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「ローヤルゼリー」「プロポリス」に「ビーポーレン」私たちがミツバチから受ける恵みはこんなにたくさんありました!

以前、ミツバチが一生懸命つくってくれるハチミツの美容と健康効果についてお話ししましたが、実は、ミツバチが私たちの生活に与えてくれるのはハチミツだけではありません。
今回は、ミツバチがつくり出し、私たちにもたらしてくれるハチミツ以外の恵みについてお話ししたいと思います。

女王だけの特権!ローヤルゼリーとは?

ミツバチの巣の中には、たくさんの働きバチとたった一匹の女王バチ(その他少量の雄バチがいます)がいることは、皆さんもご存知ですよね?
実は、働きバチと女王バチは、どちらもメスのハチで、生まれた時の見た目にも、遺伝子的にも差はないのです。
しかし、女王バチは体の大きさは働きバチの2倍以上、寿命は20~40倍になるといわれており、さらに毎日1500個ほどの卵を産み続ける能力を有しています。
ミツバチの集団という階級社会のトップである女王バチの驚異的なバイタリティの源となっているのが、『ローヤルゼリー』です。
疲労回復やアンチエイジング効果が注目され、サプリメントなどの健康食品にもよく利用されています。また、糖尿病や骨粗しょう症の予防、高血圧や更年期障害・冷え性の改善などの効果が報告されています。
ローヤルゼリーは通常の働きバチとは異なり、女王バチになる幼虫だけに与えられます。
最近の研究では、ローヤルゼリーに含まれる、ロイヤラクチンというたんぱく質の一種が、ミツバチの幼虫を女王バチとすることがわかっています。
孵化後2~4日という限られた期間にロイヤラクチンを摂取しないと、女王バチへの分化は誘導されないそうです。
ロイヤラクチンがミツバチ以外の生物に与える影響としては、ショウジョウバエの幼虫の体内にロイヤラクチンを発現させることで、女王バエともいえる大きな個体が誕生し、寿命や産卵数に増加をもたらすことが報告されています。
花の蜜からつくられるハチミツとは異なり、ローヤルゼリーはミツバチの顎あたりから分泌される物質でつくられ、乳白色をしているため、日本では『王乳』とも呼ばれています。
アミノ酸やビタミン類などが豊富に含まれるローヤルゼリーは栄養の宝庫!
中でもデセン酸(王乳酸)は、ローヤルゼリーにのみ含まれるもので、パロチン(唾液に含まれる若返りホルモン)に似た働きをすることがわかっており、その美容とアンチエイジング効果に注目が集まっています。

ぜひ毎日食べたい!と思われる方も多いと思いますが、ローヤルゼリーはハチミツとは異なり、甘味はほとんどなく、強い酸味と独特な風味があるので、生タイプのものを摂取する際にはご注意を…(あまりおいしいとはいえないかもしれません)!

ハチたちの健康を守る、プロポリス

プロポリスは、守るという意味を持つ“pro”と(promisやprotectなどにも使われる)、都市という意味を持つpolisが合わさってできたもので、名前が表わすとおり、ミツバチたちの巣を守るためのものです。
樹液や樹脂などからつくられたプロポリスは粘着性があり、ミツバチはこれを巣の入り口や隙間などに塗って、ばい菌やウイルスから巣を守っています。
もともと樹脂や樹液には、植物が傷ついた体を守ったり修復したりする作用があり、ミツバチも私たちと同じように植物の持つチカラを利用しているのがわかりますね。
プロポリスは風邪やインフルエンザの予防効果があるとされており、健康食品やのど飴などにも配合されています。

プロポリスはハチミツ同様古くから人類に利用されてきた記録が残っています。
古代エジプトではミイラの防腐剤に使用され、古代ローマでは切り傷や感染症の治療薬として使用されたとの記録もあるそうです。

完全栄養食!話題のスーパーフード、ビーポーレン

ローヤルゼリーやプロポリスよりは知名度は下がりますが、最近注目を集めつつあるのがビーポーレン(花粉荷)です。
これは、ミツバチが花を回る際に体に付着した花粉を集め、蜜と一緒に丸めて団子状にした働きバチたちの食べ物で、ミツバチたちが花々の間を飛び回るための原動力となっています。
完全栄養食といわれるほど、必須アミノ酸をはじめビタミン、ミネラルなど様々な栄養素が豊富に含まれている上、高い抗酸化力を有しており、アンチエイジング・美容・滋養強壮など様々な効果が期待されます。
わずかに甘さがあり、顆粒~粉状なので、そのままヨーグルトやサラダにトッピングしたり、スムージーやホットミルクに混ぜたりと、利用がしやすい点も魅力のようです。

ただ、花粉症などアレルギーのある方は、プロポリス、ビーポーレンともにアナフィラキシーショックなどのアレルギー反応も報告されていますので、ご注意ください。

ハチミツ以外にも、私たちがミツバチから受ける恵みというのはたくさんあるのですね。
あの小さなミツバチがこんなにも私たちに貢献してくれているだなんて…そう考えると、あの黄色と黒のしましまがかわいく見えてくるほど見る目が変わってしまいそうです。

ただ、ここ10年は病気の流行や環境の変化、特に農薬の影響が大きいと言われていて、ミツバチの数は世界中で年々減少傾向にあります。
ミツバチがいなくなると、ハチミツなどが得られないだけでなく、様々な植物の受粉ができなくなり、農作物にも影響が出てきます。

小さくてかわいい、だけどパワフルでかしこいミツバチ。
ずっと、大切にしていきたいですね!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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