ストレスが肌に及ぼす影響とは?お肌と心の関係について

心と身体は繋がっている・・・。

見た目が若いと長生きするというお話を以前ご紹介しましたが、見た目がその人の内面を反映していることの妥当性が、心理学や認知科学の諸研究においても実証的に示されてきています。内面というのも、その人のパーソナリティや知性といった心に関すること、経済力やリーダーシップ、繁殖性などの能力に関するもの、そして遺伝子や病気、老化のような物質的なものなど、多様です。

肌に限定してみても、皮膚は心の表れなどと言われているように、心配事があると顔色がよくなかったり、肌に生気がなくなってきたりします。

肌を美しくするために、毎日スキンケアや食生活に気を配ることももちろんですが、“心の美容”についても気を配ることが、よりキレイな自分への近道であると言えます。

 

ストレスは美容の大敵!

肌の美しさにとって、毎日をご機嫌に過ごすこと、ストレスなどでイライラした生活を送らないことが大切です。実際に、ストレスを感じている方の実態を調査してみたところ、約4~5割の女性が高頻度にストレスを感じていることが分かりました。

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ストレスにより多くの皮膚疾患や皮膚症状が悪化することは経験的に広く知られていますが、メカニズムはまだ限られた情報しかありません。皮膚に関する研究においては、ストレスが皮膚に及ぼす影響として、炎症がひどくなる、かゆみが増す、感染しやすくなる、皮膚バリア機能の回復障害、毛髪への影響などが挙げられています。毎日ストレスを感じるような生活や、イライラしがちな生活を送ると、皮膚の状態自体が不安定になりさまざまな刺激を受けやすくなってしまうのです。

アンケート調査結果を集計してみても、ストレスを高頻度に感じている人の方が敏感肌だと認識する割合が多くなりました。アンケートによる主観的評価ではありますが、少なからずともストレスと肌の敏感度が関連していることを実感レベルで示しています。

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心と皮膚の深い関係

精神の状態が皮膚に影響していることは分かりましたが、なぜなのでしょうか。

実は、私たちの皮膚と神経は同じルーツを持ち、密接な関係があります。

赤ちゃんとなる受精卵は、お母さんのお腹のなかで細胞分裂を繰り返しながら成長します。3週目には3層の細胞層から成り立つ胚葉ができ、外側から外胚葉、中胚葉、内胚葉と呼ばれ、ここからさまざまな器官がつくられます。中枢神経(脊髄など)や末梢神経、感覚器(目や耳、鼻や表皮など)は外胚葉からつくられます。つまり皮膚も神経も外胚葉から出来てくるものなのです。そのため、皮膚病のなかには精神的要素に支配されているものも少なくありません。円形脱毛症は心配事があると生じてきたり、悪くなったりします。また、それを気にしている人ほど治りにくい傾向にあると言われます。また、精神的に緊張すると蕁麻疹が出てきて困ると言う方もいますし、笑うことでアトピー性皮膚炎の症状が快方へ向かうという研究報告もあります。

このように皮膚は私たちが日々感じている感情が表れてくるところ、つまり、皮膚は私たちの感情と共に、喜んだり、悲しんだりしているのです。

精神的に参るようなことがあったとしても、くよくよと思い悩まず、楽しむくらいの気持ちになるとよいですし、花や風景など、美しいものを見て、美しい香りを楽しみ、美味しいものを味わい、美しい音楽を聴き、気持ちのよいそよ風を肌で感じるなど、美しいものに五感で触れることもよいでしょう。また、疲れが溜まってくると、気分がイライラしてしまいがちですので、十分に休養をとるように心がけることも大切です。

出来るだけ毎日、明るい気持ちで楽しい生活を送っていると、皮膚はいつまでも生き生きとした美しさを保とうとしてくれます。

自分自身で工夫して、自分にあった方法で精神面から皮膚の健康を守る“心の美容”、今日から取り組んでみてはいかがでしょうか。

[文:キレイ研究室研究員 西川]
●アンケート調査
※本調査結果はキレイ研究室がおこなった、美容商品愛用者に対する調査結果です。
※実施:2015年11月20~12月20日、N=1,578
(20代:124名、30代:306名、40代:598名、50代:425名、60代:125名)
※掲載データ及び画像転載不可
※データのご利用希望の際は、キレイ研究室(コチラ)からお問い合わせください。

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