今年も辛い・・どうして花粉症になるの?防ぐ方法は?そんなお悩みについて上原先生に教えていただきました
花粉の飛散量を毎日確認してしまうという季節ですね。
どうして花粉症になってしまうのでしょうか、なりやすい人はいるのでしょうか?
今回は、花粉症について湘南リウマチ膠原病内科の上原武晃先生にお話を伺いました。
花粉症にはなぜなってしまう? 発症を防ぐ方法はある??
花粉症は、免疫系の反応が過剰に働くことによって引き起こされるアレルギーの一種です。
通常、体内に入ってきた異物や病原体に対して免疫系は防御反応を起こし、それらを排除しようとします。
しかし、花粉症の場合、体内に侵入した花粉などの異物が本来ならば無害なものであるにもかかわらず、免疫系が過剰に反応して炎症を引き起こします。
この過剰反応は、体内で特定の抗体(IgE抗体)が過剰に産生され、それが結合したヒスタミンやその他の化学物質が炎症反応を引き起こすことで起こります。
花粉症の症状は、鼻づまり、くしゃみ、涙目、咳、喉のかゆみなどがあります。
花粉症の発症には、遺伝的要因や環境要因が関与しています。
家族歴に花粉症の人がいると発症リスクが高まることがあります。
また、特定の季節に特定の植物の花粉が多く発生する地域に住んでいる場合、その花粉に対するアレルギー反応を引き起こす可能性が高くなります。
花粉症の発症を防ぐには?
花粉症の発症を防ぐためには、花粉症を発症する前からできる限り花粉に暴露される量を減らすことが一つの予防法とされています。
具体的には以下の方法が有効です。
マスクの着用
外出時には、特に花粉の多い季節や場所では、マスクを着用することで花粉の吸引を減らすことができます。
室内の清潔
室内では、窓を閉めて換気を控え、エアコンや空気清浄機を使って花粉を取り除くことが重要です。
また、こまめに掃除をして花粉を取り除きましょう。
外出時の対策
外出時には、帰宅後に服や髪を洗い、花粉を取り除くことが大切です。
また、帽子や眼鏡・サングラスをかけて花粉の侵入を防ぐことも有効です。
花粉飛散情報の確認
花粉の飛散情報を確認し、花粉の量が多い日や時間帯には外出を控えるようにしましょう。
花粉症になりやすいのはどんな人?
花粉症になりやすい人や症状が重症化しやすい人にはいくつかの特徴があります
・遺伝的要因: 家族に花粉症が多くみられる場合、遺伝的な要因が関与している可能性があります
・アレルギー体質: 気管支喘息など他のアレルギー疾患やアトピー性皮膚炎などのアレルギー体質の人は、花粉症にかかりやすいことがあります。
・環境の影響: 過去にアレルギー反応を引き起こす環境要因(例: 空気汚染)にさらされていると、花粉症の発症リスクが高まることがあります。
・幼少期の生活習慣: 幼少期に特定の生活習慣や環境にさらされることが、後の花粉症の発症リスクに影響する可能性があります。
当てはまる人は気をつけて!花粉症が重症化しやすい人も
花粉症が重症化しやすい人にもいくつかの特徴があります。
・多重アレルギー: 花粉症だけでなく、他のアレルギーにも反応しやすい人は、症状が重症化しやすい可能性があります。
・治療開始の遅れ: 症状が現れた時期に早く適切な治療を開始しなかった場合、花粉症が慢性的になり、症状が重症化することがあります。
・長期間(時間)の曝露: 長期間(時間)にわたって花粉に曝露されている人は、症状が悪化しやすいことがあります。
・他の健康問題: 気管支喘息などの他の健康状態や免疫系の問題がある場合、花粉症の症状が重症化する可能性があります。
花粉症の症状はこんなにたくさん!
1)くしゃみ(くしゃみ連発):花粉症の典型的な症状で、鼻の粘膜が刺激されてくしゃみが頻繁に起こります。
2)鼻水と鼻づまり:鼻の中の粘膜が腫れて、鼻水が増え、また鼻づまりが生じます。
3)目のかゆみと充血:花粉が目に入り、かゆみや充血が生じることがあります。
4)咳や喉の痛み:花粉が喉や気管に影響を与え、咳や喉の痛みが出ることがあります。
5)全身倦怠感:症状が続くと全身的な疲労感が現れることがあります。
一般的な風邪症状と似た症状となるため、風邪なのか、花粉症なのかは自分では判断しくいことも多いです。
症状がひどくなってから薬を飲もう・・・は×!早めの対策を
花粉症の薬の中には使い始めてから最大の効果を発揮するのに1~2週間ほどかかるものもあります。
そのため、花粉の飛散時期から症状をできる限り和らげるためには、シーズンが始まる1~2週間前から花粉症の薬を使用するのが良いとの報告があります。
アレルギーの診療を主におこなっているアレルギー内科や耳鼻科を受診してしっかりとした薬を処方してもらうのがベストの対策といえます。
少しでも症状を軽くするためにできること
発症予防と同じく花粉症の症状を軽くするために以下の方法が良いとされています。
マスクの着用
外出時には、特に花粉の多い季節や場所では、マスクを着用することで花粉の吸引を減らすことができます。
室内の清潔
室内では、窓を閉めて換気を控え、エアコンや空気清浄機を使って花粉を取り除くことが重要です。また、こまめに掃除をして花粉を取り除きましょう。
外出時の対策
外出時には、帰宅後に服や髪を洗い、花粉を取り除くことが大切です。また、帽子やサングラスをかけて花粉の侵入を防ぐことも有効です。
花粉飛散情報の確認
花粉の飛散情報を確認し、花粉の量が多い日や時間帯には外出を控えるようにしましょう。
市販薬でもいい?それとも受診が必要??
受診の目安としては、以下のとおりです。
・症状が重い場合:症状が日常生活に大きな影響を与える場合、または自己処理が難しい場合は、早めに医師に相談するべきです。
・薬物療法が十分に効果的でない場合:市販のものを含めた薬物療法が充分に効果的でない場合や、副作用が気になる場合は、専門医に相談して治療法の見直しを検討することが重要です。
・アレルギー免疫療法の検討:重症の花粉症に対しては、アレルギー免疫療法が考慮されることがあります。これは、アレルゲンに対する免疫反応を改善する治療法です。
症状や治療法は個人差がありますので、具体的な状況に基づいて医師との相談が重要です。
執筆者
上原武晃先生
日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員
大学病院・市中病院を経て2019年神奈川県茅ヶ崎市に湘南リウマチ膠原病内科を開院。
2000例を超えるリウマチ膠原病専門診療の経験を通し、女性特有の関節症状の鑑別、リウマチ膠原病疾患の早期発見早期治療、専門ケアに注力した診療をおこなっている。
更年期など女性特有の体の不調、手や指のこわばりや関節痛などの診察のため、東京神奈川を中心に毎月1000人を超える患者さんと向き合っている。
湘南リウマチ膠原病内科
https://www.shonan-riumachi.com/