最近頻尿が気になる・・泌尿器科で女性に多いトラブルについておおねクリニック院長 大嶺先生に教えていただきました!
下腹部やデリケートゾーンの女性に多いトラブル…前回は、女性に多い膀胱炎についてお伺いしました。
血尿や頻尿など、排尿にまつわるトラブルについて、腎・泌尿器科おおねクリニック 院長の大嶺卓司先生にお話を伺いました。
あ、赤い・・・血尿が出たらどうする??
血尿があると、驚かれる方も多いでしょう。
肉眼的血尿(目で見てわかる血尿)の場合、20~30代は悪性腫瘍の可能性は少ないため、排尿時痛や混濁尿などの症状があれば、通常、膀胱炎によるものと考えられます。
ですので、あまりに神経質になりすぎず、水分補給と抗生剤の服用で大半はおさまります。
懸念があるのは50歳以上の方で、自覚症状がほとんど無い肉眼的血尿の場合は、膀胱癌などがないか心配ですから精密検査が必要になります。
女性は月経があるため、陰部からの出血(月経血)に対して、慣れがあり「いつもの生理かな?」など放置してしまいがちな点が問題点になることも。
膀胱癌の患者さんにお聞きしますと、忙しさにかまけて「そのうち止まるんじゃないかな?」と思ってしまい、放置してしまうことが多いそうです。
泌尿器専門医として、これだけは言わせてください。
『これといった症状が無いのに、肉眼的血尿がでたら、早々に泌尿器科を受診してください!!』
必ずですよ。
放置はいけません!
水分の摂りすぎ?それとも・・頻尿はどう考える?
「お茶が大好きで、1日に2L以上飲むので、トイレが近いんです」
といわれることがよくあります。
好きでたくさん飲んで、1回にたくさん出て、残尿感もなく、違和感もない。
痛みもなく、本人も困っていない場合は、自由ですが季節ごとに飲む量を加減されてもいいかもしれません。
夏は熱中症予防で多めに、冬は発汗も少なめですので夜間頻尿にならない程度に水分摂取量を控えてみてはどうでしょう。
習慣性多飲というのがあり、ついつい多量に飲んでしまって、気が付けば1日に3~5Lも水分を摂取するという方もいらっしゃいます。
飲む必要のある時は飲む、いつもがぶがぶ飲むようなことはしない。
めりはりをつけるのがいいようです。
しかし、困るのは尿意が生じたら我慢ができないケースです。
尿意が頻回でまったなし、尿意が出ればトイレに急いでしまう(尿意切迫感)。
時にはトイレの便器の前でちょろっと漏らしてしまう(切迫性尿失禁)。
最初のうちはトイレまでギリギリで、まずいと感じながら、生理用品のついでにパッドを買うようになり、用心のためにあてるようになり、とうとう漏れが日常的なものになってくる。
以前、別の記事(「年齢によってどう変わる?女性のデリケートゾーンの変化」)も参考にしていただくといいと思いますが、女性の加齢に伴う変化は女性ホルモンの関与が考えられます。
受診をためらい様子を見ているだけの状態は、放置しているのと同じこと。
尿意切迫感や切迫性尿失禁は増悪することはあっても改善することは少ないです。
ホルモン分泌の低下による影響、運動不足など、出産、肥満、生活習慣など、原因はさまざまではありますが、改善に向けて、原因の除去削減、骨盤底筋群の強化、投薬によるコントロールなどでずいぶん楽になります。
“我慢に我慢を重ねて、十数年”というのが、一番厄介です。
早期に相談していただき、治療を行うことが肝要ですね。
異物感・・・何かが下がってきた?骨盤臓器脱について
膣や子宮などが下垂しておこる、骨盤臓器脱も同様です。
何年も良くなることを夢見て放置され、感染症や排尿状態の増悪がおこり、外出や旅行などがしづらくなり、体力筋力の低下、体全体の不調などが生じてから受診される方が多いのです。
軽度の下垂の場合は、トレーニングなどで症状の改善が期待できますが、進行すると改善は難しくなってしまいます。
想像しにくいかもしれませんが、股の間に挟まるようなものがおりてきて不快感があり、トイレもスムーズにでないことなどと感じたら、早めに受診してください。
不安をあおるような物言いで申し訳ないのですが、この病気も放置は決してよくありません。
適切な治療をおすすめします。
不快な症状が続くと、行動が鈍ってきてしまいます。
旅行や外出を楽しみ、トイレを気にしなくてよい快適な日常を送れるということは、QOL(人生の質)を維持するためにも重要です。
泌尿器科の病気は他人には相談しにくいものですから、ついつい二の足を踏んでしまいがち。
ですが、排尿等に関するトラブルに対する専門家である、頼れる心優しき(笑)泌尿器科医にご相談ください。
[執筆者]
大嶺卓司先生
腎・泌尿器科おおねクリニック 院長
「世の光であれ!(来院することで元気になれる希望の光のように)」
「守侍医として(患者さんの側に侍り、病から守る)」
「地域の健康ステーション」
を基本理念として、泌尿器科専門医としての専門性を生かし、地域のかかりつけ医として貢献したいと考えています。
是非、お悩みがありましたらお気軽にご相談ください。
腎・泌尿器科おおねクリニック
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