デリケートゾーンのケアに不安・・女性に多いトラブルについておおねクリニック院長 大嶺先生に教えていただきました!
下腹部やデリケートゾーンの女性に多いトラブル・・・中でも膀胱に関するトラブルは、他人にも相談がしづらく、しばらく我慢して、症状が治まれば放置してしまう方も多いと思います。
実は、女性は膀胱のトラブルが起こりやすい傾向があるのです。
今回は、腎・泌尿器科おおねクリニック 院長の大嶺卓司先生に、膀胱炎についてお話を伺いました。
まずは膀胱炎から。女性は罹患しやすい?
まず皆さんがかかりやすい病気は急性膀胱炎です。
膀胱に細菌が侵入することが原因で、排尿時痛、頻尿、残尿感などが生じます。
約7~8割は大腸菌が原因で、大腸菌はその名のとおり大腸に住み着いています。
ほかにも多種類の腸内細菌が原因となりますが、なんといっても女性の体は肛門から尿道までの距離が短く、尿道自体の長さも短いため、男性と比較すると元々原因菌が侵入しやすい構造といえます。
風邪をひいたあとなどの体調不良、睡眠不足など抵抗力が落ちているとき、水分摂取が少ないときなどにおこりやすいです。
治療は抗生剤の服用で細菌を退治し、同時に水分補給を1.5L程度しっかりおこなって、尿と一緒に体外に洗い流すことが大事です。
急性膀胱炎をあまりに放置していると、混濁尿が膀胱から腎臓へ逆流し細菌感染が腎臓(腎盂)まで及んでしまうことがあります。
急性腎盂腎炎を発症すると高熱や嘔吐などの症状に加え、細菌が全身に広がると命にかかわることもあります。
膀胱炎かも、と思ったら・・・
急性膀胱炎を何度も繰り返さないために、処方された薬は症状が緩和されたり、無くなったりしても、中途半端にとめず、しっかり最後まで服用し治癒させることが大切です。
また、水分摂取には普段から心がけましょう。
トイレでの拭き方には前から後ろに拭くことで、菌が侵入しないように注意します。
便秘も大敵ですので、バランスの取れた食事や食物繊維の摂取も意識しましょう。
デリケートゾーンを清潔に保つためにも、性交前にはシャワーを浴び、性交後には早めに水分摂取し排尿を促しましょう。
また、生理用品や尿もれパッドもこまめに取りかえることが大切です。
膀胱炎が長期化し、慢性膀胱炎となることもあります。
原因はさまざまですが、膀胱結石などの異物や、別の病気への罹患や投薬などが原因で、慢性的に膀胱内で炎症が持続します。
このような場合は、個々の対応が必要となりますので、泌尿器科で相談してください。
ちょっと異なる間質性膀胱炎
もうひとつ、急性膀胱炎とは異なる病気に間質性膀胱炎というのがあります。
頻尿と膀胱部の痛みは共通ですが、痛みの現れ方が、異なります。
急性膀胱炎では排尿時痛や排尿終末痛といわれ、終わりごろにキューとなる痛みが走ります。一方間質性膀胱炎では、尿がたまるにしたがって、激しく痛みます。
頻尿の程度も異なります。
急性膀胱炎では、急性期では10分に1度などと程度は激しいのですが、やがてある程度間隔があくことも多いものです。
しかし、間質性膀胱炎の場合は1時間に何度もの激しい頻尿が続きます。
間質性膀胱炎の場合は排尿後に楽になりますが、急性膀胱炎では、残尿感や違和感を伴うことがしばしばです。
間質性膀胱炎は細菌やウイルスの感染が原因ではないため、急性膀胱炎と治療薬は異なり、治療に難渋したり、手術が必要になるケースもあります。
抗生剤の服用で単純に治癒しない場合は泌尿器科にご相談ください。
今回は、3種類の膀胱炎についてお話ししました。
女性なら、一度は膀胱炎にかかったことがあるのではないでしょうか?
自然と治ってしまうこともあり、軽視してしまいがちですが、症状がなかなか改善しなかったり、痛みや不快感が強くなったときなどは、受診をおすすめします。
[執筆者]
大嶺卓司先生
腎・泌尿器科おおねクリニック 院長
「世の光であれ!(来院することで元気になれる希望の光のように)」
「守侍医として(患者さんの側に侍り、病から守る)」
「地域の健康ステーション」
を基本理念として、泌尿器科専門医としての専門性を生かし、地域のかかりつけ医として貢献したいと考えています。
是非、お悩みがありましたらお気軽にご相談ください。
腎・泌尿器科おおねクリニック
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