「風呂キャン」は重要なサイン?セルフネグレクトを防ぐには自分を後回しにしないこと

「風呂キャン」という言葉をご存じでしょうか?
お風呂に入ることを「キャンセル」してしまうことを指すスラングです。
「風呂キャン5日目、そろそろにおいがやばいかも!」
など、面白おかしく使われることもありますが、実は重要なサインが隠れていることも。
撫子Plus株式会社代表鮎永麻琴さまによる解説です。

「風呂キャン」が流行中・・・でも「最近の子はだらしない」というわけではない?!

最近、SNSでよく見かける言葉があります。
それが「風呂キャンセル界隈」、通称「風呂キャン」。
「今日はお風呂やめた」
「もう無理、風呂キャン」
そんな投稿が、若い世代を中心に共感を集めています。
一見すると、ただの『面倒くさがり』や『怠け』のようにも見えるかもしれません。
しかし心理の専門家の間では、これを「静かなセルフネグレクト(自己放棄)」のサインではないかと指摘する声もあります。
実はこの現象、決して他人事ではありません。

「お風呂に入れない」のは、心のエネルギーが切れているサイン

お風呂は、日本人にとって当たり前の習慣です。
多くの人は「疲れていても入るもの」と考えています。
しかし、心理学ではこう言われます。
人は、心のエネルギーが枯渇すると『自分のケア』から手放していく。
たとえば次のような行動です。
・お風呂に入れない
・部屋が散らかる
・食事が適当になる
・身だしなみに無関心になる
これらは、セルフネグレクト(自己放棄)と呼ばれる状態の初期サインです。
つまり「風呂キャン」は、怠けではなく、心のバッテリー切れの可能性があります。

真面目な人ほど「風呂キャン」しやすい

意外に思われるかもしれませんが、セルフネグレクトに陥りやすいのは、実は真面目な人です。
・頑張り屋
・責任感が強い
・周りに気を使う
・弱音を吐くのが苦手
こういう人ほど、外ではちゃんとしていても、家に帰るとエネルギーが完全に切れてしまいます。
そして最後に残るのが
「もう今日はいいや・・・」
という自分へのケアの放棄です。

「静かなセルフネグレクト」は気づきにくい

セルフネグレクトという言葉は、身体機能や判断力の低下、社会的孤立などを背景に、生活に必要な行為を行わず、心身の健康や安全が脅かされている状態を指し、もともとは高齢者の問題として語られることが多いものです。
しかし最近は、若い世代にも増えているといわれています。
その特徴はとても静かなこと。
・仕事にも行く
・友達とも会う
・SNSも更新する
外から見ると普通に見えるのに、家では
・部屋が荒れている
・食事を抜く
・風呂に入れない
という状態が起きている。
これを心理学では
「隠れセルフネグレクト」とも呼びます。

コミュニケーションの視点で見ると

コミュニケーションの観点から見ると、
「風呂キャン」が起きやすい人には共通点があります。
それは
「自分のしんどさを言葉にできない」こと。
多くの人は、疲れていてもこう言います。
「大丈夫」
「平気」
「なんとかなる」
でも、本当は
・助けてほしい
・休みたい
・もう限界
という気持ちがあるかもしれません。
言葉にできない疲れは、行動として表れます。
その一つが
「何もしたくない」
「お風呂すら入れない」
という状態です。

大事なのは「ちゃんとしよう」と思いすぎないこと

もし自分に「風呂キャン」が起きているなら、まず大事なのは
「こんな自分はダメだ」
と責めないこと。
心が疲れているときは、生活のハードルを下げることも必要です。
たとえば
・シャワーだけでもOK
・体を拭くだけでもOK
・今日は寝るだけでもOK
完璧な生活よりも、回復できる生活を優先すること。
それが、セルフネグレクトを防ぐ第一歩です。

「自分を後回しにしない」ことが、実は一番大事

私たちはつい
・仕事
・家族
・人間関係
を優先して、自分のケアを一番後ろに置きがちです。
でも本当は逆。
自分が元気でなければ、どんな役割も続きません。
お風呂に入れないほど疲れているなら、それは体や心が送っているメッセージです。
「ちょっと休もう」
そのサインを無視しないこと。
それこそが、今の時代に必要なセルフケアなのかもしれません。

[執筆者]

鮎永麻琴

大学時代にはプロスノーボーダーとしてW杯に出場し、世界ランキング20位を記録。卒業後は国際線CAとして13年間勤務。
現在は、コミュニケーションスキルと統計学を融合させた「コミュニケーション帝王学®」を体系化し、自分らしく生きるためのコミュニケーションの在り方や、他者との関わり方を伝えるオンラインアカデミーを開校。
また、2020年にはTEDxFukuokaで「自由への切符」というテーマで登壇。
2022年には書籍『Philosophy of Success 〜成功者の名言』において、成功者35人の一人として選出される。

撫子Plus株式会社
https://makotoayunaga.com/

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