補助的な位置づけで、効果には個人差がありますが、症状がある場合には、サプリだけに頼らず、医療的な評価と適切な治療を受けることが大切です。
寒さによる関節痛は多くの人が経験しますが、正しい知識と対処を知ることで、症状の悪化や将来のトラブルを防ぐことができます。
「いつもと違う」「長引く」と感じたときには、無理をせず専門医に相談することが、関節を守る第一歩です。
[執筆者]

三河聡志先生
医療法人一誠会みかわ整形外科クリニック理事長
資格等:日本整形外科学会専門医
日本整形外科認定リウマチ医
日本整形外科認定スポーツ医
2023年5月 みかわ整形外科クリニックを開院。
「楽しく元気に」を合い言葉に職員一丸となり、治療に取り組んでいる。
診療の中心は整形外科であり、関節の痛み、打撲や骨折等の怪我、交通事故、労災などに対応しており、患者層は乳幼児から100歳を超える高齢者まで幅広い。
医療法人一誠会みかわ整形外科クリニック
https://mikawa-cl.com/



