糖質・脂質・カロリー制限はどれが痩せやすい?おすすめのダイエット法をクリニック院長小倉先生に伺いました

メディアでは、さまざまなダイエット方法が取り上げられ、「簡単に痩せられる!」「誰でもマイナス5kg」などと謳われていたりします。
さまざまなダイエットに挑戦し、失敗したり、一度は成功してもリバウンドしたり・・・ダイエットの難しさを痛感している方も多いのではないでしょうか。
一番おすすめのダイエットとは?
金沢駅前内科・糖尿病クリニック院長の小倉慶雄先生にお話を伺いました。

巷にあふれるダイエット・・・何がいちばんおすすめ?

夏が近づくと、「今からでも痩せたい」「短期間で体を引き締めたい」と感じる方は少なくありません。
SNSや広告では、糖質制限、脂質制限、カロリー制限、置き換えダイエット、ファスティングなど、さまざまな方法が紹介されています。
しかし、医学的に見ると、ダイエットで大切なのは「どの方法が一番すごいか」ではなく、安全に続けられる方法かどうかです。
短期間で体重を落とすことだけを優先すると、体調を崩したり、筋肉量が減ったり、かえってリバウンドしやすくなることがあります。
今回は、糖質制限・脂質制限・カロリー制限の違いと、夏までに痩せたい人が避けるべき危険なダイエットについて解説します。

体重が減る基本は「摂取エネルギーを整えること」

体重を減らす基本は、食事からとるエネルギーが、日常生活や運動で使うエネルギーを下回る状態をつくることです。
つまり、糖質を減らす場合でも、脂質を減らす場合でも、最終的に摂取カロリーが適切に下がれば、体重は減りやすくなります。
一方で、糖質や脂質を極端にゼロに近づける必要はありません。
糖質も脂質も、体にとって必要な栄養素です。
問題は「とりすぎているかどうか」「質が偏っていないか」「長く続けられる食べ方かどうか」です。
実際、過体重の成人609人を対象にした研究では、健康的な低脂質食と健康的な低糖質食を12か月続けた場合、体重減少に大きな差はありませんでした。
大切なのは、低糖質か低脂質かという分類だけではなく、野菜を増やす、精製された食品を減らす、食事全体の質を上げることだと考えられます。

糖質制限が向いている人・注意が必要な人

糖質制限は、ご飯、パン、麺類、甘い飲み物、お菓子などを見直す方法です。
普段から主食の量が多い方、甘い飲み物をよく飲む方、間食が多い方では、糖質を整えることで自然に摂取カロリーが下がることがあります。
ただし、極端な糖質制限には注意が必要です。
主食をほとんど食べない生活にすると、食物繊維が不足したり、便秘になったり、疲れやすくなったりすることがあります。
また、糖質を減らした反動で、脂質の多い食品をとりすぎてしまうこともあります。
糖質制限をする場合は、「主食をゼロにする」のではなく、「量を整える」ことから始めましょう。
白米やパンを完全に禁止するよりも、食べすぎている分を少し減らし、野菜、きのこ、海藻、豆類、魚、肉、卵、大豆製品などを組み合わせる方が続けやすくなります。
糖尿病の治療中の方、妊娠中・授乳中の方、腎臓病などの持病がある方は、自己判断で極端な糖質制限を行わず、主治医に相談してください。

脂質制限が向いている人・注意が必要な人

脂質制限は、揚げ物、脂身の多い肉、バターやクリームを多く使った料理、スナック菓子、菓子パンなどを見直す方法です。
脂質は1gあたりのカロリーが高いため、揚げ物や高脂質なお菓子をよく食べる方では、脂質を控えるだけでも摂取カロリーを減らしやすくなります。
一方で、脂質を極端に減らしすぎると、食事の満足感が下がり、空腹感が強くなって続けにくくなることがあります。
また、魚、ナッツ、オリーブオイルなどに含まれる脂質は、適量であれば健康的な食事の一部として取り入れられます。
脂質制限も、すべての油を避ける必要はありません。
まずは、揚げ物の回数を減らす、脂身の多い肉を赤身や魚に置き換える、菓子パンやスナック菓子を頻繁に食べない、といった現実的な工夫から始めるのがおすすめです。

カロリー制限は基本。ただし「食べなさすぎ」は逆効果

カロリー制限は、ダイエットの基本となる考え方です。
ただし、「とにかく食べない」という方法はおすすめできません。
食事量を極端に減らすと、体重は一時的に落ちても、脂肪だけでなく筋肉や水分も減ってしまうことがあります。
筋肉量が減ると、基礎代謝が下がり、以前より太りやすくなることがあります。
また、強い空腹感から過食につながり、リバウンドしやすくなることもあります。
健康的に体重を減らすには、たんぱく質をしっかりとりながら、主食・主菜・副菜をそろえることが大切です。
食事を抜くよりも、甘い飲み物を水やお茶に変える、夜遅い間食を減らす、外食やコンビニ食では揚げ物を続けて選ばない、というような小さな調整の方が長続きしやすいでしょう。

結局、どれが一番続けやすく痩せやすい?

糖質制限、脂質制限、カロリー制限の中で、誰にとっても一番よい方法があるわけではありません。
最も大切なのは、今の食生活の中で「無理なく減らせるもの」を見つけることです。
たとえば、甘いカフェドリンクやジュースを毎日飲んでいる方は、まず飲み物を変えるだけでも効果が期待できます。
揚げ物やスナック菓子が多い方は、脂質を見直す方がよいかもしれません。
食事の量そのものが多い方は、カロリー全体を意識する必要があります。
つまり、痩せやすい方法とは、流行している方法ではなく、自分の生活に合っていて、体調を崩さずに続けられる方法です。

参考文献:
□Gardner CD, et al. Effect of Low-Fat vs Low-Carbohydrate Diet on 12-Month Weight Loss in Overweight Adults. JAMA. 2018.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29466592/

執筆者

小倉慶雄先生

金沢駅前内科・糖尿病クリニックは金沢駅から徒歩3分で「糖尿病」「肥満」「甲状腺」の専門的な治療を行っています。
糖尿病・肥満で悩んでいる、一人でも多くの手助けになりたい。
その思いで、患者様の生活スタイル・習慣と病状に合わせた最適な治療を提供します。

金沢駅前内科・糖尿病クリニック
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