五月病にならないためにできること。「まず規則正しい生活や自分に合った生活リズムを知っておく」ということ。

なんとなくやる気が出ない、些細なことで落ち込んでしまう…もしかしてこれって五月病?
今回は、株式会社コレットの代表でマインドトレーナーの田中よしこさまに五月病についてお話を伺いました。

五月病とはそもそもどういうもの?

 
3月や4月から新学期がスタートしたり、就職や転職でライフスタイルの変化の後の不調が現れてくるのが5月GW前後。
慣れないうちに無理に合わせようとしているストレスが表に出てきてくれている状態です。
「頭では頑張りたい」けど「心の元気」が足りなくなってエネルギー不足を教えてくれているのです。
また、仕事の内容や環境が自分に合っていないために、「適応障害」を起こしていることもあります。
五月病は、正式な医学用語ではありませんが、一般に、この季節に学生や新入社員に起こりやすいため、こう呼ばれています
(出典:大阪医師会HP https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv85.html)。

どんな症状がどこに出るの?

 
クライエントさんに多い症状は、やる気が起きなくてだるい・先週まではそんなに嫌ではなかった通勤や会社がものすごくストレスに感じて身体が動かない。食欲がない。という分かりやすい症状から、身体はそんなに動かしてないのに疲れている・眠れなくて辛い・ささいなことで落ち込んで何日も引きずってしまうという方もおられます。
ご家族にあたってしまったり、お友達と楽しく出かけれないという影響も出てそんな自分を責めて更に落ち込んでいる人がほとんどです。
そして、原因がよく分からないので「このままどうなるのか」という不安が大きくなって、ぐるぐると不安を考え続けたり、将来まで良くない想像をして辛い思いを抱えている方もおられます。

五月病になりやすい人はいる?

 
完璧主義や責任感が強い方、人と関わるのに苦手意識がある方は特に気を付ける必要があります。
先にお伝えしたように、環境が変わって新しい状況になれるのには人間であれば誰でも時間がかかります。
完璧主義や責任感が強い人はすぐになれないといけない・迷惑をかけてはいけないという思いが強くて自分に無理を押し付けがちなんです。
例えばあるクライエントさんは「先輩は忙しそうだから聞けない」「質問するとダメな新人と思われる」と感じていて人に頼まずに分からないままたくさん仕事を抱えてしまっていました。
必然的に残業も多くなるし、孤独も不安も増してしまって毎日涙が出るまでになってしまったんです。

それから、社交的な人と一人が落ち着く人とそれぞれ得意分野のタイプがあります。すぐに仲良くなれる人とそうでない人。
親しい人間関係をつくりたい人とそれなりの距離がある方が心地がよい人もいます。
人間関係も「すぐに仲良くしないと」とか、「コミュニケーションをちゃんと取らないと」というプレッシャーを感じている人もストレスが上乗せされ続けてしまうので気をつけましょう。

五月病にならないためにできること

 
まず規則正しい生活や自分に合った生活リズムを知っておくのはとても大切です。
ストレスを抱えると、食べることでドーパミンが出るのでその「快」を追い求めてしまって暴飲暴食をしてしまいがちですが、身体には(特に胃腸には)負担がかかり逆効果です。
太陽は私たちを元気にしてくれる素晴らしい特効薬です。
日差しの気持ちよさを感じながら深呼吸をすると気持ちが落ち着くだけでなく、癒し効果もアップするのでオススメです。
具体的に手軽にできるものとしては10分程度の散歩、深呼吸、不安に感じている時は知らないうちに肩や背中にチカラが入っているのでストレッチで血流をよくしてあげましょう。
手軽にできるものが動画共有サイトなどにたくさんアップされているので、リラックスできる自分に合ったストレッチを探してみましょう。

好きな香りのお風呂につかるのもとても良いです。
食べ物はセロトニンが含まれるものがオススメです。セロトニンは安心感・幸福感を出してくれる脳の伝達物質の名前。
鬱の方はセロトニンが極端に少ないことが報告されています。
そんな素敵な物質が多く含まれている食べ物はこちら。
大豆・バナナ・マグロ・豚ヒレ肉・卵・ナッツ・アボカド・チーズや脱脂粉乳(スキムミルク)などの乳製品があります。
眠れない・夜に不安が大きくなるという方には、人肌にあたためたスキムミルクを飲んだり、朝ごはんにバナナを食べるようにアドバイスしています。

それから、1番大切なのは自分なりのストレス発散方法を持っていることです。
人に会って話してスッキリする人や、ダンスなどで身体を動かしたい人、1人の時間をゆったり味わうことでスッキリする人もいます。
自分に合った方法を見つけて、疲れやストレスを感じたときに試しましょう。
暴飲暴食や欲しくもないものを買ってしまってお金を散財してしまうような買い物は既にストレスが溜まっている状態なので、早めに気づいてあげられるようにしましょう。
ストレスをうまく発散できるライフスタイルを楽しんでいる人は、五月病だけでなく、落ち込み自体も少なく人生を楽しく過ごせます。

[執筆者]

田中よしこ
株式会社コレット 代表取締役
マインドトレーナー
幼少期に母親からの虐待を経験した虐待サバイバーである自分が、自己肯定感マイナスの状態から手探りでを立て直したという自身の経験を活かし、10年間で多くの方の人生を対面の完全個別セッションで好転させてきたマインドトレーナー。
経験と脳科学と心理学をベースにした独自の個別セッションを提供している。
クライエントは全国・海外にも。監修記事はananやar雑誌他webメディアに掲載あり。
著書:『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい(角川書店)』は、翻訳本が韓国・タイでも出版される。

株式会社コレット
https://smilelabo-collet.com/

関連記事一覧