美肌、育毛、抗酸化。シナモンのさまざまな効果と注意点

カプチーノの上にさっと振りかけたり、アップルパイやシナモンロールの風味付け使われたり……と、デザートに用いられていることが多いシナモン。
実は私たちの美容と健康にとっても効果的で、さらに育毛にも効果があることがわかり、最近特に男性から注目を集めています。
実際、シナモンにはどんな効果があるのでしょうか?
今回はシナモンについてお話ししたいと思います。

血管ケアの重要性。ゴースト血管とシナモンの関係って何??

米国の内科医、ウィリアム・オスラー博士の言葉に「人は血管とともに老いる」とあります。
血管は、私たちの全身に張り巡らされ、ポンプ役の心臓に押し出された血液が流れています。
血管を知らない人はいないと思いますが、全身の毛細血管まで含めて全部をつなげると、その長さはなんと10万kmともいわれ、地球を2周半するほどの長さがあることを知っていましたか?
日本人の4人に1人が血管のトラブルによって亡くなっているという事実からも、生命にかかわる太い血管は重要ですが、実は血管の95%以上は毛細血管。
毛細血管は、私たちの体にある約60兆個ある私たちの細胞の一つひとつに栄養や酸素を届けたり、二酸化炭素や老廃物を回収したりしています。
重要な毛細血管ですが、多くはなんと髪の毛の1/10程度の細さ(赤血球がギリギリ通れる程度の細さです)しかなく、とてももろく傷つきやすいのです。
主に加齢、さらに紫外線や酸化・糖化の影響も受けることで、リンパ管や血管の壁細胞と内皮細胞の結びつきが緩んでしまいます。
すると血管に隙間ができ、重要な栄養分や水分が漏れ出してしまうのです!
そうなると、末梢まで栄養などが届かなくなってしまうばかりか、血液が流れなくなった状態が続くといずれ消えてしまい、いわゆる「ゴースト血管」と呼ばれる状態に。
血管がゴースト化してしまうと、周囲の細胞に栄養や酸素が届けられなくなり死滅してしまいます。
ゴースト血管は、骨粗しょう症やアルツハイマー型認知症といった健康寿命を脅かすリスクや、シミやしわなどの皮膚老化や抜け毛の一因となっていることが分かってきています。
そんな脆弱な毛細血管やリンパ管の細胞同士の接着に重要な役割を果たしているのが、Tie2(タイツー)と呼ばれる内皮細胞に存在する受容体です。
Tie2の活性化により、血管やリンパ管の構造が安定化することが最近の研究で報告されています。
そして、Tie2の活性化に一役買ってくれるのが、シナモンです。
シナモンに含まれる抗酸化ポリフェノールであるシリンガレシノールという成分が、Tie2を活性化し、血管やリンパ管の構造を安定化することにより、機能を正常化する効果があることが報告されています。
そのため、健康や美肌、育毛に効果があるとしてシナモンに注目が集まっているのです。

血管だけじゃない! シナモンにはうれしい効果がいっぱい

血管ケアの効果が期待できるシナモンですが、オイゲノール、プロアントシアニジンといったポリフェノール類も豊富に含まれています。
シナモンは体に良いとされるスパイス類のなかでも、特に高い抗酸化活性が期待される、まさにスーパーフード。
漢方では桂皮もしくは肉桂と呼ばれ、発汗・解熱・鎮痛・整腸など、さまざまな効果があるとされています。
シナモンに含まれるタンニンやカテキンには抗菌作用や殺菌作用があることから、古代エジプトではミイラづくりにも用いられていたそう。
古代ローマでは、金と同等の価値があると取り扱われていたこともあるそうですが、この効果ならそれもうなずけますね。
腸内環境の改善に、冷え症、血管ケア、美肌、育毛、抗酸化、血糖値上昇の抑制……と、うれしい効果のオンパレードなシナモン。
血管の状態をよくして血流を改善するので、基礎体温の向上や免疫力の向上、ダイエット効果なども期待できそうとあれば、美容や健康が気になる方には、魅力たっぷりなスパイスですよね!
コーヒーや紅茶に合うので、積極的に摂取したい方は飲み物にひと振りすると、手軽に毎日取り入れられるので、おすすめです。
ただし、シナモンの摂取には注意点がひとつ。
それは摂取量です。
シナモンに含まれるクマリンという成分を大量摂取すると、肝機能に影響が出ることが報告されています。
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR:Bundesinstitut für Risikobewertung)の2007年の意見書によると、クマリンの耐容一日摂取量(TDI:Tolerable Daily Intake)※は体重1kgに対して0.1mgとのこと。
※ 耐容一日摂取量…ある物質を生涯にわたって継続的に摂取した際に、健康に悪影響を及ぼすおそれがないと推定される1日当たりの摂取量
私たちが利用することの多いシナモンは、実はカシア由来とセイロンニッケイ由来のものがあります。カシアにはクマリンが多く含まれ、セイロンニッケイにはほとんど含まれないことがわかっています。
そのため、BfRの基準を守るのなら、シナモンの1日の摂取量は、カシアなら1日に1.5g、セイロンニッケイなら300g以下になります(さすがにシナモンを300g以上摂取するとは考えにくいですが)。
シナモンが好きで、いろんなものに思いっきり振りかけたい人は、セイロンニッケイのものを選ぶようにすると安心ですね。
また、漢方薬を飲んでいる方は、桂皮や肉桂を含んでいる場合が多いので、一度ご確認ください。

美容にも健康にもマルチに活躍する、シナモン。
おいしさや香りを向上させながらも、さまざまな効果を発揮してくれるなんて、とってもうれしいですよね!
「効果があるのは分かるけど、シナモンの香りはどうしても苦手」という方は、カレーをつくる際に小さじ1ほど入れてみると、シナモンの香りがカレーの香りに溶け込んであまり気にならなくなるのでおすすめです。
シナモンを上手に利用して、小粋でスパイシーな美女を目指しちゃいましょう!
[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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