オーラルフレイル(口腔の虚弱)が老化を早める!?歯のトラブルが起こる前に歯科検診に行こう!

口腔内も「予防の意識」が大切。トラブルが起こる前に検診を。


痛みなどの症状が出てから歯科医医院への通院を検討される方も多いと思います。
ですが、歯科医師としては、痛みがなくても行ってほしいと思っています。
予防先進国のアメリカやスウェーデンでは歯科医院に通うのは美容院に行くような感覚。
痛いときに行くという感覚ではないのです。
日本人は歯の予防意識が低く、痛くなってから歯医者に行くと思っている方が多数です。
先ず、1人でも多くの方に口腔ケアの重要性を知ってもらいたいです。
歯科に通院している方は他の医療費が少ないというデータがあります。
そのため、国も歯の健診を掲げ始めたのです。
予防してこそ、医療費削減につながるのです。
口臭やしみるなど些細に感じることでも、「こんなことぐらいで」と悩まず受診してください。
口臭やしみる症状は歯周病の症状でもありますから、早期発見、早期治療が医療費削減のためにもなります。

虫歯だけじゃない。さまざまな口腔内のトラブルを防ごう!


オーラルケアをおこなうことは、虫歯予防だけでなく、全身の健康を考えるうえでもとても重要です。
近年、歯周病と全身疾患との繋がりを警鐘しております。
例えば、喫煙している方の方が歯周病になりやすいとの報告や、糖尿病だと歯周病になりやすく、歯周病だと糖尿病になりやすいといった、両方に関係するような報告があります。
特に糖尿病との関連は高く、いまや糖尿病担当医から歯科管理依頼の連携もスタンダードになってきました。
その他、リウマチ、認知症も歯周病との絡みが問題視されています。
また 口腔内清掃状況が良い方の方がインフルエンザになりにくく、誤嚥性肺炎にもなりにくくなります。
そして、オーラルフレイル(口腔の虚弱)が老化を早める事も分かってきております。
歯周病予防に役立つさまざまなアイテムも出てきています。
私が着目しているのは、歯周病の悪玉菌であるPg箘(ポルフィロモナス・ジンジバーリス/重度の歯周病に影響するといわれている菌のひとつ)がクルクミン(ウコンなどに含まれる黄色のポリフェノール。抗菌作用や抗炎症作用が報告されている)によって増殖を抑えられるという報告です(出典:J Periodontal, 87(1): 83-90, 2016)。
歯周病の怖さは、重度になると歯の支えとなる顎の骨が溶けてしまい、歯が抜けてしまうこと。
この骨が溶けることのキーストーンになっている菌がPg箘なのです。
そのため、これを多く持っている方は歯周病になりやすいのです。
ですから、このPg箘を減らす成分には歯周病に対する効果が期待できます。
クルクミンを配合した歯磨き粉も出ていますので、気になる方は是非お試しください。
歯科専売の歯磨き粉でも販売されておりますので、かかりつけの歯科医にご相談を。

予防にも目を向け、きちんとオーラルケアをおこない、良い歯と健康の維持を目指しましょう!

執筆者

三枝遵子先生
ヒグチデンタルクリニック院長

[経歴]
1994年日本大学歯学部卒業。
日本大学歯学部付属歯科病院・歯周病学講座を経て、台東区浅草で樋口歯科を開業。
2009年にヒグチデンタルクリニックと名称を変え台東区雷門に移転、現在に至る。
2011年に予防啓蒙活動として「ハミガキろっく」という歌を制作。
2013年には「DVDでみる絵本」を、2021年には「なんではをみがくの?」という今更聞けない、大人にこそ読んで欲しい絵本を制作。
欧米諸国並みに日本国民の歯の予防意識を向上させたい!と予防啓蒙に励む。

ヒグチデンタルクリニックホームページ 
https://0358270118.com/

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