ずっとキレイでいるために大切なこと。それは 『睡眠』寝苦しい今の季節。自分の『睡眠』見直してみませんか?

ずっとキレイでいるために、実は睡眠ってすごく大切なんです。
今回は、睡眠の重要性について、大阪カウンセリングセンターBellflower を運営する臨床心理士の町田奈穂先生にお話を伺いました。

◆ホルモンと上手に付き合うには?

女性が充実した日々を送るためには、女性ホルモンについて知り、ホルモンと上手に付き合うことが大切です。
女性ホルモンの1つエストロゲンと関わりのあるセロトニンという脳内の神経伝達物質には、喜びや楽しみ、恐怖や驚きなどの感情を調整し、精神を安定させる働きがあり、PMSや妊娠出産期のうつ病や更年期障害など、女性のライフサイクルに大きく影響を与えています。
このセロトニンと上手に付き合う術として十分な睡眠をとること、日頃から睡眠を整えておくことが大切です。
人は起床時からセロトニンの分泌が始まります。
このセロトニンが夕方にかけて徐々に減っていき、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンという脳内の神経伝達物質の分泌が始まります。
メラトニンには眠りを促す作用がありますが、スマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトの光によって簡単に減少してしまい、睡眠の妨げになり、慢性的な睡眠不足を招くことが懸念されます。

◆なぜ美容のために睡眠が大切なの?

睡眠を整えることによって、人はメラトニンを適切に分泌させることができます。
メラトニンには眠りを促す作用のほかに、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、疲れをとってくれたりする働きもあります。
病気や老化防止に様々な効果が認められており、まさにアンチエイジング、美容のためにも規則正しい睡眠習慣を整え、メラトニンの分泌量を高めておくことが大切なのです。
アメリカではサプリメントやグミとしてドラックストアなどで売られており、従来は時差ぼけ解消を目的に使用されていましたが、現在では美容目的で用いられることも多いようです。

睡眠が乱れる原因とは

睡眠が乱れる原因には、痒みや痛み、喘息の発作といった身体疾患によるもの、生活環境や生活習慣によるもの、ストレスや生活上の不安など精神的な問題によるものの大きく3つに分けることができます。

◆身体疾患による不眠症対策

かかりつけの病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

◆生活環境や生活習慣によるもの

線路や高速道路や大通りが家の近くにあり、夜でも明るかったり騒がしかったりする場合には、引越しを検討することも大切です。引越しには費用もかかりますが、睡眠不足の人はそうでない人と比べて年間約33万円損をしているという経済産業省の調査もあります(出典:経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課『企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~(改訂第1版)』)。
また、どうしても引越しが難しい場合には、遮光カーテンや防音シート、アイマスクや耳栓などを使い、睡眠を妨げる音や光を遮断することもおすすめです。

◆精神的な問題によるもの

散歩やストレッチなど適度な運動を取り入れたり、日記を書いたり、映画やバラエティを見て泣いたり笑ったりするなど、日頃から自分なりのストレス発散法を持っておくことが大切です。もし2週間以上、ストレスや不安などの症状が続く場合には一度心療内科や精神科を受診することが大切です。
「私は頭が悪いから」という考えが実際の成績低下を招くといったゴーレム効果という心理学の考え方があります。
これと同じように、「どうせ今日も眠れないんだろうな」と睡眠についてネガティブに考えすぎてしまうことが睡眠の質の低下を招くこともあります。
「いつか眠れるから大丈夫」と気楽な考えを持つなど、肩の力を抜き、リラックスした気持ちで夜を過ごすことが大切です。

◆最も大切なこと

『 ベッドの上での寝る以外の行動をしない』
人間には本来、何をしなくても自然と睡眠と覚醒のバランスをとってくれる仕組みが備わっています。つまり。ストレスや不安などで一時的に眠れない夜が続いても、数日後には自然と眠れるように睡眠リズムの乱れがリセットされるようになっているのです。
それにも関わらず、何日も眠れない、という状態が続いている人は眠れない夜にベッドの上でスマホや読書、動画閲覧や映画鑑賞、考え事など、寝る以外の行動をとっていないか振り返ってみましょう。
「ベッドは寝る場所」ということを身体が忘れてしまうと、ベッドに入ると自然と目が冴えてしまう悪い習慣が出来てしまいます。
「ベッドは寝る場所なのだ」と身体に再学習させることが大切です。

[執筆者]

町田奈穂
大阪カウンセリングセンターBellflower 代表
臨床心理士・公認心理師

[プロフィール]
同志社大学大学院在学時より、滋賀医科大学医学部附属病院などで、不眠症やうつ病等の精神疾患の治療に取り組む。
2020年、支援者支援専門のオンラインカウンセリングをおこなう、大阪カウンセリングセンターBellflowerを開設。
支援者支援の必要性の普及活動に加え、不眠症の研究にも取り組んでおり、教育委員会や児童精神科にて発達障害等、様々な育児や教育の相談および情報発信をおこなっている。
CLASSY.など雑誌他webメディアにも監修等記事掲載あり。

大阪カウンセリングセンターBellflower
https://counseling-bellflower.com/

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