私が得た情報は本当に正しいの?DHMOの恐怖から考える正しい情報を見極める10か条

さまざまな美容情報や健康情報があふれ、簡単に手に入る世の中。
「〇〇フリー」と謳われると、〇〇が悪いものに思えたり、逆に「〇〇配合!」と謳われると〇〇が良いものに感じたり。
あなたが今日、目にした情報。
それは本当に信じられるものなのでしょうか??

騙されないで! DHMOの恐怖


今回はひとつあなたに伺いたいことがあります。
あなたは、DHMOって成分をご存知ですか?
知らない方や聞いたことがないという方も多いと思いますので、まずは、DHMOの説明をしたいと思います。
水酸の1種で常温では液体、色はほぼ透明で、においも味もあまりありません。
固形状の DHMO に長時間触れることによって体組織障害を起こすことがあり、場合によっては火傷のような症状を起こします。
また、液体の状態の時に吸引すると、死亡する恐れがあります。
日本では、毎年700名ほどの方がDHMOを吸引することによって亡くなっています。
酸性雨の主成分であり、地形を侵食させるなど、環境にも影響を与えます。
さまざまなものの腐敗を進行させたり、錆つかせたりすることもあります。
さらに、末期がん患者から切除した悪性腫瘍からも検出さるという物質です。
なんと、恐ろしいことにDHMOを拷問に使用している国さえあります。
さて、このDHMO。
現在は溶媒や冷却材として工業用に使用されることも多いのですが、実は多くの化粧品にも配合されています。
市販の化粧水や乳液、美容ジェルやクリームなどにはほぼすべての製品に配合されているといっても過言ではありません!

あなたは、DHMOを使用した化粧品を購入したいと思いますか?
「DHMOって、怖い!」
「DHMOを配合した製品なんて、買いたくない!」
と思われた方、いらっしゃいませんか?
そうですよね、DHMOって本当に恐ろしいですよね~。
・・・といいたいところなのですが、実は、これは1990年に考案されたジョークを元にしたもの。
DHMOとは、Dihydrogen Monoxide(ジハイドロジェン・モノオキサイド)の略称で、ジ=2、ハイドロジェン=水素」と「モノ=1、オキサイド=酸素」で一酸化二水素のこと。
つまりH(水素)が2つにO(酸素)がひとつ=H₂Oを表しています。
皆さん、もうお分かりですよね?
DHMOとは「水」のことなのです!
「水」だと知ったうえでDHMOの説明文を読むと「なーんだ」と思われるかもしれませんね。

ネタばらしの前に、DHMOの正体がわかってしまった方!
あなたはそのすばらしい洞察力を誇りに思ってもいいかもしれません!
なぜなら、1997年にアメリカ人の14歳の少年が、DHMOの規制法案について成人50名に署名を頼んだところ、なんと43名が署名し、6名が回答を保留、DHMOの正体を見破ったのはたった1人だけだったそうです。
DHMOについての説明は、恐怖心をあおるような表現ではありますが、ウソはひとつもありません。
話し手が事実のみを提示していたとしても、そのやり方によっては、聞き手を自分が思うように誘導できてしまうのです。
また、どのようなものにも、多少のリスクがあることもわかります。
私たちは水を飲まないことには生きていけません。
しかし、水を吸引してしまうと死につながることも事実です。
水を含んだ化粧品を使うときに水死のリスクを考える人はいないと思いますが、プールに入るとなれば異なりますよね。
同じ「水」に関する情報であっても「その情報がどのような状況で、何のために得られたものなのか」「その情報を自分がどう受け止めるのか」が重要になるのですね。

その情報は、本当に正しいの? おびただしい量の情報が手に入る中で考えたいこと


現代はインターネットの発達によって、個人が入手できる情報の量は莫大になっています。
世界中から発信される情報に、誰でもすぐに手軽にアクセスすることができます。
美容や健康の情報も、ネット上には「インフルエンサーや芸能人が勧める情報」から、「さまざまな角度から検証され、複数の専門家が認める情報」までが広がっており、まさに玉石混淆。
その情報をどう自分に取り入れるか、自身の洞察力や判断力が問われているのではないでしょうか。
数多の情報をどう取捨選択するかは、厚生労働省の『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』のHPにおいて「情報を見極めるための10か条」がまとめられており、参考になると思いますので紹介しますね。
1.「その根拠は?」とたずねよう
2.情報のかたよりをチェックしよう
3.数字のトリックに注意しよう
4.出来事の「分母」を意識しよう
5.いくつかの原因を考えよう
6.因果関係を見定めよう
7.比較されていることを確かめよう
8.ネット情報の「うのみ」はやめよう
9.情報の出どころを確認しよう
10.物事の両面を見比べよう
(出典:厚生労働省eJIM https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint/)
「〇〇を塗ると美肌になる」
「〇〇を食べると痩せる」
という情報があったとして。
その情報は、いつ・誰が発信したのか?
きちんとした根拠はあるのか?
反対派の意見は?
など、実践したり他人に勧めたりする前にいろいろと考えてみるようにしましょう。

キレイ研究室も、情報を発信する側として、情報の出し方・見せ方など、常に勉強していきたいと思っています。
また、「〇〇って本当に悪いものなの?」「〇〇って本当に肌にいいの?」など、ご質問がありましたら、キレイ研究室まで、どしどしお寄せくださいね!

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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