
振られた相手にもう一度アプローチしてもいい?視点を変えてあなたの幸せを考えることが大切です
誰かのことを好きになっても、必ずしもその思いが受け入れられるとは限りませんよね。
振られたり、断られてしまったりしたとき・・・再度、相手にアプローチしてもいいのでしょうか?
今回は、実際に結婚相談所SMART BRIDALの代表で恋愛婚活心理学者の吉野麻衣子さまに、ご相談を基にお話を伺いました。
今回受けたご相談・・・振られた相手に再アプローチするのはアリ?ナシ??
「振られた相手に再度アプローチしてもいいもの、と私は思っているのですが、友達には絶対やめておけと言われました。友人は『辛い思いをまたするだけだよ?』と言ってきます。
でも私は『納得するまでアプローチしきらないと未練が残りそう』と思っています。私はどうすればいいのでしょうか?」
恋愛婚活心理学者の吉野麻衣子です。
今回、このような切実なご相談をいただきました。一度は終わってしまった恋。
それでも、心の炎はなかなか消えてくれない。
ご友人の現実的なアドバイスも、頭では痛いほど理解できる。
けれど、どうしても心が「諦めたくない」と叫んでいる・・・。
その葛藤の中で立ち尽くすお気持ち、本当によく分かります。
数多くの恋愛や婚活のご相談に乗ってきた心理学者として、そして同じ一人の女性として、今日はこの永遠のテーマに真正面から向き合いたいと思います。
これは、単に「イエス」か「ノー」かで答えられる問題ではありません。
あなたの心の奥底にある感情を丁寧に紐解きながら、あなたが未来の自分にとって最良の選択をするためのお手伝いができれば幸いです。
驚愕の事実。なぜ復縁カップルの7割は、再び別れを選ぶのか
まず、少し厳しいデータからお話しなければなりません。
私がこれまでのカウンセリングで見てきた中で、一度お別れしたカップルが復縁に至った後、その関係が長続きせず、再び別れを選んでしまうケースは、実に7割以上にのぼります。
「でも、私たちの場合はきっと違う」「今度こそうまくいくはず」
そう信じたい気持ちは当然です。しかし、この高い確率には、無視できない心理的な理由が隠されています。
1.別れの「根本原因」が手付かずのまま放置されている
そもそも、二人が別れを選んだのには、必ず理由があったはずです。
それはささいな喧嘩の延長線上にあるものではなく、もっと根深い「価値観の不一致」「将来設計のズレ」「コミュニケーションのすれ違い」といった、関係の土台に関わる問題であることがほとんどです。
これらの根本原因は、冷却期間を置いただけでは自然治癒しません。
問題を直視し、お互いが変化を受け入れるという相当な覚悟と努力がない限り、復縁したとしても同じ壁にぶつかり、同じ理由で関係を終えることになるのです。
2.「記憶の美化」という魔法にかけられている
別れた直後はあんなに辛かったはずなのに、時間が経つと不思議と楽しかった思い出ばかりが蘇ってくる。これは一体なぜなのでしょうか。
心理学には「ピーク・エンドの法則」というものがあります。これは、人が過去の出来事を思い出すとき、感情が最も高ぶった瞬間(ピーク)と、物事の最後の瞬間(エンド)の印象で、全体の良し悪しを判断してしまう傾向のことです。
例えば、旅行を思い出すとき、道中のちょっとしたトラブルは忘れて、一番景色が綺麗だった瞬間(ピーク)と、旅の終わりの満足感(エンド)だけが強く記憶に残っていませんか?
恋愛もこれと似ています。別れの辛さ(エンド)が時間と共に少しずつ和らぐと、日常の些細な喧嘩やすれ違いは記憶の彼方に追いやられ、楽しかった記念日や最高のデート(ピーク)の記憶だけがキラキラと輝き始めるのです。
これが「記憶の美化」の正体です。
3.「変わった」は、多くの場合「演じている」だけ
「彼、前より優しくなった」「私の大切さを分かってくれたみたい」
再アプローチの過程で相手の変化を感じると、希望の光が見えたように感じますよね。
しかし、人間の本質的な性格や価値観は、数ヶ月程度で劇的に変わるものではありません。
その「変化」は、あなたを取り戻したいがための、あるいは気まずい関係を円滑にするための、一時的な「演技」である可能性が高いのです。
本当に人が変わるには、それ相応の出来事や内省、そして長い時間が必要不可欠です。
その「諦めきれない気持ち」、本当に「愛」ですか?
次に、あなた自身の心の中を深く見つめてみましょう。
再アプローチしたいと強く願うその気持ちの源は、本当に純粋な「愛情」だけでしょうか。
実は、私たちの心はもっと複雑で、別の感情が隠れていることが少なくありません。
■「負け」を認めたくないプライドと執着
「振られた」という事実は、一種の「敗北」のように感じられることがあります。
「あんなに尽くしたのに」「私の何がダメだったの?」という思いが、いつしか「このまま終われない」「私の魅力を認めさせてやる」という、意地や執着にすり替わってしまうのです。
これは愛情ではなく、傷ついた自尊心を守るための防衛本能に近い感情です。
■「サンクコスト効果」という名の呪縛
「これまでに費やした時間やお金、感情が無駄になってしまう」と感じ、関係を終わらせることに強い抵抗を感じていませんか?
この心理を「サンクコスト(埋没費用)効果」と呼びます。
これは、ある対象に時間やお金、労力をかければかけるほど、「今さらやめられない」「もったいない」と感じて、やめる決断ができなくなってしまう心理のことです。
例えば、途中で「あまり面白くないな」と感じた映画でも、「チケット代を払ったんだから」と最後まで席を立たずに見てしまう。
これと同じ心理が恋愛でも働きます。
「3年も付き合ったんだから」「あんなに彼に尽くしてきたのに」・・・。
その『これまで』にかけたコストが、あなたの冷静な判断を曇らせていませんか?
でも、考えてみてください。
これから先のあなたの貴重な時間を、もう未来がないかもしれない関係に使い続けることの方が、本当はもっと「もったいない」ことなのかもしれません。
■「他に選択肢がない」という漠然とした恐怖
「この人を失ったら、私はもう一人になってしまうかもしれない」「彼以上に好きになれる人なんて現れない」という孤独への恐怖。特に、恋愛が生活の中心になっていた方ほど、この感情に苛まれがちです。
しかし、それはあなたの世界が、彼という存在を中心にあまりにも小さくまとまってしまっている証拠。
一歩外に踏み出せば、世界はあなたが思うよりもずっと広く、新しい出会いの可能性に満ち溢れています。
再アプローチを決断する前に。あなた自身に問うべき5つの質問
ここまで読んでもなお、「それでも、私は彼ともう一度向き合いたい」と思うかもしれません。
その覚悟が本物であるならば、私は無理に引き止めはしません。
ただし、行動に移す前に、必ず以下の5つの質問に、紙に書き出すなどして、正直に答えてみてください。
1)振られた「本当の理由」は何ですか?
相手が口にした言葉の裏にある、あなたが感じ取った本質的な原因は何でしょう?
そして、その原因は「今」、具体的にどう変化・解決しましたか?
2)最後に連絡を取ってから、どれくらいの時間が経ちましたか?
感情的な勢いで動いても、良い結果は生まれません。お互いが冷静に過去を振り返り、自分自身と向き合うためには、最低でも半年ほどの「完全な冷却期間」が必要です。
3)あなた自身に、彼とは関係のない部分での「成長」や「変化」はありましたか?
新しい趣味、仕事での成功、新しい友人関係など、彼のいない世界で得た自信や喜びはありますか?
同じあなたのままでは、同じ関係を繰り返すだけです。
4)相手に「変化の兆し」があると思える、客観的な事実はありますか?
「SNSのストーリーを見てくれた」「あの頃の自分とは違う」という相手から自分へのアクションではなく、自分が問題であると感じている相手の点について、「前はああだったけど、あの人、変わったよね」など、自分が確認していない中での、第三者から見て分かる様な明らかな事実での変化が伴っているかという点も大切です。
5)もし、もう一度きっぱりと断られても、笑顔で「ありがとう」と言える精神的な準備はできていますか?
二度目の拒絶は、一度目よりも深く心を傷つけます。
それでもなお、自分の気持ちに区切りをつけるために行くのだ、という強い覚悟はありますか?
「納得」への道は、一つではない
ご相談者様は、「納得するまでアプローチしきらないと未練が残りそう」とおっしゃいました。
そのお気持ちは、目標達成意欲が高く、物事に真摯に向き合う誠実な方だからこそ生まれる感情だと思います。
しかし、心理学的に見ると、本当の「納得」は、必ずしも再アプローチの成功の先にあるわけではありません。
むしろ、多くの場合、「前に進むと決断し、新しい幸せを見つけること」の中にこそ、本当の意味での心の平穏と納得が存在するのです。
考えてみてください。再アプローチに費やす膨大な時間と精神的エネルギー。
もし、そのエネルギーを自分自身のために使ったとしたら、何ができるでしょうか。
・新しいスキルを身につけるための勉強
・ずっと行きたかった場所への一人旅
・体型を整えるためのワークアウト
・新しい出会いが期待できるコミュニティへの参加
これらの行動は、すべてあなたの自己肯定感を高め、人生をより豊かにしてくれます。
そして、あなたが内側から輝き始めたとき、過去の恋愛が霞んで見えるほど素敵な出会いが、自然と引き寄せられてくるものです。
かのココ・シャネルは言いました。「20歳の顔は自然の贈り物。50歳の顔はあなたの功績」と。
恋愛における経験も同じです。
振られた痛みは、あなたをより深く、より強く、より魅力的な女性へと成長させるための貴重な贈り物なのです。
その経験から何を学び、どう未来に活かすか。その「功績」をどう作るかは、あなた自身の選択にかかっています。
結論:あなたの決断が、最高の未来を創る
振られた相手への再アプローチ。
それは、あなたの人生における一つの選択肢です。
もし、先ほどの5つの質問にすべて胸を張って答えられ、それでも挑戦したいという強い意志があるのなら、それはあなたの「けじめ」として必要なプロセスなのかもしれません。
しかし、もし少しでも迷いや不安があるのなら、一度立ち止まって、視点を変えてみてください。
「彼を取り戻すこと」だけが、幸せになる唯一の道ではないことに気づくはずです。
本当の「納得」とは、相手に受け入れさせることではなく、自分自身の感情と経験に、自分で意味と価値を与えることです。
「あの恋があったから、私はもっと素敵な女性になれた」
そう心から思える日が来たとき、未練は感謝に変わり、あなたの前には新しい扉が開かれていることでしょう。
執筆者
吉野麻衣子
株式会社SMART BRIDAL代表取締役社長/恋愛婚活心理学者/MBAホルダー
「MBA(経営学)・心理学・AI・オンライン」を融合させ、科学的根拠に基づく戦略的婚活をサポート。
43歳で14歳年下の3高ハイスぺ男子と再婚し、経営者としての視点と心理学の知見を融合させた独自メソッドで、多くの方の幸せな結婚を実現。
ミセスコンテスト世界大会優勝者としてモデル活動も行いながら、全国の独身男女の人生設計をトータルサポート中。
SMART BRIDAL
https://smart-bridal.com/