生える前の髪にもダメージ!?忘れがちな頭皮の日焼け予防も老若男女に大切です。

「肌に紫外線(UV-AやUV-B)が当たることは、美肌の点から見ても、健康の面から見ても、あまり良いことではない。
日焼け止めや帽子などで、防御することが大切」
との認識を持たれている方は多いと思います。
ですが、紫外線は髪や頭皮にも影響があるってご存知でしたか?
今回は、知られざるUVの影響についてお話ししたいと思います!

頭皮も髪も日焼けする! ・・・そうしたらどんな影響が??

頭皮にも日焼け止めを塗っているという方は少ないかもしれませんが、頭皮も日焼けをすることが分かっています。
強い紫外線が頭皮にあたり日焼けをすると、毛包にもダメージを受けることが報告されています。
UV-AやUV-Bが照射されると、毛包は酸化ストレスによりDNAにダメージを受けたり、角層細胞のアポトーシス(細胞の自死)が起きたりして、毛髪の成長を抑止するといった影響が確認されたとのこと(Int J Cosmet Sci.2019;41(2):164-182.)。
死んだ細胞と表現される毛髪にも影響が。
日光に当たり過ぎると、髪の構造と色の両方にダメージを受け、髪が脆くなったり、色が抜けてしまったりすることが分かっています。
頭の上にあり、髪に隠れていて忘れてしまいがちですが、頭皮も肌。
既に生えている髪と、これから髪が生える環境を守るためにも、紫外線対策はとても大切なのです。

頭皮と髪を、紫外線から守るには?


顔や体の肌であれば「日焼け止めを塗ろう!」と思いますが、頭皮の場合、毛髪もあり、日焼け止めを塗るのは難しいですよね。
油分の多い頭皮に普段使っている日焼け止めをそのまま塗ってしまうと、頭皮の刺激や、日焼け止めをきちんと落とせないなどが原因で肌トラブルの原因となることも。
髪に塗っても、油っぽくなってべたつくので、満足いく使用感を得るのは難しいと思います。
髪に使用することを想定したスプレータイプのUVケア製品もありますが、根元から毛先までまんべんなくスプレーするのは慣れないとなかなかな難しいもの。
そんな方には帽子や日傘で守ることをお勧めします。
SPF表示の衣類バージョンともいえる『UPF 〇〇』などの記載があるものだと更に安心ですね。
UPFはオーストラリアなどで使用されている数値で、紫外線を浴びてから日焼けを起こすまで(赤くなるまで)の時間をどれほど遅らせることができるかの目安になる数字です。
たとえば、日光に当たると10分で肌が赤くなる人の場合、UPF 50の帽子や日傘を使うと、10分×50=500分、つまり8時間以上も頭を守ってくれることになります。
最近は、遮熱効果のある帽子や日傘も人気を集めています。
紫外線だけでなく、暑さも軽減してくれるアイテムは、夏を過ごすうえでとても心強いですよね!

男性も日焼け止めの使用を忘れずに


朝、日焼け止めを欠かさず塗るという男性は、女性に比べるとだいぶ少ないのではないでしょうか。
美白や美肌に対する興味が薄いことや、ある程度黒い方が男らしく見える、カッコイイと思われることも原因のひとつかも?
しかし、紫外線の一番の問題は、夏の間に肌が黒くなることではありません。
細胞や遺伝子が傷つき、将来的にシミやシワ、イボ(良性腫瘍)ができたり、最悪の場合は皮膚がんができたりすることも。
皮膚中にメラニンが少ない白色人種に比較すると、黄色人種である私たちは、皮膚がんの罹患率は低いといえます。
しかし、日焼けをした時に赤くなりやすく黒くなりにくいタイプの人(白い肌の人に多いといわれています)は、紫外線感受性が高いタイプの肌を持っているため、なるべく紫外線対策に気を配るようにしましょう。
米国皮膚科学会の調査によると、日ごろからUVケアをしていない男性の方が、女性よりリスクが2~3倍も高いとのこと。
また、「健康的な日焼けなどはなく、危険である」という認識を持っている男性は56%で、76%であった女性より20%も低い結果となっています。
(出典:米国皮皮膚科学会HP https://www.aad.org/public/diseases/skin-cancer/types/common/melanoma/men-50)
まずは日焼けについて正しい知識を得ることが、男性にとっても女性にとっても肌を守る第一段階といえそうですね。

いくら美白には興味がなくても、シワだらけやシミだらけになるのは避けたい、若々しくいたいという男性も多いのではないでしょうか?
クリームの閉塞感やべたつきが苦手という男性もいらっしゃると思いますが、最近は軽い使用感の日焼け止めもたくさん出ています。
スポーツをやるときに手がべたつかないので邪魔にならず、かつ汗に強いといったアスリート向けの日焼け止めなんていうのもあります。
憧れのアスリートと同じ日焼け止めを使うとなったら、テンションアップしますよね!
自分の肌の状態やTPOを考え、目的に合ったものを探してみましょう!

日焼け対策は、老若男女、そして顔だけでなく全身に必要です。
あなたのケアは万全といえますか?
本格的な夏が到来する前に、一度見直してみましょう!

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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