肌に雑菌を塗り込んでませんか?化粧品の正しい使い方を覚えましょう。

化粧品は、肌を美しく整えたり、美しく魅せたり、私たちに自信を与えてくれる大切なアイテム。
毎日何気なく使っているそのスキンケアやメイクアイテム、正しく衛生的に使えていますか?
知らず知らずのうちに雑菌を繁殖させていたり、品質を劣化させてしまっている可能性もあるのです。
最近はSNSなどでの映えを意識するためか、あえて変わった使い方をして、注目を集めているような動画も見かけます。
今回は、化粧品を清潔に使うためのポイントと、間違った使い方によるリスクについて解説します。
美しさを守るために、今日から実践できる「正しい使い方」を見直してみましょう。

化粧品に雑菌が繁殖する理由

化粧品は水分や油分を含み、栄養のある成分も豊富なため、雑菌にとっては繁殖しやすい環境であるといえます。
基本的に製品化された時点では菌はほぼいませんが、使用方法によっては手や指を介して菌や皮脂、角層などが化粧品に付着し、温度や湿度によっては雑菌が増えてしまうこともあります。
容器の中は一見密閉されているように見えても、使用時のちょっとしたクセや取り扱い方によって、雑菌が入り込むことがあるのです。
最近は「防腐剤不使用」を謳っている製品もあり、このような製品を使用する場合は、特に使い方には注意が必要といえます。

キレイになるためのアイテムだからキレイに使おう!衛生ルール5選

1)チューブやノズルの先に触れない
最も大切なのは、清潔な手で使用することです。
しかし、それでも化粧水や美容液、クリームなどのチューブタイプやポンプタイプ、スポイトタイプの化粧品を使用する際、ノズルの先端に手や肌を直接触れないことが大切です。
先端に触れると、手や肌の常在菌や汚れが逆流し、容器内に入ってしまう可能性があります。
とくにニキビ用アイテムなどをピンポイントで塗布する際、つい患部にチューブの先を当てがちですが、それはNG行為。
綿棒などで取ってから患部や指に乗せるなど、ワンクッションを置きましょう。
肌に触れてしまったら、清潔なティッシュなどでふき取りましょう。
また、フタをするタイプの容器は、しっかりフタをすることも大切です。
2)一度出したものは戻さない
一度手のひらや指にとった化粧品を「出し過ぎちゃってもったいないから・・・」と容器に戻すのは絶対に避けてください。
化粧品と共に手についている菌や皮脂、微細なホコリなどごと容器に戻してしまうことになり、容器内の化粧品全体の劣化や腐敗を招く原因になります。
出し過ぎた分がもったいないどころか、化粧品全体がもったいないことになってしまうかもしれません。
適量を少しずつ出しながら使うように心がけ、「手に取った分はすべて使い切る」が基本です。

3)スパチュラやチップ、ブラシは毎回清潔に
ジャータイプのクリームや、リップ、アイシャドウなどで使うスパチュラやチップも、衛生面に気を付けたいアイテムです。
洗わずに何度も使い回していると、雑菌の温床になってしまいます。
・スパチュラは毎回ティッシュで拭き取り、定期的に洗浄する
・チップやブラシは週1回を目安に洗う
・アイシャドウチップなどは使い捨てタイプにするのも衛生的
洗浄に使用するのは、中性洗剤がおすすめです。
専用の洗浄剤もありますので、利用してもいいでしょう。
洗浄後はきちんと乾かしてから使用しましょう。
4)メイク中の「指使い」にも注意
メイクをしていると、無意識に顔に触れた指で他のアイテムを触ってしまうことがあります。
たとえば、ファンデを塗った後の指でアイシャドウを取る、複数のフェイスカラーを順番に同じ指でとるなど、ついやってしまいがち。
ですが、このような行動は汚れや菌を手持ちの化粧品に移す原因になります。
メイク中も手を清潔に保つか、コットンやブラシを併用するなど、直接触れる機会を減らしましょう。
5)正しい保管&使用期限を守ろう
化粧品は浴室や洗面所のような湿気の多い場所での保管は避けましょう。
気温や湿度が高いと、品質の劣化や変質、菌の繁殖リスクが高まります。
・直射日光を避ける
・高温になる車内に放置しない
・使い終わったらすぐにフタを閉める
といった基本の保管方法も再確認を。
製品や箱の裏面表示に記載されていることが多いので、しっかり確認しましょう。
また、正しく保管していればずっと使用できるというわけではありません。
基本的にスキンケア品は開封後半年〜1年以内に使い切りましょう。
メイク品では3か月〜1年程度が目安です。
アイメイクに使用するものは早めに使い切るようにしましょう。
期限が過ぎたと思ったら、思い切って捨てることも大切です。

間違った使い方をするとさまざまなリスクも

正しくない使い方を続けていると、次のようなトラブルにつながることがあります。
●肌荒れ・炎症の原因に
菌が繁殖した化粧品を使い続けると、肌に赤みやかゆみ、吹き出物などの炎症を引き起こすことがあります。
●品質の劣化や効果の低下
菌や空気に触れたことで、本来の保湿力や美容成分が変質し、働きが弱まることも。
性質が変化し、肌にダメージを与えることも考えられます。
劣化が進んだ化粧品は見た目や香りに変化が出ることもあるため、「においが変わった気がする」「こんな使用感だったっけ」「色が変わったような?」など違和感があれば、使用を中止しましょう。
●目や口元の感染リスク
とくにアイシャドウやマスカラ、リップなど、目や口の粘膜に近い部分に使うアイテムは感染症のリスクが高くなります。
家族や友人との共有は避け、使い方や保管にも細心の注意を。

どんなに高価でも、素晴らしい成分が含まれていたとしても、化粧品の使い方や管理方法が間違っていると、効果が半減するどころか肌トラブルの原因になってしまいます。
化粧品は、基本的には容器や内容物に合わせた防腐設計がおこなわれており、安心して使い切ることができるようつくられています。
しかし、雑菌や汚れが混入するような使用方法にメリットは一つもないため、なるべく避けましょう。
ちょっとした心がけひとつで、製品の効果を最大限に活かすことができるのです。
より「キレイ」な自分を目指すために、化粧品も「キレイ」に使いましょう!

[執筆者]

船木 彩夏
化粧品メーカー研究員

[出演情報]
2023.12.2 TBSラジオ:井上貴博 土曜日の「あ」

<資格>
・サプリメントアドバイザー
・健康管理士上級指導員
・健康管理能力検定1級
・日本化粧品検定 特級コスメコンシェルジュ

[監修]キレイ研究室編集部

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