髪を傷める5つの原因!サラサラきれいな髪のためには。

美しい髪は、美人の絶対条件。

『女は衣装、髪かたち』なんていうことわざもあるとおり、美しい髪やヘアスタイルは、女性にとってはとても重要なものなのです。

今回は、ダメージから髪について考えてみたいと思います。

 

なるべく避けたい! これが髪を傷める原因!!

髪は死んだ細胞と表現されるとおり、一度ダメージを受けると肌のようにターンオーバーによって治癒したりダメージ前の状態に戻ったり……ということはありません。

個人差はありますが、毛髪は一か月に1cm程度伸び、30cmの長さになるのに2年以上かかっていることが分かります。

2年間の間にどれぐらいのダメージを受けるかを考えると、ロングヘアの毛先が傷んでしまうのは、仕方のないことかもしれません。

では、どうして髪は傷むのでしょうか?

 

①パーマ処理によるダメージ

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カール・ウエーブやストレート……おしゃれなヘアスタイルにはずせないパーマ。

一般的なパーマ処理は、最初に毛髪内のたんぱく質中のシスチン(髪の強度を保つ)による架橋(ジススルフィド架橋やシスチン結合などと呼ばれる)を還元反応によって切断し、次にロッドで巻くなどをして求める形に髪を変形させた状態で、酸化反応によりジスルフィド架橋を再び結合させておこないます。

簡単にいうと、『いったんバラバラにして、形を整えてもう一度つなぎ直す』というイメージでしょうか。

還元-酸化反応の際にたんぱく質が溶出してしまうことと、酸化(再架橋)処理の際にシステイン酸が生成され、100%元どおりに架橋することができないため、どうしてもパーマは髪にダメージを与えてしまいます。

 

②カラーリング処理によるダメージ

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白髪を染めて若々しく見せたり、ファッションに合わせて好みの色に変えたり……と、カラーリングは流行というよりはすでに定番といえるかもしれません。

カラーリングにも種類がありますので、今回は最もダメージの原因となりやすい永久染毛についてお話しします。

永久染毛も髪の色の元ともいえるメラニン色素を脱色するのに酸化反応が利用されているため、パーマ処理のときと同様、システイン酸の生成が起こってしまいます。

また、染色方法によっては酸化反応を起こしやすくするため髪をアルカリ性にすることもあるため、たんぱく質の分解や溶出が起こりやすく毛髪の内部に空隙ができてしまうことも。

さらに、キューティクルのたんぱく質に結合し、保護する役割を持つ脂質の層(Fレイヤー)も、アルカリ条件下で切れやすくなってしまうため、髪の手触りやツヤの低下、もつれやすくなるといった、カラーダメージに多い現象が起こりやすくなってしまいます。

 

③紫外線によるダメージ

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紫外線の対策というと肌への影響が浮かぶ方が多いかと思いますが、実は紫外線は髪にもダメージを与えます。

紫外線を浴びることで、色が抜け赤っぽい髪になる(赤色化)が起こってしまうのです。

赤色化は、日光によってメラニン色素が分解されるために起こりますが、海水に濡れた状態だと更に起こりやすくなるので注意が必要です。

また、肌の光老化に相当する光劣化とも呼ぶべき現象が髪にも起こります。

紫外線の照射は毛髪内のシスチン結合にダメージを与えたり、キューティクル同士の接着剤であるCMCを失わせたりすることが分かっています。

 

④熱・湿度によるダメージ

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髪を乾かすときやスタイリングのときには、へアドライヤーやヘアアイロンといったアイテムが必須ですよね。

毛髪の主成分であるたんぱく質は、150℃以上になると明らかな変性や分解が起こります。

プロ仕様のヘアアイロンは、設定温度が180℃以上になるものもあるため、使用する際には注意が必要です。

ヘアドライヤーを使用した場合、通常は100℃を超えるぐらいになるといわれていますが、この程度だとドライヤーでは熱によるダメージはあまり受けないのでは、と思うかもしれません。

しかし、塗れて水分を含み、髪が膨潤した状態から熱風を当て、急速に乾燥させると、髪の表面が乾燥して縮みますが内部は水を含み膨潤したままという状態になり、表面と内部で歪が生じてしまいます。

この結果、キューティクルの表面に亀裂が入る・浮くといったことが起こるのです。

また、髪は濡れると破断荷重が小さくなることがわかっています。

つまり、髪が濡れているときは引っ張られる力に弱くなってしまうのです。

特に、カラーリング処理などによってダメージを受けた髪が濡れているときは、弱い力で少し引っ張っただけで簡単に伸びて切れてしまうことも。

 

⑤摩擦によるダメージ

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ブラッシングやブローは、ヘアスタイルを整えるのには欠かせませんが、無理な力がかかると、摩擦に弱いキューティクルは次第に剥がれていってしまいます。

シャンプー時やタオルドライ時も同様、無理に力を入れて髪同士をこすり合わせたり、タオルで強くこすったりすると、摩擦がダメージとなります。

また、ブラッシングの際に起こる静電気がキューティクルにダメージを与えることもわかっています。

 

 

今回は、ヘアダメージが起こる原因についてお話ししました。

実際の髪では、このような原因がいくつも重なって、より深刻なダメージを引き起こすことも多々あります。

パーマやカラーリングは、ファッションには欠かせないものですし、光に全く当たらない生活や、熱や摩擦を完全に避けた生活というのも現実的ではないですよね。

生きていくうえで、ある程度のヘアダメージは仕方がないといえるのかもしれませんが、極力少なくするためには、普段から何を心がけるべきでしょうか?

次回は、ダメージの原因からヘアケアについて考えていきたいと思います。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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