
汗・皮脂・毛穴をどうにかしたい!暑い季節のスキンケアは高温多湿の対策が必須です
毎年この季節になると、肌の不調を感じる方もいるのではないでしょうか。
汗や皮脂の分泌が増え、毛穴の開きやニキビ、ごわつき・・・。
「朝は調子がよかったのに、夕方にはテカリとメイク崩れでボロボロ」なんて声もよく聞きます。
今回は、株式会社move代表取締役 美容サロンを経営する植田千尋さまにお話を伺いました。
汗で肌が荒れるのはなぜ?「そのまま放置」が一番のNG
夏になると「汗で顔がかゆい」「首元やあご周りが赤くなりやすい」という声をよく聞きます。
実は、汗そのものが直接悪影響を与えるわけではなく、「かいた汗をそのままにしておくこと」が、肌荒れの大きな原因になるんです。
汗には、塩分・アンモニア・尿素などの老廃物が含まれており、肌に長時間とどまると皮膚のpHバランスを乱したり、刺激となってバリア機能を低下させたりします。
さらに、汗で湿った状態が続くと雑菌が繁殖しやすく、毛穴トラブルやかゆみ、赤み、ニキビにつながることも。
肌への摩擦を避けた「汗ケア」
まず、意識してほしいのが汗をかいたら、すぐ拭くこと。
外出時には柔らかいガーゼタオルや吸水性の高いティッシュ、汗拭きシートを常備しましょう。
ただし、ゴシゴシ拭くのは絶対にNG。
肌に刺激を与えないよう、押さえるようにして優しく拭き取ることが鉄則です。
汗が気になる部分は事前にバリアを作るのも有効。
たとえば、首元やひじの内側など汗がたまりやすい部分には、事前にベビーパウダーや保湿ジェルで肌表面をさらさらに整えておくと、汗と皮膚の直接的な接触を軽減できます(使用する際は成分や肌への影響をよく確認しましょう)。
帰宅後は早めの洗顔がおすすめ。
汗や皮脂は時間が経つほど酸化し、肌トラブルの原因に。
外出後は、なるべく早く顔を洗い、清潔し、化粧水+保湿アイテムで水分・油分のバランスを整えることが大切です。
意外な盲点としては、衣類の襟や帽子の内側です。
汗が染み込んだままだと、肌に触れるたびに刺激となることもあるため、汗ジミや湿気がこもりやすいアイテムはこまめに洗濯・交換を。
皮脂と毛穴の悩みには「洗いすぎ注意」|「やさしさ重視」の洗顔習慣
夏になると、皮脂や汗の分泌が増え、「毛穴が詰まってる気がする」「ニキビが出やすい・・・」と感じる方も多いですよね。
つい「しっかり洗って清潔に!」と力を入れてしまいがちですが、実はこれ、肌にとっては逆効果なんです。
皮脂は本来、肌を守る天然のバリア機能の一部。
強い洗顔料やクレンジングで必要以上に皮脂を取りすぎてしまうと、肌が「足りない!」と判断して、かえって皮脂を分泌してしまいます。
やさしく、でもポイントを押さえた洗顔習慣を
洗顔は朝晩2回までに。 特に朝は、皮脂や汗を落とすためにぬるま湯(32〜34℃程度)で十分な場合もあります。必要に応じて洗顔料を使い、泡立てネットなどでもこもこの泡を作り、手が肌に触れないくらいの力加減で洗いましょう。
クレンジングは「メイクの濃さに応じて選ぶ」のが基本。
ナチュラルメイクの日はミルクタイプやジェルタイプ、しっかりメイクの日はオイルやバームと、クレンジング力によってアイテムを使い分けることで、肌負担を減らせます。
タオルはこすらず、ポンポンと優しく押さえて水分を拭き取る。
洗顔後はすぐに化粧水→保湿ジェルや美容液※必要に応じて→乳液やクリームでうるおいを閉じ込めましょう。
水分と油分のバランスが整えば、テカリや毛穴目立ちも落ち着いてきます。
毛穴・ざらつき対策には「週1〜2回のスペシャルケア」
酵素洗顔は、古い角質やたんぱく汚れを分解する働きがあり、毛穴詰まりや黒ずみ対策に。
ただし、毎日使うと肌が乾燥することもあるため、週1〜2回の使用が目安です。
クレイパックや炭パックは、皮脂や汚れを吸着してくれる心強い味方。
洗顔後、Tゾーンや鼻周りなど皮脂が気になる部分に使うことで、すっきり感を得られます。
洗い流しタイプなら、肌に負担をかけにくくおすすめです。
いずれも、毎日行うケアではないのでスペシャルケアとして取り組んでみてくださいね。
テカリ対策には「皮脂と上手につき合う」「取りすぎない」が正解!
気温も湿度も高い夏は、朝しっかりメイクをしても、昼前にはTゾーンがテカってくる…そんな経験はありませんか?
特に外出先では「すぐ脂取り紙でゴシゴシ!」となりがちですが、実はそれが皮脂バランスを崩す原因になっていることも。
皮脂は、肌を乾燥から守る天然の保護膜としての働きもあります。
取りすぎてしまうと肌が「乾燥してる!」と勘違いして、さらに皮脂を出そうとするため、結果的にテカリが悪化する悪循環に。
日中のテカリ対策は「吸収+補整」のWアプローチ
脂取り紙より、ティッシュで軽く押さえるのがベター。
脂取り紙は吸収力が高いため、皮脂を根こそぎ取ってしまうことがあります。
皮脂が気になる部分には、ティッシュを折りたたんでやさしく「ポンポンと押さえる」ように使うのがおすすめです。
テカリの上からメイクの重ね塗りはNG。
そのままパウダーをのせるとヨレやムラの原因になってしまいます。
まずティッシュで余分な皮脂をオフしたあと、ルースタイプやプレストタイプのパウダーを、ブラシでふわっとのせると自然な仕上がりになります。
「日中用の仕上げ直しアイテム」をバッグに常備しておくと安心です。
たとえば、皮脂を吸着するタイプの部分用下地やコンパクトタイプのパウダーなどは、テカリが気になるタイミングでさっと使えて便利です。
アイテムは、自身の肌に合うものや使用感の好みで選んでみてくださいね。
朝のスキンケアでも「油分を抑えた保湿」を。
肌がうるおっていると、皮脂の過剰な分泌を抑えられます。
朝の保湿は、油分の少ないジェルやさっぱりタイプの乳液を選び、Tゾーンには少量だけ使用するなど、エリアごとの使い分けや使用量の調整もおすすめです。
夏の皮脂は「コントロールするもの」であって、「ゼロにするもの」ではありません。
自分の肌に備わった自然の機能を大切にしながら、「崩れてもリセットできる」ケアを持っておくことが、テカリに振り回されない夏のポイントです。
メイク崩れを防ぐテクニックは「密着力」と「引き算」がカギ
気温と湿度が上がるこの季節、朝どれだけ丁寧にメイクしても、昼には崩れてしまう・・・という悩み、よく聞きます。
私自身も、外出や打ち合わせがある日は「どうすればきれいな状態が続くの?」と試行錯誤してきました。
崩れにくいメイクには、土台となるスキンケアとベースメイクの見直しが効果的です。
朝のスキンケアに関しては、先ほどお話ししたので、ここではベースメイクについてお話しします。
1:厚塗りしない!
実は、下地やファンデーションは、厚く塗るほど崩れやすくなります。
シミなどを隠したい・・・と、顔全体に均一に塗るのではなく、隠したい部分はしっかりと、それ以外は薄目に塗布しましょう。
Tゾーンなどテカリが気になる部位は皮脂くずれに強いタイプ、頬や口元など乾燥が気になる部位は保湿力のあるタイプと、部位ごとに使い分けるのも◎。
また、ファンデーションはスポンジで「叩き込むように密着させる」ことで、持ちが良くなります。ブラシを使う場合も、摩擦を避けながら丁寧に乗せるのがコツです。
2:フィックスミストやパウダーで「仕上げを固定」
メイク後は、仕上げのフェイスパウダーで表面をサラッと整えると崩れにくさがUP。
特にテカリやすい小鼻や額は、小さめのブラシで少量ずつ丁寧にのせていくとナチュラルに仕上がります。
さらに、メイクの仕上げに「フィックスミスト」を活用するのもおすすめ。
肌に水分のベールを作り、メイクをぴたっと固定してくれます。
ただし、ミストの種類によって保湿重視・キープ重視など特徴が違うため、表示成分や用途を確認し、自分の肌タイプに合ったものを選ぶのがベターです。
「肌トラブル」を見直す時間=自分を労わる時間
夏は肌にとって試練の季節。でもだからこそ、日々のスキンケアを見直すことは、自分の心と体に向き合う大切な時間にもなります。
私自身も忙しさの中で肌の変化を感じた時、「ちょっと立ち止まって、生活や心の状態を整える」きっかけにしています。
肌は、私たちの心と体の「鏡」なのかもしれませんね。
今年の夏は、「がんばりすぎないスキンケア」を味方にして、自分らしい素肌で毎日を軽やかに過ごしていきましょう。
[執筆者]
植田千尋
株式会社move代表
静岡県磐田市出身。
元銀行員という安定志向のキャリアから一転、東日本大震災をきっかけに、「本当の理想の人生」を見つめ直し、23歳で起業を決断。
「エシカル×サスティナブル」がコンセプトのSelect Shop「style table」渋谷ヒカリエShinQs店や『#食べられるよもぎ蒸し』の美容サロンのオーナーであり一児の母でもある。
また、女性の自立・起業支援やライフデザイン講演会を実施。
20代更に挑戦したい人、30代でキャリアを考え直している人など、これまでに延べ1,000名以上の女性たちの人生に寄り添い、起業支援・理想の働き方・仕事と育児の両立の実現をサポート。
心豊かに生きるライフスタイル「諦めない生き方」を発信中。
植田千尋 Official Website
https://uedachihiro-official.com/