歯ぐきが気になって笑えない。ガミースマイルについて歯科クリニック院長相原先生にお伺いしました。

笑顔に自信を失ってしまう原因のひとつ、ガミースマイル。
悩んでいる方も多いと思います。
なぜ起きてしまうのか、治療方法はどのようなものがあるのか?
今回はLily Smile Dental Clinic 院長 相原弘一朗先生にお話を伺いました。

ガミースマイルとは?

ガミースマイルという言葉を聞いたことがない方もいらっしゃるでしょう。
ガミースマイルとは、Gum(歯茎)+Smile(笑顔)が組み合わさった言葉で、笑った時に上唇の下の歯茎が大きく露出してしまう症状のことです。
一般的に、歯茎が3mm以上露出する状況をガミースマイルと呼んでいます。
笑顔になったときに、過剰に露出する歯茎を気にされる方が多いですが、実は見た目だけでなく機能性にも影響を及ぼすことがあります。

ガミースマイルになってしまう原因とは?

治療やケアを考えるにあたり、ガミースマイルが起きている原因を把握することは重要になるといえます。
ガミースマイルになってしまう原因は、主に3つ考えられます。
1:唇や口周りの筋肉の問題で歯茎が見える
2:歯茎自体の発達で歯茎が見える
3:骨格や歯並びの問題で歯茎が見える

ガミースマイルが自然に治るかというと、子どもであれば、永久歯への生え変わり時期など、成長に伴い改善される場合もあります。
しかし残念ながら、大人ではほとんどの場合自然に治ることはありません。
そのため、ガミースマイルで悩んでいる方は、適切な治療を受ける必要があります。
ガミースマイルの治療方法は、原因によって異なります。

原因別ガミースマイルの治療方法

1:唇や口周りの筋肉の問題で歯茎が見える方の治療方法
上唇の筋肉には、「上唇挙筋」と「上唇鼻翼挙筋」の2つの筋肉があります。
これらの筋肉が過度に発達したり、短かい場合には、笑った時に上唇が大きく上がってしまいます。
また、口輪筋の緊張が強いと、口角が上がりすぎてしまいます。
その結果、歯茎が露出してガミースマイルの状態になります。
このように、筋肉が原因の場合はボトックス注射による治療が効果的です。
筋肉の問題は、トレーニングである程度改善できる可能性がありますが、時間を要します。
・上唇粘膜切除術
上唇の裏側にある粘膜の一部を切除する治療法です。
上唇を内側に引っ込めることで、歯茎の露出を減らすことができます。
手術は口の中で行われるため、傷跡は表に出ません。
・ボトックス注射
ボツリヌストキシン製剤によって口輪筋の動きを抑制するする治療法です。
注射により筋肉を弛緩させ、上唇の上がりすぎを防ぎます。
効果は一時的なので定期的な施術が必要です。
症状によっては、上唇粘膜切除術とボトックス注射を併用する治療をおこなうこともあります。

2:歯茎自体の発達で歯茎が目立つ方の治療法
歯冠(歯の見える部分)が短い場合や、歯茎が大きく露出していると、ガミースマイルになりやすいです。
歯の大きさは遺伝的な要因が強く、歯茎の位置は歯周病が原因になることがあります。
このような場合、歯科的な治療でガミースマイルを改善します。
・歯冠長延長術
歯が短い場合に歯茎を切除して歯の見える部分を長くする治療法です。
歯茎を剥がし、不要な部分を除去した後、歯茎を縫合することで、歯冠の長さを伸ばします。
・歯肉切除術
歯茎の一部を切除する治療法です。麻酔をした後、歯茎の余分な部分を切り取り、形を整えます。
傷跡は目立ちにくく、治癒後は自然な口元になります。
縫合の必要がないため、治療期間が短く済みます。

3:骨格や歯並びの問題で歯茎が見える方の治療方法
上顎の骨が前方に突出していたり、過剰な垂直成長により上下の歯の距離が開いている、また、歯並びが乱れていて上唇が歯茎を十分に覆えない、といった原因によって目立つガミースマイルです。
骨格や歯列を調整する必要があります。
・上顎骨切術
骨格的な問題の場合に、上顎の骨を切断し後退させることで、歯茎の露出を減少させます。
手術は全身麻酔下で行われます。
入院が必要で治療期間は長くなります。
・歯列矯正
歯並びが原因の場合の治療法です。
ワイヤーなどを用いて歯の位置を調整し、歯並びを整えることで、上唇が歯茎を適切に覆うようになります。
装置の装着期間は数年にかかる場合もありますが、歯並びの問題も解消できます。

ガミースマイルは、その原因によって治療方法もさまざま。
悩んでいる方、コンプレックスに感じている方は、是非視界にご相談ください。

[執筆者]

相原弘一朗先生
Lily Smile Dental Clinic院長

患者を第一に考えた自由診療専門の歯科クリニックLily Smile Dental Clinicを開業。
診療方針は「患者本位」であることで、患者一人ひとりとしっかり向き合って質の高い診療を行うために、一部の処置以外は自由診療専門で行っている。
患者の気持ちに寄り添い、患者ご自身の意向・価値観にあった治療計画を提案し、納得いただけるまで丁寧に説明。
また、速さだけでなく正確で精密な治療を行わなければ意味がないと考え、視野が5倍に拡大される歯科用拡大鏡、または最大20倍に拡大される歯科用顕微鏡を用いることで見落としを防ぎ、より精度の高い治療の提供を行う。
更に、熟睡に近い状態で治療を行う「静脈内鎮静法治療」が可能。
眠っている間に治療が終わる「痛みのない治療」を実現、当日中に帰宅もでき、歯科治療が苦手な方に好評を得ている。
そして患者一人に対して2~3時間の治療時間を確保し、できる限り少ない通院回数での治療を目指している。

Lily Smile Dental Clinic
https://lilysmiledc.com/

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