もっと素敵に歳を重ねるために、いろいろなことにチャレンジすることって実は重要なんです!臨床心理士の視点から
もっと素敵に歳を重ねるために、いろいろなことにチャレンジすることって実は重要なんです。
今回は大阪カウンセリングセンターBellflowerを運営する臨床心理士の町田奈穂先生にお話を伺いました。
◆いろいろなことにチャレンジすることが重要な理由とは?
オトナの女性にとって失敗を恐れず色々な物事にチャレンジすることは、もっと素敵な女性になるためにおすすめです。
仕事で取り組んだことがない企画にチャレンジをしたり、資格取得を狙ったり、神社仏閣巡りをしたり、バンジージャンプをしてみるなど、チャレンジする内容は仕事や趣味などプライベートを問わずなんでもOK。
とにかく興味のあることにどんどんチャレンジしていく、経験の数を増やしていくということが大切なのです。
◆今が一番チャレンジしやすい!
人は歳を重ねるごとに行動がしにくくなることがさまざまな調査でわかっています。
例えば、
「大学生や独身の頃は旅行も気軽に行けたけど、今は仕事もあるし家族もいるから行きにくい…」
と考えたことがあるのではないでしょうか?
歳を重ねれば、私たちを取り囲む状況は変わってきます。
その時々の時間や環境的な制限によってフットワーク軽く、気軽にチャレンジすることが難しくなりがちです。
仕事が落ち着いたら、子どもが巣立ったら、と考える女性もいらっしゃいますが、多くの女性は45〜55歳の頃を“更年期”と言われる女性ホルモンのバランスが崩れることで心身に不調を来しやすい難しい時期に入ります。
その心身の変化がさらに挑戦する意欲や機会を遠ざけてしまうのです。
精神的な要因としては、歳を重ねるごとに好奇心や想像力が減り、安定思考になりやすい人の心理的傾向があります。
昔は厳しかった人に「あの人丸くなったよね」と言った、もしくは言われているのを聞いたことはありませんか?
あれは人間の考え方、脳機能の変化としては当然のことなのです。
ですので、歳を重ねるごとに「やってみよう!」から「今のままで良いか」と考えがちになってしまうといえます。
◆活動的な休日を過ごすことで仕事のモチベーションアップ!
労働時間も長く、多忙を極める日本人女性。
せっかくの休日はゆっくり眠って過ごしたい、ダラダラして過ごしたい、と考える方が多いのではないでしょうか。
でも皆さん、振り返ってみてください。
そういう過ごし方をした週末後の月曜日。
「朝から仕事バリバリ頑張るぞ!」
とモチベーションに溢れていますか?
むしろ、日曜日の夜に「あ~、もう休みが終わるのか、休日あっという間だったな」と感じることが多いのではないでしょうか。
日本では国民的アニメに準えて、休日の夕方ごろから仕事のことを考えると憂鬱になるこの現象を「サザエさん症候群」といわれています。
サザエさん症候群の原因の一つが休日にしっかりと休息を取れていないことにあります。
「え、いっぱい寝たし、ゆっくり過ごしたのに!」という方。
実は、人の休息は自律神経のバランスで取るようにできています。
どういうことかというと、日中に活動的に行動することで交感神経を活発化させることが、休息のために必要な副交感神経をしっかりと働かせることにつながるのです。
よく眠れない人に、日中散歩やストレッチなど軽い運動をおすすめするのはそのためですね。
これと同じように、休日も休みたいから、とベッドやソファでダラダラと過ごすことは、日中の交感神経の活発化が十分に果たせておらず、夜にしっかりとした休息が取れないのです。
そこで、日頃から興味のあることに休日はチャレンジし、交感神経を活発化させることにより、夜は副交感神経が優位になりしっかりと休息をとることが出来ます。
ここではもちろん、外での活動がおすすめですが、ご自身の興味のあることならば手芸やずっと見たかった映画の鑑賞など、インドアな活動でも大丈夫。
興味を持って積極的に行動することが交感神経の働きを活性化させます。
このようにチャレンジングな休日を過ごすことにより、十分な休息がとれ、その後の仕事のモチベーションアップにもつながるのです。
◆自信は経験の積み重ねでできる!
「緊張しやすいんですけどどうしたらいいですか?」
「不安になりやすくてなかなか行動できません」
というお悩みを聞くことが多いです。
緊張や不安の感じ方には、人の性格や育ってきた環境など、さまざまな要因が影響しています。
そのため、緊張や不安を感じやすい人とそうでない人がいるのです。ですが、性格や育ってきた環境は変えることが難しいです。
そこでチャレンジをすること、経験を積み重ねることが役立ちます。
成功や失敗といった結果を問うのではなく、チャレンジすること、チャレンジした結果得られる経験が大切なのです。
人は経験を重ねることによって、自分の好きなこと、嫌いなこと、得意なことや苦手なことを知ります。
そして、それが自信につながるのです。
自分の好みや得て不得手を把握することは、自分自身への理解を深め、日々の決断がしやすくなったり、チャレンジへの抵抗感の低下や失敗を少なくしてくれます。
つまり、緊張や不安で行動ができない機会や挑戦しないといけない状況から感じるストレスを減らしてくれるのです。
1つのことを継続することも大切ですが、必ずしも継続できなくても大丈夫です。
まずは1度やってみること。
たくさんの経験をすることでさらに次の挑戦へのハードルを下げ、さらにチャレンジがしやすくなるという好循環が生まれます。
その経験の積み重ねが自信につながりもっと素敵なオトナの女性になれると考えます。
[執筆者]
町田奈穂
大阪カウンセリングセンターBellflower 代表
臨床心理士・公認心理師
[プロフィール]
同志社大学大学院在学時より、滋賀医科大学医学部附属病院などで、不眠症やうつ病等の精神疾患の治療に取り組む。
2020年、支援者支援専門のオンラインカウンセリングをおこなう、大阪カウンセリングセンターBellflowerを開設。
支援者支援の必要性の普及活動に加え、不眠症の研究にも取り組んでおり、教育委員会や児童精神科にて発達障害等、様々な育児や教育の相談および情報発信をおこなっている。
CLASSY.など雑誌他webメディアにも監修等記事掲載あり。
大阪カウンセリングセンターBellflower
https://counseling-bellflower.com/