【前編】花粉症になる人・ならない人がいるの?何が違う?アルバアレルギークリニック院長、続木先生に伺いました!
鼻がムズムズしたり、目のかゆみを感じたり。
そろそろ花粉の季節到来を感じる・・・という方も多いでしょう。
2回にわたり、花粉症についてアルバアレルギークリニック院長の続木康伸先生にお話を伺いました。
1回目の今回は、花粉症になってしまう原因や花粉症になる人・ならない人との違いや起こりやすい症状についてご説明いただきます。
花粉症にはなぜなってしまう? 発症を防ぐ方法がある??
花粉症は、「花粉」のアレルギーです。
アレルギー反応は、本来無害な物質に対して体の免疫系が過剰に反応してしまいます。
花粉症が起こる具体的なメカニズムは以下のとおりです。
1)感作段階
人が初めて花粉にさらされると、免疫系は花粉を侵入者と認識し、花粉に対する特定の抗体(IgE抗体)をつくります。
2)再曝露時の反応
花粉に再度さらされると、このIgE抗体が花粉を捕捉し、マスト細胞という免疫細胞を活性化します。
マスト細胞はヒスタミンや他の炎症を引き起こす物質を放出します。
3)症状の発現
ヒスタミンなどの物質が鼻や目などの組織に作用し、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、鼻づまりなどの症状を引き起こします。
花粉症のリスク要因には、遺伝的素因、環境要因、生活習慣などがあります。
都市化や生活環境の変化により、花粉症は近年増加傾向にあり、2030年には約半数の日本人が花粉症となります。
花粉症の発症を予防するためには、主に花粉に対する曝露を減らすことが重要ですが、体質の問題もあり現実的ではありません。
医師の指導のもと、必要に応じて予防薬を使用することもできますし、アレルギー専門のクリニックでは発症予防のために方法もあります。
花粉症になる人とならない人の違いってあるの?
どうして花粉症になる人とならない人がいるのでしょうか。
また、花粉症以外のアレルギー症状を持つ人は、花粉症になりやすいのでしょうか。
これらについては、以下の要因が関係しています。
1)遺伝的要因
花粉症や他のアレルギー疾患を持つ家族歴がある人は、遺伝的な要因により花粉症になりやすいとされています。
2)環境要因
都市部に住む人は、田舎に住む人よりも花粉症になりやすい傾向があります。
これは大気汚染や生活環境の違いに起因すると考えられています。
また、幼少期に農村地域で過ごすと、さまざまな自然の抗原にさらされることで免疫系が強化され、アレルギーになりにくくなるともいわれています。
3)他のアレルギー疾患の存在
アトピー性皮膚炎や喘息など、他のアレルギー疾患を持っている人は、花粉症になりやすいとされています。
これは「アレルギーマーチ」と呼ばれる現象の一部で、ひとつのアレルギー疾患が他のアレルギー疾患を引き起こしやすくすると考えられています。
さらに、不健康な食生活などがアレルギー反応を引き起こしやすくする可能性があります。
これらの要因は相互に影響を及ぼすことがあり、個々の人によって花粉症になりやすいかどうかのリスクは異なります。
また、これらはリスク要因であり、リスクが高いからといって必ずしも花粉症になるとは限りませんし、反対に、リスクが低い方が花粉症にならないというわけでもありません。
花粉症の症状ってどんなもの?
一般的には、目、鼻の痒み、くしゃみなどですが、咳や全身蕁麻疹など全身に症状が出ることも少なくありません。
また、花粉がついた皮膚があれたり、顔が腫れる、発熱するなどの症状もあります。
このため、昔はhay fever(枯草による発熱)と呼ばれていた時期もありました。
また、風邪などとかさなると、症状は同じのため、当然悪化します。
花粉症の方は、この時期に他の疾患に罹患しないように気を付けたいものですね。
今回は、花粉症になる原因と、なりやすい方についての違い、主な症状についてご説明いただきました。
まだ花粉症の症状がないという方は、なるべく花粉への暴露を防いだ方がよさそうですね。
次回は、自分でできる花粉症対策と受診の目安についてお話しいただきます。
執筆者
続木康伸先生
アルバアレルギークリニック院長
[経歴]
新生児から妊婦まで年間のべ1万人、九州や東京からも患者が訪れるアルバアレルギークリニック院長 。
Podcast:続木康伸の「知れば勇気が湧くアレルギー攻略講座」は、現在Amazon musicのおすすめにピックアップ中。
2023年3月「カズレーザーと学ぶ。」/日本テレビ 出演
アルバアレルギークリニックホームページ
https://alba-allergy-clinic.com/