寒暖差疲労と更年期のセルフケアについてクリニック院長沢岻美奈子先生に伺いました

暦の上での春を迎え、寒暖差の激しいこの時季。
体調不良を感じたら、どんなセルフケアがおすすめ?
婦人科を受診したいけど、ハードルが高い、どんな時に行けばいいかわからない・・・と感じる方へのアドバイスについて、Takushi clinic理事長の沢岻美奈子先生による解説です。

春の不調に共通して効きやすいセルフケア

1)睡眠リズムを最優先
・平日・休日とも「起きる時間」をなるべく一定に(±2時間以内)
・起きたらカーテンを開けて5〜15分ほど朝の光を浴びる、これはとても大切です
・寝る2時間前からスマホ・PCは控えめに、画面も暗めに
・就寝前の「リラックス儀式」を1つ決める(ストレッチ・深呼吸・ぬるめの入浴・読書など)
2)服装・環境で寒暖差を減らす
・脱ぎ着しやすい重ね着(カーディガン・薄手ストールなど)を基本に
・首・手首・足首を冷やさない
・室内が暑く感じたら、こまめに上着を脱ぐ
・冷たい飲み物ばかりでなく、常温〜温かい飲み物をとる
3)食事で『土台づくり』
・主食+たんぱく質(肉・魚・卵・大豆)+野菜をセットに
・大豆製品(豆腐・納豆・味噌など):大豆イソフラボンがホルモンをサポートすると言われる
・ビタミンB群(豚肉・玄米・納豆など):疲労感・イライラ対策
・鉄分(レバー・赤身肉・あさり・小松菜など):不足するとだるさ・頭痛・動悸の原因に
・夕方以降のカフェイン・アルコールは控えめにし、睡眠の質を守る
完璧を目指さず、
「コンビニご飯にゆで卵とサラダを1品足す」
くらいからで大丈夫です。
4)軽い運動と深呼吸
・1日20〜30分程度のウォーキング(分けて歩いてOK)
・通勤でひと駅分歩く、エスカレーターを階段に変える
・仕事の合間に首・肩まわりのストレッチ
・4秒吸って8秒吐く深呼吸を、2〜3分
「気持ちいい」と感じる程度の軽い運動を、細く長く続けるのがコツです。

「婦人科はハードル高い・・・」と感じる方へ

こんな症状があったら、我慢しないで受診を
春は特に、仕事も家庭も忙しく、自分のことを後回しにしたり、「季節のせい」「年齢のせい」と我慢しがちな時期です。
でも、次のような症状があれば、一度婦人科に相談してよいサインです。
・月経周期が大きく乱れてきた(24日未満・39日以上が続く)
・経血量が急に増えた/レバー状の血の塊が増えた
・月経痛が年々ひどくなっている
・のぼせ・ほてり・急な汗、動悸が続き、仕事や家事に支障が出ている
・「生理前だけ」だったイライラ・落ち込みが、周期に関係なく続いている
・春になるたび同じ不調をくり返し、年々つらさが増している
「このくらいで病院なんて・・・」と思うかもしれませんが、
どれも『よくあること』ではあっても、「我慢しなくていいこと」です。

婦人科では何を相談すればいい?

完璧に説明する必要はありません。
例えば、こんなふうで十分です。
「ここ半年くらい、春になると頭痛やめまい、動悸が増えます」
「2〜3年前まで28日周期だったのが、最近は35日以上あくことが増えました」
「仕事中に急に汗が出て止まらず、困っています」
「眠れない日が増えて、日中の仕事に支障が出ています」
あらかじめ、
・月経周期
・症状が出るタイミング(いつ・どんなとき)
をメモしておくと、伝えやすくなります。
スマホのメモやアプリを見せるだけでも構いません。
どんな検査をするの?
クリニックによって違いはありますが、一般的には次のようなものです。
問診
→月経の状態、症状、生活状況などを聞かれる
血液検査
→女性ホルモン(エストロゲン)、FSH、甲状腺ホルモン、貧血の有無など
必要に応じて超音波検査
→子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣の状態などをチェック
これらで、
更年期(あるいはプレ更年期)によるものか
子宮の病気や甲状腺の病気など、別の原因がないか
を見極めていきます。

受診は「がまんが足りない」からではなく、「自分を大事にする一歩」

忙しい毎日の中で病院に行くのは、たしかにエネルギーがいります。
でも、
「年齢のせいだから」とあきらめて我慢し続けること
「この程度で受診するなんて・・・」と、自分のつらさを小さく扱うこと
このほうが、心と体には負担が大きくなります。
春のこの時期に不調に気づけたのは、
「体がちゃんとサインを出してくれている」
ということでもあります。
少しでも「おかしいな」「前と違うな」と感じたら、ひとりで抱え込まず、
「もしかして更年期やホルモンの影響かもしれません」
と、そのまま伝えてみてください。
それだけで、医師は原因の見当をつけ、必要な検査や治療、生活の工夫を一緒に考えていきます。
婦人科受診は、これから先の自分の体と、少しでもラクに付き合っていくための準備です。
春のゆらぎがつらく感じるときこそ、セルフケアに加えて「相談する」という選択肢も、ぜひ思い出してあげてください。

[執筆者]

沢岻美奈子先生
Takushi clinic 理事長
沢岻美奈子女性医療クリニック 理事長
産婦人科医

2013年
神戸で婦人科クリニックを開業。
女性検診や更年期を中心とした、女性のヘルスケア領域が専門
2025年
東京恵比寿に美容皮膚科・婦人科 Takushi clinic 設立

更年期ドックでの女性特有の健康評価をして、経験豊富な産婦人科女医が治療までワンストップで行う。心身の不調が特徴な更年期の揺らぎ世代を、統合医療でサポートする。
インスタグラムtakumina_clinicや、podcast「女性と更年期の話」、youtube「8時だヨ更年期全員集合」など情報発信もしている。

Takushi clinic(タクシクリニック)
https://takushiclinic.jp/

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