舌苔は取った方がいい?舌ケアのポイントについて、みずた歯科医院理事長楊先生にお伺いしました。

舌をキレイにすることが口臭ケアに重要というのは、皆さんご存じかと思います。
ですが、どんな状態が良くて、どの程度ケアすればいいのか、と聞かれるとちょっと困ってしまうのではないでしょうか。
今回は、みずた歯科医院理事長の楊義弘先生に、舌ケアのポイントについてお話を伺いました。

そもそもよい舌とは?

自由に動かしたり、形を変えたりすることのできる舌は、主に筋肉からできています。
この筋肉は2つに大別されます。
舌の形を変える内舌筋(ないぜつきん)と前後に動かす外舌筋(がいぜつきん)です。
舌は咀嚼、嚥下、発音だけでなく、味覚や知覚を感じる機能も兼ね備えた重要な部位のひとつといえます。
また、舌を動かす特定の癖によっては歯並びにも影響します。
良い舌とは、淡い紅色(ピンク色)で、白く薄い舌苔があると良い舌といえます。
色、発疹やひび割れなどがないか、舌苔有無など、一度、ご自身の舌の状態を確認してみましょう。

気になる舌苔・・・絶対取るべき?!

舌苔(ぜったい)とは舌の表面に付着する白い苔状のものです。
食べカスや粘膜のはがれ、唾液の成分、細菌などからなっています。
舌苔ができる主な原因は、口腔内の清掃不良、唾液分泌量の低下、口呼吸、舌の動きの低下が考えられます。また消化機能の不調や、栄養不足、免疫力の低下、喫煙、薬の副作用などといった口腔の原因でなく、身体全身の不調などが原因のこともあります。
舌苔は口臭などの原因になるため取ることをおすすめます。
しかし、何度も擦ってしまうと舌の粘膜を傷つけてしまうおそれがあるので頻度は1日に1回を目安にすると良いでしょう。
また時間帯は、就寝中に溜まりやすいので朝行うと良いでしょう。

舌ケアのポイント

舌苔は舌の表面の凹凸にはまりこんでいるため、マウスウォッシュを用いたうがいであっても取り除く事ができません。
専用の舌ブラシや、舌を傷つけないよう柔らかめの歯ブラシを用いて掃除すると良いでしょう。
また専用のジェルなどの販売があるので、特に口臭が気になる方、乾燥が気になる方は使用しても良いと思います。
ただし、歯磨き粉での代用は発泡剤や研磨剤が入っているため、舌磨きには向いてません。
舌を磨く際は、通常の歯みがき粉の使用は控えた方が良いでしょう。

ポイントは「酵素」!舌苔の付着を防ぐ、おすすめの食材があるって本当?

上記で述べたように薄い舌苔は良い舌の条件であるため、多少はついていても異常なことではありません。
舌苔の付着を防ぎたい場合は、舌苔が付着する原因を除去をすること(口腔内の清掃、口呼吸をしないようにするなど)が優先でしょう。
それ以外の対処法として蜂蜜の摂取や、キウイやパイナップルを食べる事が効果的だといわれています。
蜂蜜に含まれるプロテアーゼという酵素にタンパク質を分解する力があり、舌苔の除去に役立ちます。
また蜂蜜には殺菌作用があるため、舌苔を作り出す細菌の増殖を防ぐ効果もあるといわれています。
パイナップルのブロメライン、キウイのアクチニジンといった酵素が同様の働きをするため効果的といわれています。

ドライマウスに注意!

ドライマウス(口腔乾燥症)により舌も乾燥します。
そのため、良く噛んで唾液を出すこと、水分補給をしっかりと行うことはもちろん、うがい薬も用いることで口腔内をうるおすと良いでしょう。
また舌を動かすトレーニングをすることで口腔内の唾液腺を刺激し、唾液分泌量を増やす事により、口腔内の乾燥を防ぎましょう。
睡眠時の口呼吸も乾燥の原因となります。
朝起きたときに、喉や口腔の乾燥を感じる方は、睡眠時に口呼吸となっている可能性があります。
寝る時に口にテープを貼り、開かないようにして就寝すると、口呼吸の抑制に繋がったり睡眠の質の改善になったりします。
専用のテープも販売されていますので、気になる方は試してみても良いでしょう。

[執筆者]

楊義弘先生
歯科医師
みずた歯科医院 理事長

略歴
日本歯科大学卒。
都内歯科医院勤務後、みずた歯科医院勤務開始。
2019年よりみずた歯科医院継承、理事長就任。
丁寧で正確な治療を心がけています。
患者さんのご希望に添い、必要な治療についてわかりやすくご説明いたします。
どうぞお気軽にご相談ください。

所属学会など
日本成人矯正歯科学会
日本メタルフリー歯科学会
日本小児歯科学会  所属

みずた歯科医院 ホームページ
https://www.mizuta-shika.com/

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