
年末年始の挨拶の印象は「心の置き方」と「空気のつくり方」で変わります
年賀状の送付をやめ、メールやSNSなどで年末年始の挨拶をされる方も多いのではないでしょうか。
でも、いつまでに、誰に、どんな文面を送るか、ちょっと悩んでしまいますよね。
今回は、年末年始の挨拶について撫子Plus株式会社代表鮎永麻琴さまにお話を伺いました。

人間関係の構築に『年末年始のご挨拶』は重要!
年末年始は、仕事でもプライベートでも「今年一年のお礼」や「来年へのご挨拶」を交わす機会が増えます。
このタイミングでの振る舞いや言葉が、相手の記憶に長く残ることをご存じでしょうか?
私は客室乗務員として、世界中のVIP、経営者、文化人の方々と日々接してきました。
ファーストクラスを乗務した経験から感じるのは、
『好印象を与える人は、挨拶の一瞬に心を込められる人』
であるということです。
今日は、年末年始だからこそ意識すると一段上の印象になる、『元ファーストクラスCA流のご挨拶のコツ』をお届けします。
1.挨拶は「言葉の前に空気を整える」
一流のお客さまほど、言葉より『空気感』を敏感に受け取ります。
これは職場でも友人関係でも同じ。
挨拶をするときは、いきなり言葉を発するのではなく、まず一拍、相手に意識を向けることを意識してください。
・表情を柔らかくする
・相手の目線に合わせる
・会話のスピードをゆっくりにする
この「たった数秒の余白」が、相手を尊重する印象を強く与えます。
2.年末の挨拶は「感謝7:労い3」が品よく響く
感謝の気持ちを十分に伝えつつ、相手のこの一年の努力を自然に労う配分が理想です。
例:職場
「今年もたくさん支えてくださりありがとうございました。
〇〇さんのおかげで安心して仕事に取り組めました。
どうぞゆっくりお休みになってくださいね。」
例:友人
「今年も一緒にたくさん笑えて本当に嬉しかったよ。
お正月はゆっくりしてね、良い年を迎えてね。」
『労いを添える』だけで、印象は格段に上質になります。
3.新年の挨拶は「前向きな余白」を残す
新年の挨拶は、華やかでありながらも押しつけないのがポイント。
●おすすめのトーン
「また一緒にがんばれたら嬉しいです」
「今年もお会いできるのを楽しみにしています」
「良い時間をご一緒できますように」
強すぎず、軽すぎず。
余白のある言葉が『品』につながります。
4.SNSでの挨拶は「長すぎない」「丁寧すぎない」
今はオンラインでの挨拶も一般的。
ここでのマナーは、『丁寧さよりも、潔さ』です。
長文や過度な絵文字は、読む側に負担も。
SNSの最適バランス
・短く、美しく
・感謝と前向きさをひと言
・誰にでも同じ表現でOK(特定の誰かを感じさせない)
例:
「今年も本当にありがとうございました。
みなさんにとって素晴らしい一年になりますように。」
これだけで充分、且つ好印象です。
5.タイミングのマナー:年末は「27日までに」新年は「松の内までに」
本来の和のマナーとして、年末のご挨拶は早めに。
27日までに送るとスマートです。
新年のご挨拶は松の内(1/7頃まで)が美しいタイミングといわれています。
急ぎのメールやメッセージを除き、この時期を意識してみてください。
挨拶とは「言葉で贈る品格」「言葉選び」よりも心の置き方と空気のつくり方に現れるということ。
年末年始は、あなたの品格や温度がもっとも伝わりやすい季節です。
相手の一年を尊重し、新しい年の余白を大切にしながら紡ぐ挨拶は、それだけであなたの魅力をそっと引き立ててくれます。
どうか、今年の締めくくりと新しい始まりがあたたかく、美しく、心地よい時間になりますように。
[執筆者]

鮎永麻琴
大学時代にはプロスノーボーダーとしてW杯に出場し、世界ランキング20位を記録。卒業後は国際線CAとして13年間勤務。
現在は、コミュニケーションスキルと統計学を融合させた「コミュニケーション帝王学®」を体系化し、自分らしく生きるためのコミュニケーションの在り方や、他者との関わり方を伝えるオンラインアカデミーを開校。
また、2020年にはTEDxFukuokaで「自由への切符」というテーマで登壇。
2022年には書籍『Philosophy of Success 〜成功者の名言』において、成功者35人の一人として選出される。
撫子Plus株式会社
https://makotoayunaga.com/



