バイオレットライトは目に良い?ブルーライトとバイオレットライトの違いとは?

私たちに届く太陽光は、紫外線から赤外線まで、幅広い領域の波長をもっています。

そして、太陽光に含まれる紫外線が肌の老化に関わっているということをご存知の方もいるでしょうし、ブルーライトが目に良くないという話しを聞いたことがある方もいるでしょう。

今回は、中でも目に大きな影響を与えることが分かっている、ブルーライト・バイオレットライトについてご説明したいと思います。

 

ブルーライトが目に与える影響とは

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私たちは目を使ってものを見ています。

光が物体に当たり、跳ね返ってくる光を受けることで、物体の色や形、大きさなどを「見る」ことができるのです。

私たちが「見る」ことのできる光は、太陽光の中でも可視光線と呼ばれ、波長はおよそ380~770nmの範囲。

昆虫や動物では、見える波長の範囲が異なり、アゲハチョウなどは紫外線も見ることができるといわれています!

五感の中で視覚に最も頼っている私たちにとって、光というのはとても重要なものなのです。

可視光線

しかし、さまざまな光の中には、私たちの体にとって望ましくない影響を与えるものがあります。

強いエネルギーを持つ紫外線は、殺菌作用や皮膚でビタミンDをつくるなど、浴びるメリットもありますが、浴びすぎるとシミやシワの原因や、皮膚がんの原因となるなどのデメリットも。

可視光線という私たちが見ている光の中で、380~500nmの領域はブルーライトと呼ばれています。

ブルーライトは、私たちの体内時計の調節などに働くため、日中浴びることはとても重要です。

しかし、私たちの目の角膜や水晶体が通過することのできる光線の中で最も強いエネルギーに相当するため、目に大きな負担を与えることが報告されています。

日常生活を送るうえで、太陽光に含まれるブルーライトは大きな問題とはならないと言われていますが、新しい光源として定着しつつあるLED、PCの画面やTV、中でもスマートフォンから発せられるブルーライトが、加齢黄斑変性という眼病へ影響することが報告されています(出典:Molecular Vision 2017; 23:52-59)。

最近は、ブルーライトカット効果のあるメガネやサングラス、コンタクトレンズなども人気を集めており、人々の関心が高いことが分かります。

 

太陽光は目に悪い? それともいい?? 新しく注目されているバイオレットライトについて

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こうなると、太陽光そのものが目に悪いような気がしてきますが、実はこんな研究データがあります。

米国オハイオ州立大学検眼学科によると、週3回屋外で活動やスポーツをしている子どもは、そうでない子どもよりも近視になる確率が低いというのです(出典:Invest Ophthalmol Vis Sci。 2007 Aug; 48(8):3524-32)。

なぜ屋外で活動する子どもに近視が少ないのでしょうか?

慶應義塾大学医学部によって、太陽光に含まれるバイオレットライトに、近視を抑制する効果があることが報告されました。

片目だけ近視にしたヒヨコを、両目にバイオレットライトを照射する群としない群にわけると、照射した群では、近視の進行が抑えられることと、近視を抑制する遺伝子の発現が確認されたのです(出典:EBioMedicine. 2017 Feb; 15: 210–219.)。

バイオレットライトとは、可視光領域の中でも波長の短い360~400nmという、一部ブルーライトに含まれるの光のことで、UV-Aのすぐ近くに位置します。

蛍光灯やLEDといった、室内を照らす光源にはほとんど含まれていないため、十分に浴びようとすると、外へ出るしかありません。

1日に2時間ほど屋外活動をすると、近視率が下がると報告されています。

 

近年、近視は世界的な問題となっています。欧米の若者の近視率が50%程度、特に東アジアでは高く、中国や韓国の都市部の若者においては90%以上だといわれており、これは半世紀前のおよそ2倍の数値です。

今後10年間で、世界の人口の1/3である25億人もの人々が、近視の影響を受ける可能性も示唆されています(出典:Nature. 2015 Mar 19; 519 :276-278)。

世界的に近視は都市部の若者の間で特に広がっており、スマートフォンやTV、PCなどの普及はもちろん、最近の子どもの外遊びの時間の減少が原因のひとつではないかと考えられています。

太陽光を浴びる時間をつくろうとすると、紫外線の弊害が気になる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、今回お話しした近視に対する効果や、皮膚でビタミンDを生成する働きや体を温める効果、体内時計を整える効果など、太陽光を浴びるメリットがあることも事実です。

時と場合によって、日焼け止めやサングラスといったアイテムも取り入れながら、太陽光と上手に付き合っていきたいですね!

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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