ニキビができても慌てないで!キレイな肌のために大切なのはコントロール

当院には、ニキビでお悩みの方が多くご来院されます。
実は、ニキビは治療以上に「コントロール」が重要となります。
ニキビ跡のことを考えると、赤いニキビになってからアクションを起こす(いわゆるニキビ治療の段階)では遅く、もっと前から対策することで、そもそも赤いニキビにしない段階でコントロールし、ひいてはニキビ跡の無いキレイな顔を保つことが患者さんのためにも最も大切なことだと考えています。

ニキビの原因とは?基本的にはこの3つ!


ニキビができる原因は原則的に3つです。すなわち
1)毛穴のつまり 
2)皮脂分泌の亢進 
3)ニキビ菌の増殖
です。
ニキビの原因は、基本的にはこの3つになりますので、
「ニキビが治らない」
「ニキビを繰り返す」
という方は、これらのどれかのコントロールがうまくいっていない可能性が高いです。

家でできるニキビケアと気を付けたいこと


大前提として、ニキビは自分でつぶすのは避けて下さい。
ニキビ痕が残るリスクが高くなります!
化粧メイクは毛穴をつまらせるリスク因子です。
帰宅後はなるべく早く化粧メイクを落としてください。
なるべく肌を清潔に保ちましょう。
洗顔は、洗顔料をしっかりと泡立て、強く擦らずに洗って下さい。
メイク落としも洗顔も乾燥のリスク因子であり、乾燥もまた毛穴をつまらせる要因となりますので、しっかり保湿もしましょう。
化粧品は毛穴をつまらすリスクの少ない「ノンコメドジェニックテスト済」の製品を使用してください。
普段のライフスタイルも重要です。
ビタミンA・亜鉛を摂りましょう。両者とも表皮~角質のスムーズなターンオーバーに欠かせない栄養素です。
寝不足・疲労・ストレスの回避(最重要!)も重要です。抗ストレスホルモンの分泌増加により、皮脂分泌が進んでしまいます。

自己流のケアだとどうなる?受診のタイミングは??


自己流の方は、往々にして上記で述べた「ニキビの成因の3要件」をご理解頂いていないことが多く、そのため、ニキビが治らない・治りが遅くなる・にきびを繰り返すというようなことになりがちで、結果的に「ニキビ跡」が残るリスクが高くなる可能性があります。

自己流ケアが難しい場合、受診はどのタイミングですべきでしょうか?

厳密にいえば、「赤いニキビができてから」クリニックを受診するのはタイミングとしては遅いです。当院の患者さんには初診時に必ずこのことをお話しており、個人的にはこれを理解して頂けるかが最重要事項と考えています。
なぜならば、ニキビの最も厄介なことは、治っても「ニキビ跡」になるリスクがあることです。
現在の医療技術では、ニキビ跡を完全に修正できることが保証された方法はないので、症状によっては「一生残る傷跡」になってしまい、ご本人にとって文字通り一生の問題となることもあります。
「赤いニキビ」はすでに炎症を起こしてしまっており、その段階では「綺麗に治るのか」「ニキビ跡になるのか」は誰にも分からず、いわばギャンブルになってしまいます。
そのことを考慮すると、理想的な診療のタイミングは、「面皰(めんぽう)」と呼ばれる毛穴が詰まって皮脂が溜まっているが、まだニキビ菌が増殖しておらず炎症を生じていない段階での受診ということになります。この段階でコントロールすれば「ニキビ跡」のリスク無くキレイに治すことが出来るからです。
私がニキビコントロールを最も重要視するのは、このためです。

保険診療と保険外診療の違いは? どちらがおすすめ??

ニキビの治療は大きく分けて「保険診療」と「保険外診療」があります。
多くの医療機関では「保険診療」を第一としており、また現在では保険診療の薬剤にも優れたものも多く、保険診療の範囲内でもコントロールできる方も多いです。当院でも仮に保険外診療を取り入れて頂く患者さんであっても、ベースに保険診療の薬剤をホームケアとして使用して頂くことが多いです。
保険診療の代表的な薬剤は、毛穴のつまりを改善するアダパレンゲル、ニキビ菌を殺菌する過酸化ベンゾイルや抗生物質です。
ただし、保険診療には、ニキビの原因のところでお話しました2)皮脂分泌の亢進という、10代20代のニキビの最大の原因と言えるファクターに働きかける有効な手段が不足しているという点があり、個人的には保険診療における最大のジレンマと考えています
保険診療の範囲内でコントロールが難しい方には、「保険外診療」という選択肢があります。これはクリニックによって知識・経験などの濃淡があるため、治療手段・効果には医療機関のクオリティーによって異なってきます。
具体的な治療法としてはケミカルピーリングなどがオーソドックスなものです。
前述した「皮脂分泌のコントロール」に直接働きかけることが出来る施術やフラクショナルなど多様な治療法を備えている医院もありますので、ご自身の悩みやイメージに合った医院をさがしてみることをおすすめします。

執筆者

相馬孝光先生
肌クリニック大宮 院長
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医

[経歴]
一般皮膚科から美容皮膚科診療まで、患者さんの悩みにオールマイティに応え地域医療に貢献することを理念として、埼玉県大宮でクリニックを運営。
医師になる前は銀行員(!)という異色の経歴を生かしながら、日々患者さんや医院のスタッフと向き合い、日々の診療に邁進している。

肌クリニック大宮ホームページ
https://e-hifu.jp/

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