シャープなフェイスラインにするには?姿勢の重要性についてきみえ歯科院長中村先生にお伺いしました。

フェイスラインをシャープにしたい・・・と思ったときに、顔のエクササイズをおこなうことは重要です。
ですが、実はやみくもにエクササイズをしても、なかなか思うような効果は得られないのです。
まずは普段の姿勢を整えるところが最初の一歩。
今回は、きみえ歯科院長の中村喜美恵先生に、姿勢の重要性についてお話を伺いました。

知りたくない・・・けど知っておくべき加齢による変化(老化)

どんな人間でも年を重ねていくと、成熟した後の体は加齢による変化、すなわち老化していきます。
個人差はありますが、年代別に起こってくることをまとめてみましたのでご覧ください。

20代:全身の細胞が成熟します
30代:皮膚が乾燥しやすくなり、小さなしわができはじめます
40代:頭蓋骨の萎縮が起こりはじめ、骨の上にきちんと乗っていた筋肉がずり落ちてきます
50代:血管の老化が進むなどにより血流が悪くなり、骨梁も減少してきます。また、血流が滞りがちになり全身の筋肉が硬くなってきます
60代:乾燥やコラーゲンの減少などにより皮膚の弾力が低下し、硬くなってきます

でも実年齢と見た目の年齢は必ずしも一致しないですよね。
若々しい人とそうでない人は、一体何が違うのでしょうか?
さまざまな要因があるとは思いますが、重要なことのひとつは「姿勢」です。

日常生活で気を付けるべきことは、姿勢!

40代になると頭蓋骨の萎縮が始まるといわれています。
骨密度が低下し始める年齢は、腰椎は61歳以上であるのに対し、顔面骨は40歳代から、つまり顔面骨の骨粗鬆症の方が随分はやく始まるのです。
『小顔になれる?!』と思われるかもしれませんがそうではなく、しわやたるみにつながったり、顔の印象が変化したりすると考えられます。
若い頃には程よく骨の上に乗っていた皮膚や筋肉が、頭蓋骨の萎縮により余り、ずり落ちてきて、しわやたるみの原因になると考えられるのです。
姿勢の悪さも、たるみや顔の歪みに影響すると考えられ、姿勢の悪い人は見ための老化が加速しがち。
正しい姿勢を保つことが重要です。
表情筋のエクササイズを行うこともおすすめです。
また、スキンケアの際には気を付けてほしい点があります。
しわの原因になりますので、皮膚を強くこすらないことを意識しましょう。
そのためには、スキンケアやマッサージの際、顔筋が付着している部分の骨面、あるいは顔筋をしっかり指の腹でとらえて、皮膚から指を離さないことが重要です。

丈夫な骨も、フェイスラインには重要です!

50代になると骨の梁構造が減少してきますので、それまでにしっかり骨を丈夫にしておくことが重要です。
かかと落としなどのエクササイズにより、頭蓋骨まで骨に刺激を与え、骨量を維持するよう心掛けましょう。
カルシウムやたんぱく質をしっかり摂り、バランスの良い食事を心がけましょう。
適量の紫外線を浴び、骨の形成に関わるビタミンDをつくることも大切です。

食事の際の姿勢や咀嚼も見直してみて

実は、姿勢はフェイスラインに大きな影響を与えます。
これを機会に、一度見直してみてはいかがでしょうか?

[1]食事の際の姿勢・咀嚼を見直して
毎日の食事の際の姿勢や咀嚼もフェイスラインに大きな影響を与えます。
正しい姿勢を維持しましょう。
足元を安定させて、姿勢を良くして咀嚼しましょう。
正しい姿勢をとることで、食事中に噛む回数が増えることが確認されています。
舌は胸、背中と繋がっているため、舌の動きも良くなり唾液も多く出ると考えられます。
姿勢が良いと、大臼歯での咀嚼を意識しやすく、、咀嚼による骨振動が顔面頭蓋全体に均等にに伝わることで、頭蓋骨の萎縮を抑え、しわやたるみの予防効果が期待できます。
反対に、姿勢が悪く、前かがみで食べると、大臼歯部ではなく前の方の小臼歯を使うことになります。それは頭蓋骨前方の萎縮を早めることになり、ほうれい線などのしわやたるみの原因になると考えられます。
最近よく見かけますが、スマホなど見ながらうつむいて食事をするのは、しわやたるみを加速させる行為です。
体を起こし顔を上げて、姿勢良くして噛むことで、キレイは作られます。

[2]普段の姿勢も重要!
全身はひとつながり、全身の皮膚も一枚です。
シーツのしわを広げるように、全身の皮膚をピン!と張って、まずはしわやたるみを伸ばしましょう。
また、全身の筋肉もひとつながりです。
姿勢が悪いと、広頚筋という表情筋が皮膚と一緒に垂れ下がるだけでなく、広頚筋が口角を下へ引っ張る力が更に強まるため、お顔のしわやたるみの原因となります。
また、下向きや前かがみの姿勢により、歯と歯が合わさるためくいしばりをしやすくなります。
咬筋(噛む筋肉)が緊張し、お口はへの字になり、更にふけたお顔になります。

上記のように誰にも起こる老化の進行を遅らせるためには、頭蓋骨の萎縮の程度をいかに最小限にとどめ、ずれ落ちてくる筋肉に血流とハリを与えるかを考えることが大切です。
頭蓋骨の萎縮の程度は、姿勢、咀嚼位置、咀嚼の仕方に大きく関わっています。
意外に思われるかもしれませんがまずは姿勢と咀嚼を見直してみましょう。

[執筆者]

中村喜美恵先生
きみえ歯科 院長
1988年京都大学薬学部卒業、大阪大学歯学部学士入学(専門課程編入)
1992年大阪大学歯学部卒業、大阪大学歯学部付属病院に勤務
2003年姫路市に「きみえ歯科」を開業

一般社団法人日本ホームヘルスコーチ協会認定ホームヘルスコーチ
アンチエイジング歯科学会認定医
糖尿病協会登録歯科医

お口と全身はひとつながり。口腔環境と全身の状態には密接な関係があります。
「健康に美しく!」をテーマに、予防を中心に歯科からの情報発信を続けています。

きみえ歯科
https://www.kimie-shika.com/

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